1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!

マツヤマユタカ

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第二章

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「いや、しかしだな……」

 ガッソはそれでも不安そうだった。

「俺とバーン翁は、どちらもSランクだぜ。敵が何百、いや、何千いようと問題ないと思うぜ」

「そりゃあお前の強さも、おやっさんの強さも知ってはいるが……相手の戦力がわからない以上、危険が……」

 なお心配げなガッソに、バーン翁が自信満々で言った。

「心配ない。なんならわし一人でもいいくらいじゃ。そこを二人で行くと言っているのだ。問題あるまい」

 するとようやくガッソが諦めた。

「はあ……ですが、くれぐれも気をつけてくださいよ。この上、おやっさんまでもとなったら、あっしはどうしたら……」

「心配ないと言うておる。ではな。行ってまいる」

 バーン翁はそう言うと、さっと踵を返す。

「大丈夫だ。俺がついている。安心してここで待っていてくれ」

 俺はそう言うと、バーン翁のあとを追った。

 その俺のあとをゼロスがついてきた。

 俺は即座に判断した。

「ゼロス、今回はここで待っていてくれ」

 ゼロスがつと立ち止まり、口を開いた。

「わかった。おそらくわたしは、足手まといにしかならないだろうからな」

 ゼロスがしゃべり出したことで、ガッソも五代目もギョッとした顔となった。

 俺は慌てて説明した。

「びっくりしたと思うが、ゼロスはしゃべることが出来るんだ」

「いや……そうなんだな……」

 ガッソがなんとか声を絞り出した。

「すまないが、ゼロスはおいていくから、面倒を頼む。といってもゼロスは大人だから、さして世話をかけることはないから安心してくれ」

 俺の言葉に五代目がおそるおそるではあるが、承知する。

「は……かしこまりました。お世話させていただきます」

「じゃあ行ってくる」

 俺は今度こそ踵を返し、バーン翁のあとを追って行った。



 俺たちは店を出ると右に曲がり、アルフレッドが囚われていると思われる、ベルガン帝国の駐留地へと向かった。

「歩いて十分ほどと言っていたな」

 俺の問いかけに、バーン翁が応じる。

「うむ。駐屯地というくらいじゃ、かなり大きいじゃろうから、歩いていけばわかるだろう」

「そうだな、それはそうと、どうする?」

「なにがじゃ?」

「正面から行くか、それとも裏から周るか」

 翁は即座に言い切った。

「正面でいいじゃろ」

 俺は大いに笑った。

「いやいいけどさ、それだと殴り込みみたいになるぜ」

 翁が肩をすくめた。

「これが殴り込み以外のなんなのじゃ?わしらは真正面から正当に殴り込みをかければいいじゃろう」

「ま、いいか。じゃあ受付で正直に聞いてみる?アルフレッドは何処ですかってさ」
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