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第二章
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するとB・Bが、ほくそ笑みながら言った。
「まあいい。なぜ攻撃しなかったのかを教えてやろう」
俺は怒りをぐっと抑え込み、B・Bの返答を待った。
B・Bは顎を大きく上げたかと思うと、嘲るような笑みを浮かべて言った。
「今は味方とはいえ、早々に手の内をさらすものではないからだ」
俺は我慢できずに怒鳴った。
「何言ってんだ!味方なんだからいいだろうが!」
「よくはない。繰り返すが、確かに今は味方だ。だがお前が言った通り、今後敵となる可能性がゼロではない以上、やはり手の内はさらすべきではない」
「お前、俺たちの敵になるつもりか?」
「馬鹿を言え。こちらから望んでアリアス王女殿下の敵となるつもりなど、毛頭ない。だが、もしもお前が敵方に付いたらどうだ?」
俺は思わずギョッとした。だから反射的に叫んだ。
「そんなことするかっ!」
だがその一瞬で、B・Bは俺の様子に不審を感じたようだ。
目を細め、首をわずかに傾け、俺を見据える。
「嫌な反応をしたな?お前」
俺は心内の動揺を押し隠すように反駁した。
「いきなりそんな途方もないことを言われたら、びっくりするだろう普通」
「そうか?そういった反応には見えなかったが……」
B・Bの美しく流麗な目が、俺を睨みつける。
俺は先程から口内に溜まったつばを持て余している。駄目だ。飲み込んでは駄目だ。そうすれば喉の動きで、動揺していることがバレてしまう。
もちろん俺には、アリアスに背く意志なんてない。だが、今やふたりの関係は破綻しているといっていい。その自覚が、動揺となって表に現れた。それをB・Bに怪しまれている。
どうする?B・Bは、俺とは気が合わないが、あくまでも味方だ。アリアスと俺の関係が、今や破綻状態であると正直に告白すべきだろうか?
いや、バーン翁が以前に言っていた。味方にこそ知られてはならないと。このことが露見すれば、味方の軍に動揺が走る。それは、兵の弱体化となる。だから隠せと、バーン翁は言っていたのだ。
俺は口内の大量の唾をそのままに、ただ無言でB・Bを睨み返した。
と、背後からレノアの声が響いた。
「ねえ、ちょっと!大丈夫?双方怪我はない?」
俺は振り返り、B・Bに気取られないようにして大量のつばを飲み込むと、言った。
「大丈夫だ。本気の戦いじゃない。どちらもかすり傷ひとつないさ」
レノアはほっとした表情を浮かべた。
「よかった。さすがに君たちふたりの戦いに、途中で割り込むことは出来ないからね。ずっとひやひやしていたんだよ」
「まあいい。なぜ攻撃しなかったのかを教えてやろう」
俺は怒りをぐっと抑え込み、B・Bの返答を待った。
B・Bは顎を大きく上げたかと思うと、嘲るような笑みを浮かべて言った。
「今は味方とはいえ、早々に手の内をさらすものではないからだ」
俺は我慢できずに怒鳴った。
「何言ってんだ!味方なんだからいいだろうが!」
「よくはない。繰り返すが、確かに今は味方だ。だがお前が言った通り、今後敵となる可能性がゼロではない以上、やはり手の内はさらすべきではない」
「お前、俺たちの敵になるつもりか?」
「馬鹿を言え。こちらから望んでアリアス王女殿下の敵となるつもりなど、毛頭ない。だが、もしもお前が敵方に付いたらどうだ?」
俺は思わずギョッとした。だから反射的に叫んだ。
「そんなことするかっ!」
だがその一瞬で、B・Bは俺の様子に不審を感じたようだ。
目を細め、首をわずかに傾け、俺を見据える。
「嫌な反応をしたな?お前」
俺は心内の動揺を押し隠すように反駁した。
「いきなりそんな途方もないことを言われたら、びっくりするだろう普通」
「そうか?そういった反応には見えなかったが……」
B・Bの美しく流麗な目が、俺を睨みつける。
俺は先程から口内に溜まったつばを持て余している。駄目だ。飲み込んでは駄目だ。そうすれば喉の動きで、動揺していることがバレてしまう。
もちろん俺には、アリアスに背く意志なんてない。だが、今やふたりの関係は破綻しているといっていい。その自覚が、動揺となって表に現れた。それをB・Bに怪しまれている。
どうする?B・Bは、俺とは気が合わないが、あくまでも味方だ。アリアスと俺の関係が、今や破綻状態であると正直に告白すべきだろうか?
いや、バーン翁が以前に言っていた。味方にこそ知られてはならないと。このことが露見すれば、味方の軍に動揺が走る。それは、兵の弱体化となる。だから隠せと、バーン翁は言っていたのだ。
俺は口内の大量の唾をそのままに、ただ無言でB・Bを睨み返した。
と、背後からレノアの声が響いた。
「ねえ、ちょっと!大丈夫?双方怪我はない?」
俺は振り返り、B・Bに気取られないようにして大量のつばを飲み込むと、言った。
「大丈夫だ。本気の戦いじゃない。どちらもかすり傷ひとつないさ」
レノアはほっとした表情を浮かべた。
「よかった。さすがに君たちふたりの戦いに、途中で割り込むことは出来ないからね。ずっとひやひやしていたんだよ」
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