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第二章
518
俺の問いに、バーン翁が問い返す。
「あいつ、とは?」
「おれたちに話しかけてくる奴のことさ」
バーン翁は目を細めて天井を見上げた。
「さて、奴が素直に教えてくれるものじゃろうか……」
「会話したことがあるんだよな?」
「ある。じゃが、会話といってもほとんどわしからの質問には答えんかった」
「想像がつくな」
「そうじゃろう?一応、何度かは答えたこともあったが……」
「どんな質問に答えたんだ?」
「なぜわしを転移者に選んだのか聞いたときは、一応答えたな」
俺は驚き、慌てて先を急かした。
「そうなのか!?奴があんたを選んだ理由は何だったんだ?」
バーン翁は一旦間を置き、伏し目がちに答えた。
「……わしの商才を買ったようじゃ」
「商才?それが理由?」
「なんじゃ、不服か?」
「いや、別にそういうわけじゃないが……」
「実際奴の目利きは正しかった。お前さん、言うておくがわしは、この世界で有数の大商会を創設したのじゃぞ」
「それはそうだろうが……」
困り顔の俺を見て、バーン翁が呵々と笑った。
「じゃが、結果的には奴の思惑とは違った。わしは商会を大きくはしたが、世界統一の道へは進まんかったからの」
「やっぱり世界統一こそが、奴の目的ってことか」
俺がそう言うも、バーン翁はうなずかず、眉根を寄せて考え込んだ。
俺は不審に思うも、何も言わず、バーン翁を待った。
すると、バーン翁はゆっくりと威儀を正して俺を見据えた。
「そうかもしれぬ。じゃがそうでないかもしれぬ。もしかすると、その先があったのかもしれぬが、結局奴は本心をさらすことなく、数十年が経った。それ故、もう今となってはわからぬことよ」
「その先……世界統一の先があると?」
俺の問いに、バーン翁が口角を上げた。
「じゃからわからんと言っておろうが。知りたければお前さんが奴に聞け。もう奴はわしの呼びかけには応じぬが、時が来たならお前さんの呼びかけに応じることもあるかもしれぬからな」
「今はまだ無理か?」
「どうじゃろうか。聞いてみたらどうだ?」
「どうやって聞くんだ?」
「心の中で問いかければよい」
俺は眉根を寄せるも、とりあえずやってみることにした。
大きく深呼吸をしてから目を瞑り、心の中で呼びかけた。
おい!聞こえるか!?聞こえたら返事をしろ!
俺は心の中で何度も叫んだ。
だが、応答はなかった。
俺は目を開き、目の前のバーン翁に向かって言った。
「ダメだ。全然応答しない」
するとバーン翁は、にこりと笑った。
「そうか。ではまたいずれ、呼びかけてみることじゃな」
「あいつ、とは?」
「おれたちに話しかけてくる奴のことさ」
バーン翁は目を細めて天井を見上げた。
「さて、奴が素直に教えてくれるものじゃろうか……」
「会話したことがあるんだよな?」
「ある。じゃが、会話といってもほとんどわしからの質問には答えんかった」
「想像がつくな」
「そうじゃろう?一応、何度かは答えたこともあったが……」
「どんな質問に答えたんだ?」
「なぜわしを転移者に選んだのか聞いたときは、一応答えたな」
俺は驚き、慌てて先を急かした。
「そうなのか!?奴があんたを選んだ理由は何だったんだ?」
バーン翁は一旦間を置き、伏し目がちに答えた。
「……わしの商才を買ったようじゃ」
「商才?それが理由?」
「なんじゃ、不服か?」
「いや、別にそういうわけじゃないが……」
「実際奴の目利きは正しかった。お前さん、言うておくがわしは、この世界で有数の大商会を創設したのじゃぞ」
「それはそうだろうが……」
困り顔の俺を見て、バーン翁が呵々と笑った。
「じゃが、結果的には奴の思惑とは違った。わしは商会を大きくはしたが、世界統一の道へは進まんかったからの」
「やっぱり世界統一こそが、奴の目的ってことか」
俺がそう言うも、バーン翁はうなずかず、眉根を寄せて考え込んだ。
俺は不審に思うも、何も言わず、バーン翁を待った。
すると、バーン翁はゆっくりと威儀を正して俺を見据えた。
「そうかもしれぬ。じゃがそうでないかもしれぬ。もしかすると、その先があったのかもしれぬが、結局奴は本心をさらすことなく、数十年が経った。それ故、もう今となってはわからぬことよ」
「その先……世界統一の先があると?」
俺の問いに、バーン翁が口角を上げた。
「じゃからわからんと言っておろうが。知りたければお前さんが奴に聞け。もう奴はわしの呼びかけには応じぬが、時が来たならお前さんの呼びかけに応じることもあるかもしれぬからな」
「今はまだ無理か?」
「どうじゃろうか。聞いてみたらどうだ?」
「どうやって聞くんだ?」
「心の中で問いかければよい」
俺は眉根を寄せるも、とりあえずやってみることにした。
大きく深呼吸をしてから目を瞑り、心の中で呼びかけた。
おい!聞こえるか!?聞こえたら返事をしろ!
俺は心の中で何度も叫んだ。
だが、応答はなかった。
俺は目を開き、目の前のバーン翁に向かって言った。
「ダメだ。全然応答しない」
するとバーン翁は、にこりと笑った。
「そうか。ではまたいずれ、呼びかけてみることじゃな」
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