1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!

マツヤマユタカ

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第二章

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 俺はうなずく。

「ああ。問題ない。ゼロスは床で寝るのが好きだからな」

 俺はそう言って振り返り、ゼロスを見た。

 心なしかゼロスが微笑んでいるように見える。

「よし、じゃあ部屋に行こう。B・Bの部屋は一階だよ」

 そう言ってレノアが部屋の鍵をB・Bに渡した。

 次いでラーズ族たちにも鍵を渡す。

「君たちも一階だ。二人でひと部屋だからね」

 ラーズ族たちが無言でうなずいた。

 レノアは満足げにうなずき返し、振り向いて俺を見た。

「僕らは二階だ。階段を上るのは面倒だけど、いいよね?」

 俺はすかさず応じた。

「構わない。景色は特によくなさそうだが、普段からあまり見ないしな」

「そうだね」

 レノアがそう言って笑った。

「じゃあそれぞれ適当に過ごしていて。僕はちょっと寝て、具合がよさそうだったらみんなの部屋に呼びに行くよ」

 レノアは主にB・Bに向けて言った。

 B・Bは能面のような顔でうなずいた。

「わかった」

「じゃあ部屋へ」

 レノアはそう言うと歩き出した。

 俺たちは無言でついていく。

 玄関から真っ直ぐ行った突き当りを右に曲がり、しばらく行くとレノアが立ち止まった。

「この部屋から順番にラーズ族の部屋だね。二人ずつ入って休んで」

 ラーズ族たちは無言でうなずき、その内ふたりがドアを開けて入っていった。

 続けてどんどん入室していき、B・Bの番となった。

「ここがB・Bの部屋だね。僕らの部屋はこの真上だから、何かあったら呼びに来て」

「わかった。レノアが寝るということなら、少し街を散策して来てもよさそうだな」

「もちろんだよ。少なくとも、そうだな……三時間は寝るつもりだから、それまでだったら問題ないよ」

「わかった」

 B・Bはそう言うと、踵を返して歩き出した。

 早速街を散策に出かけるらしい。

 俺はその背を見送ると、レノアとゼロスと共にすぐ近くの階段を上がって二階に向かった。

 階段の途中で俺は、レノアに語り掛けた。

「さっきの……」

 だがレノアが素早く口元に右手の人差し指を当てる動作をして、俺の言葉を遮った。

 俺は黙り込み、そのまま階段を無言で上った。

 そして階段を上り切り、少し歩いたところでレノアが止まった。

「この部屋だ。入ろう」

 レノアはそう言うと、ドアを開けて中に入った。

 俺の横をゼロスがすり抜け、中へ。

 最後に俺が入り、後ろ手に扉を閉め、鍵をかけた。

 レノアがその動作を見てうなずいた。

 だがまだしゃべらない。

 部屋の中央まで進み、ソファーに腰かけ、ようやくレノアが口を開いた。
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