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第二章
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「その際に、何か変わったことは?」
俺の問いに御者が首をひねった。
「いえ、特には……突然急に甲高くいなないたかと思うと一気に走り出しまして、その後は制御も効かず……」
すると少年が御者をかばうように言った。
「彼は嘘を吐いていないと思います。長年仕えてくれている御者ですから、僕にはわかります」
少年の瞳は真っ直ぐに俺を射すくめた。
俺はため息交じりにうなずいた。
「そうか。ところで、自己紹介がまだだったな。俺はカズマ・ナカミチという」
すると少年が威儀を正して言った。
「申し遅れました。わたしはカミーユ・フリーデルと申します」
カミーユは実に礼儀正しくお辞儀をした。
その時、馬の荒い呼吸音が耳についた。
俺はいぶかしみ、馬に近づいた。顔を覗き込み、ふとその目に、赤い線がいくつも入っていることに気が付いた。
目が充血している?息も凄く荒い。いまだ興奮冷めやらずってところだな。
俺が力で押さえつけたから一応大人しくはしているが、俺が離れたらまた暴れ出しそうな気配だ。
俺はゆっくりと馬の身体をさすりながら、異変がないか探した。
すると、馬の背中の辺りで、指先に違和感を感じた。
俺が指に当たったものを目で確認すると、それは茶色い鳥の羽であった。
馬の身体も茶色いため目立たないが、間違いなく鳥の羽が馬の背に乗っていた。
俺はその羽をつと、つまんだ。すると、ほんのわずかに抵抗を感じた。
これは?
俺は指でつまんだ羽を凝視すると、その先からきわめて細くやわらかな針が伸びていた。
こいつが刺さったのが原因か!
俺は羽の先についた針を目の前に近づけ、凝視した。
毒か?いや、興奮剤のようなものが塗られているのではないだろうか?
俺はそれを無頓着に舐めた。
大丈夫。俺は毒耐性があるし、興奮剤くらいなら制御できるはずだ。
すると、徐々に俺の身体が熱くなってきた。
俺は右手を左の手首に当て、脈拍を計る。明らかに脈が上がっている。
間違いない。これは興奮剤だ。俺は大きく息を吸い込み、ゆっくりと吐いた。それを数回繰り返す。
すると次第に興奮が収まってきた。レベルがアップしたんだろう。
俺はゆっくりと落ち着いた歩様で歩き、もう一頭の馬の背を調べた。
あった。やはり馬の背に鳥の羽が刺さっている。
俺はそれを引き抜くや、同じように舐めた。
先ほどよりもかなり大人しいものの、ほんのり身体が熱くなり、動悸が早まった。
やっぱりだ。こいつを刺されたために、馬は暴れ出したんだ。
俺の問いに御者が首をひねった。
「いえ、特には……突然急に甲高くいなないたかと思うと一気に走り出しまして、その後は制御も効かず……」
すると少年が御者をかばうように言った。
「彼は嘘を吐いていないと思います。長年仕えてくれている御者ですから、僕にはわかります」
少年の瞳は真っ直ぐに俺を射すくめた。
俺はため息交じりにうなずいた。
「そうか。ところで、自己紹介がまだだったな。俺はカズマ・ナカミチという」
すると少年が威儀を正して言った。
「申し遅れました。わたしはカミーユ・フリーデルと申します」
カミーユは実に礼儀正しくお辞儀をした。
その時、馬の荒い呼吸音が耳についた。
俺はいぶかしみ、馬に近づいた。顔を覗き込み、ふとその目に、赤い線がいくつも入っていることに気が付いた。
目が充血している?息も凄く荒い。いまだ興奮冷めやらずってところだな。
俺が力で押さえつけたから一応大人しくはしているが、俺が離れたらまた暴れ出しそうな気配だ。
俺はゆっくりと馬の身体をさすりながら、異変がないか探した。
すると、馬の背中の辺りで、指先に違和感を感じた。
俺が指に当たったものを目で確認すると、それは茶色い鳥の羽であった。
馬の身体も茶色いため目立たないが、間違いなく鳥の羽が馬の背に乗っていた。
俺はその羽をつと、つまんだ。すると、ほんのわずかに抵抗を感じた。
これは?
俺は指でつまんだ羽を凝視すると、その先からきわめて細くやわらかな針が伸びていた。
こいつが刺さったのが原因か!
俺は羽の先についた針を目の前に近づけ、凝視した。
毒か?いや、興奮剤のようなものが塗られているのではないだろうか?
俺はそれを無頓着に舐めた。
大丈夫。俺は毒耐性があるし、興奮剤くらいなら制御できるはずだ。
すると、徐々に俺の身体が熱くなってきた。
俺は右手を左の手首に当て、脈拍を計る。明らかに脈が上がっている。
間違いない。これは興奮剤だ。俺は大きく息を吸い込み、ゆっくりと吐いた。それを数回繰り返す。
すると次第に興奮が収まってきた。レベルがアップしたんだろう。
俺はゆっくりと落ち着いた歩様で歩き、もう一頭の馬の背を調べた。
あった。やはり馬の背に鳥の羽が刺さっている。
俺はそれを引き抜くや、同じように舐めた。
先ほどよりもかなり大人しいものの、ほんのり身体が熱くなり、動悸が早まった。
やっぱりだ。こいつを刺されたために、馬は暴れ出したんだ。
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