【第一部完結】無能呼ばわりされてパーティーを追放された俺だが、《神の力》解放により、《無敵の大魔導師》になっちゃいました。

マツヤマユタカ

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124 醜い化け物

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「ほう、そうか。では早速参るとしようか」

 トリストはそう言い捨てると、瞬時に消え失せた。

 そして次の瞬間、予想通りに俺の目の前に現れた。

「来い!」

 俺が叫ぶのとほぼ同時に、トリストの豪腕が振り下ろされた。

 ガィーーーン!

 俺はディヴァインシールドにひびが入ったことを確認するや、すかさず新たに展開した。

 そこへさらなる攻撃が。

 ガィーーーン!

 ガィーーーン!

 連打を繰り出すトリスト。

 俺は慌てず、ゆっくりとひびの入りようを確認しながら、新しく展開していった。

 だがトリストの連撃は止まらない。

 次から次へと繰り出された。

 俺は次々にディヴァインシールドを展開しつつ、ひびの入り方に眉根を寄せた。

 まずいな。どんどんひびの入り方が大きくなっている。

 もしかしてパワーが上がっているのか?

 何故だ?

 俺はディヴァインシールドを展開しつつ、トリストの身体を凝視した。

 すると、或ることに気付いた。

 俺は瞬間移動を使い、トリストから距離を取った。

 そして離れた位置から改めてトリストの身体を眺め、確信したのだった。

「お前、身体大きくなってないか?」

 するとトリストが巨体を揺すらせて笑った。

「その通りだ。この身体は時間が経てば経つほど、際限なく大きくなっていく。無論それに伴って力もどんどん強くなっていくぞ」

「あっそ。ずいぶんと嫌な身体だな」

 するとトリストが眉根を寄せた。

「嫌な身体?どうしてだ?」

「だって、醜いだろ」

 俺があっさりとそう言うと、トリストの顔が険しくなった。

「なんだと?」

「うん?聞こえなかった?醜いって言ったんだよ」

 俺が追い打ちを掛けるようにすかさず言うと、トリストの形相がみるみると悪しく変わっていった。

「醜いだと?」

 俺は再度の追い打ちを掛けるべく、アゴを上げ胸を突き出して傲然と言い放った。

「とても醜い化け物に見えるぜ」

 するとトリストが身体全体を振るわせて、怒り狂った。

「うおおおおおーーーー!!!」

 トリストの叫び声は凄まじく、辺りの大気までもを振るわせるほどであった。

 凄まじいね、こりゃ。

 俺はおそらく渾身の一撃が襲いかかってくると予想し、待ち構えた。

 するとやはり予想通り、トリストの身体が消え失せた。

 来る!

 そう思った途端、トリストが眼前に現れた。

 と同時に豪腕が振り下ろされる。

 これまでで最も強力な一撃がディヴァインシールドを襲う。

 ガッギィーーーーーン!!!

 凄まじい轟音と共に、ディヴァインシールドはもろくも崩れ落ちたのであった。 
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