１×∞（ワンバイエイト） 経験値１でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました！

第二章

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「わかったよ。ところで、グランルビーが採掘されるところはすべて隕石が落下した地形なのかを、調べられないか？」

　バーン翁は大きくうなずいた。

「うむ。それがわかれば、グランルビーが隕石衝突によって生成されたものなのかが判明するな」

「頼めるか？」

「わかった」

　バーン翁はテーブルの上に置かれたベルを取ると、ゆっくりと振って音を鳴らした。

　だがすぐには誰も、扉を開けて部屋に入ってこようとはしなかった。

　バーン翁は不審に思い、眉根を寄せた。

　だがすぐに扉は開かれた。

　そして先ほどの執事が、血相を変えて足早にこちらに向かってきた。

　バーン翁は、何事かあったなという顔となった。

「どうかしたか？」

　バーン翁の問いに、執事が額の汗をハンカチで拭いながら答えた。

「はい。ただいま入ったばかりの情報でございますが……」

　執事はそこで一度大きくつばを飲み込んだ。

　そしてバーン翁の顔を見つめ、今にも泣き出しそうな顔をして言った。

「アルフレッド様が、ベルガン帝国の手の者に捕らえられた模様です」

　俺は大層驚き、バーン翁よりも先に、叫ぶように言った。

「アルフレッドが！アルフレッド・バーンが、帝国に捕らえられただと!?」

　執事は息せき切りつつも、俺に向かって答える。

「詳報はまだにございますが、そのような第一報がございました」

　俺はそこでバーン翁を見た。

　翁は、眉根を寄せて目を細めるも、決して慌てる素振りを見せずにいた。

　俺はその豪胆さに感心した。

　だが感心してばかりもいられない。

　どうする？

　アルフレッドが現在いるのは、アルデバラン王国東部の港町デガローだ。

　なぜそんなところにいるかといえば、アルフレッドは現在、デガローから旧アルデバラン王国の残兵を船に乗せ、ベルガン帝国の目を盗んで俺たちのいるオルダナ王国に送るという大仕事をやってくれている。

　だがそのことが帝国にバレたのだろう。

　どうすればいい？

　助けに行くには、あまりにも遠い。しかもアルデバラン王国は、現在その全土をベルガン帝国に占領されている。

　敵中突破でアルデバラン王国を横断するか？いや、それはさすがに無理があるか。

　では、どうするか？

　すると、バーン翁がゆっくりと立ち上がった。

　そして、意を決した表情となって言った。

「すまぬが、お前さんの相手をするのはここまでじゃ。わしにはやらねばならぬことが出来たのでな」

　俺はその意味を瞬時に理解し、すかさず立ち上がった。

「助けに行くんだな？」

　翁は顔を上げ、呵々と笑った。

「当然よ。可愛い孫じゃからな」