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第二章
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「驚くじゃろう?わしもじゃ。軍部は良きにつれ悪しきにつれ、戦後一旦瓦解したことで、ある意味で責任は取ったと言えよう。じゃが新聞社はそうではなかった。なんの責任も取らず、それどころかそんなことなどなかったかのようにして、いけしゃあしゃあと生き残り続けたんじゃ」
知らなかった。新聞社がそんなことをしていたなんて。俺はこれまで何も考えず、無条件に真実を追求する人たちくらいに思っていた。だがそれは間違いだったようだ。俺には目の前のバーン翁が、嘘を言っているとは思えない。
ならばそれは、やはり真実だということだ。
俺はバーン翁が言うように、どうやらまだ幼子のようなものなのかもしれない。たった十五年の人生では、知り得ることは少ない。
俺はそこで大きく息を吐き出した。
「驚いたよ。正直、まったく知らなかった」
バーン翁は暖かな笑みを浮かべた。
「仕方なかろう。お前さんはまだ若い。これから色々なことを経験し、学んでいくといい」
俺はこくりと首を垂れた。
「そうするよ」
俺はもう一度深く息を吐き出すと、言った。
「では、日本が戦争に至る空気を醸成させたのは、軍部とマスコミということなんだな?」
するとバーン翁がゆっくりと首を横に振った。
「まだ他にいるのか?」
俺がさらなる驚きを持って尋ねると、バーン翁が肩をすくめた。
「そりゃあいるだろう」
俺は首をひねった。
「それは、誰だ?」
バーン翁はまたも肩をすくめた。
「決まっておろう。日本国の国民たちじゃよ」
俺は眉根を寄せた。
「ちょっと待ってくれ。国民は軍部やマスコミに乗せられただけなんじゃないのか?」
「はじめはそうじゃろうな。だがその乗せられた国民たちが声高に叫び、軍部やマスコミの後押しをして、さらなる暴走に拍車をかけたのも事実じゃ」
「煽られた国民が、今度は煽った軍部やマスコミの後押しをしたのか……」
バーン翁は据えた目で中空を睨みつけた。
「出てくるんじゃよ。国民の中に、意気揚々と声高に、戦端を開けと叫ぶ者たちがな。結果、事態はエスカレートしていった。それも際限なくじゃ。どこまでも因果は続き、事態はどんどん悪化していった。その様は、傍から見れば悪しき永久機関のように思えたことじゃろう」
「煽りの連鎖ってわけか」
「そうじゃ。そうなったらもう引き返すことは出来ん。開戦じゃ」
「軍部、マスコミ、そして国民の三者が互いに絡み合い、三位一体となって開戦に向かったんだな。しかしだとしたら、日本人のほぼ全員になるじゃないか」
知らなかった。新聞社がそんなことをしていたなんて。俺はこれまで何も考えず、無条件に真実を追求する人たちくらいに思っていた。だがそれは間違いだったようだ。俺には目の前のバーン翁が、嘘を言っているとは思えない。
ならばそれは、やはり真実だということだ。
俺はバーン翁が言うように、どうやらまだ幼子のようなものなのかもしれない。たった十五年の人生では、知り得ることは少ない。
俺はそこで大きく息を吐き出した。
「驚いたよ。正直、まったく知らなかった」
バーン翁は暖かな笑みを浮かべた。
「仕方なかろう。お前さんはまだ若い。これから色々なことを経験し、学んでいくといい」
俺はこくりと首を垂れた。
「そうするよ」
俺はもう一度深く息を吐き出すと、言った。
「では、日本が戦争に至る空気を醸成させたのは、軍部とマスコミということなんだな?」
するとバーン翁がゆっくりと首を横に振った。
「まだ他にいるのか?」
俺がさらなる驚きを持って尋ねると、バーン翁が肩をすくめた。
「そりゃあいるだろう」
俺は首をひねった。
「それは、誰だ?」
バーン翁はまたも肩をすくめた。
「決まっておろう。日本国の国民たちじゃよ」
俺は眉根を寄せた。
「ちょっと待ってくれ。国民は軍部やマスコミに乗せられただけなんじゃないのか?」
「はじめはそうじゃろうな。だがその乗せられた国民たちが声高に叫び、軍部やマスコミの後押しをして、さらなる暴走に拍車をかけたのも事実じゃ」
「煽られた国民が、今度は煽った軍部やマスコミの後押しをしたのか……」
バーン翁は据えた目で中空を睨みつけた。
「出てくるんじゃよ。国民の中に、意気揚々と声高に、戦端を開けと叫ぶ者たちがな。結果、事態はエスカレートしていった。それも際限なくじゃ。どこまでも因果は続き、事態はどんどん悪化していった。その様は、傍から見れば悪しき永久機関のように思えたことじゃろう」
「煽りの連鎖ってわけか」
「そうじゃ。そうなったらもう引き返すことは出来ん。開戦じゃ」
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