1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!

マツヤマユタカ

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第二章

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「なら、今ここで打ち合わせを入念にしておいたところで、その後の状況は刻一刻と変わっていくことだろう。だったら、大まかな戦略だけは共有しておき、細かなところはその都度、手紙などでやりとりをして、対処していけばいいじゃないか」

「そりゃあまあ、そうかもしれないが……だったらその大まかな戦略をだなあ」

 俺はガッソの言葉を遮り、言った。

「現状、俺のやることはひとつ。アルデバラン残党軍とティラノレギオンの練兵だ。そうだろう?」

「まあそうだな」

「で、翁はガッソたちと共に、アルデバラン領内での内乱の準備とエルブリーズへの働きかけをする。そうだろう?」

「まあそうだ」

「ならもう大まかな戦略は共有済みじゃないか」

 バーン翁が俺の言うことに同意する。

「それでよい。なんといってもアルデバラン王国を奪還できるかどうかは、結局のところは軍事力如何にかかっておる。いくら内乱がうまくいこうと、エルブリーズによりけん制しようと、結局はオルダナにおる純粋な軍事力、それこそが肝要というものよ。そしてその中心、要となるのは、お前さんじゃ」

「わかっているさ。きっと俺が、先陣の槍となってベルガンを突き破ってみせる!」

「その意気じゃ。ではお前さんたちは、ネーレウス号を使ってオルダナへと帰るがいい」

「俺たちが使ってもいいのか?」

「構わん。もっとも帝国兵によってすでに接収されてしまっておるかもしれんがのう。だがお前さんなら、敵ではあるまい。わしもここでやるべきことをやったら、一旦オルダナへと向かおう」

「では蜂起の際は、俺たちと一緒に?」

「それはまだわからん。アルデバラン領内での内乱の指揮を執った方が良いのなら、そうするでな」

「じゃあオルダナへは何しに?」

「わしはまだアリアス王女にお目にかかっておらんのでな。一度お目にかかっておかなければ、肩入れするにしても色々と都合が悪い。それにお前さんの参謀のレノアにも会っておかんとな。いざ決行となる前に、最終確認くらいは顔を突き合わせて、しておきたいからのう」

「わかった。じゃあ俺たちは一足お先にオルダナに戻るよ」

「うむ。ではいずれ、オルダナでまた会おう」

「ああ、そうしよう。それにしてもあんたとの旅は、短かったけど楽しかったぜ!」

「わしもじゃ。久しぶりに血沸き肉躍ったわ」

 翁の言葉に俺は笑った。

 翁も呵々と笑った。

 俺は笑い終えると、表情を引き締めて大きくひとつうなずいた。

 翁も同様にゆっくりとうなずいた。

 それを見て俺は踵を返す。

 ゼロスがその後を、足音を立てずについてくる。

 そうして俺たちは振り向きもせずに部屋を出ると、一路オルダナへと帰還することとなった。
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