5 / 90
第四話 無詠唱魔法
しおりを挟む
ガイウスが長い眠りから覚めたとき、その傍らにはロデムルとともに父ロンバルドがさも心配そうな顔で覗き込むようにして立っていた。
「目が覚めたかね」
ロンバルドは努めてやさしく問いかけた。
ガイウスは寝起きのためか、状況が判らずに数秒間ほどぼんやりしていたが、すぐに先ほどの事件を思い起こしてロンバルドに謝罪した。
「父様ごめんなさい。それにロデムル、ありがとう」
ロンバルドは自らへの謝罪に続き、すかさずロデムルへの感謝の言葉を発した愛息に感心しつつうなずいた。
その様子を、横で見ていたロデムルが恐縮して言った。
「いえ、緊急事態とはいえ坊ちゃまの大切な御身にさわるようなことをいたしまして、申し訳ございませんでした」
深く頭を下げるロデムルを、ロンバルドが制した。
「いや。ロデムルがいなければもっと大事となっていただろう。私も感謝している」
「はっ。ありがたきお言葉」
一連のやり取りを終えたロンバルドは、改めてガイウスに向き直って問い質した。
「さてガイウスよ。一体なにがあったのか、説明出来るか?」
問われたガイウスは一旦うつむき、少し考えをまとめてからゆっくりと、事件の詳細を包み隠さず説明した。
それを聞いたロンバルドとロデムルは、大層驚愕した。
ロンバルドはすでにロデムルから事件のあらましを聞いていたため、ガイウスが魔法を発動してしまったことは知っていたが、ガイウスの説明の中には大変驚くべき事実が隠されていた。
それは、ガイウスが呪文を詠唱することなく魔法を繰り出してしまったことだった。
通常、魔法とは呪文を声に出して唱えることで発動するものである。
詠唱することで集中力を高め、自らの内に眠る魔力を呼び覚まし、言葉がもたらすイメージを具現化させて魔法は発動する。
だが逆に言えば、何もせずとも既に高い集中力により魔力が呼び起こされており、言葉に出さずともイメージが完璧に自分の中に出来ていれば、詠唱する必要はないとも言える。
故に、無詠唱魔法という言葉自体は存在する。
だがそれは実際には至難の業とされていた。
言うなれば魔法における詠唱とは、運動前の準備体操のようなものであり、それをせずにいきなり激しい運動をするのは、危険な行為であるのと似ている。
何事を為すのにも準備というものは大変重要であり、それをおろそかにすると痛い目にあうことがある。
魔法の場合もそうであり、詠唱をおろそかにすると自分にその威力が跳ね返ってくることがある。
例えば、敵を倒そうと攻撃呪文を唱えた際に詠唱が不十分だと、唱えた本人に攻撃魔法が発動してしまい、大怪我を追ってしまうケースなどがそうである。
そもそもの話、魔法を扱える者は数が少なく、およそ百人に一人程度の割合であった。
しかもそれらのほとんどは初期魔法が扱える程度の者であり、火をおこしたり水を温めたりといった程度のことしか出来なかった。
攻撃魔法を扱える者ともなれば千人に一人程度しかいなく、それでも最低ランクの魔物をようやく倒せる程度のレベルでしかなかった。
高ランクの魔物を倒すレベルの魔法士ともなれば、数万人に一人となる。
だがそんな高レベルの魔法士といえども、無詠唱で魔法を繰り出せるわけではなかった。
では実際に無詠唱魔法を操ることの出来る者がいるのだろうか?
その答えは――いる。
それは「魔導師」と呼ばれる者たちであった。
魔導師とは読んで字のごとく、魔法士を導くことの出来る師のごとき存在であり、通常俗世から離れて深山幽谷に住まう伝説に近い存在である。
正直、その実在を疑われるレベルの希少な存在であり、魔導師と出会ったことの或る者などほとんどいないといってよい。
ガイウスの唱えた無詠唱魔法とは、それほどの存在である魔導師クラスで初めて扱えるレベルのものであり、ロンバルドやロデムルが驚愕するのも無理はなかった。
「無詠唱で魔法を……しかも最下級の水の魔法であるアクアで、あれ程大量の水を放出しているとなると、本当なのか?」
ガイウスは初め、なぜロンバルドたちがそんなに驚いた表情を見せているのか判らなかった。
だが、次第にことの重大さに気づき始めた。
(無詠唱魔法って、そんなに凄いのか。すごく自然に出来ちゃったけど。それに確かにあの水量は凄かったな。実際パニクッたし。もしかして俺、天才かも)
ガイウスは内心でほくそ笑みながらも、ロンバルドたちに対しては無垢で健気な幼児をよそおった。
「父様、僕はなにか大変なことをしてしまったのでしょうか?」
ロンバルドはそんな愛息の様子を見て、少々慌てて否定した。
「いや、別に悪いことをしたわけではない。だから私はお前を咎めているわけではないんだ。そうだな、ただちょっと驚いてしまってね」
ちょっとどころの騒ぎではない驚きの表情を浮かべながらロンバルドは取り繕った。
すると先ほどまで一切声を発していなかったロデムルが、厳かに口を開いた。
「旦那様。どうやら坊ちゃまの魔法センスは尋常ではございません。それに魔力総量も極めて膨大と言わざるを得ません」
(ふむ。やはり俺は天才らしいな。これはどうやら面白くなってきたぞ)
「ですのでどうでしょう、ここは一つあの御方にご足労願っては?」
するとロンバルドは、とても焦った表情を見せた。
「あの御方だと!?いや!いやいや!あの御方はお忙しいんじゃないかな?いや多分そうだろう。ああきっとそうだ、お忙しいに違いない!」
「旦那様。失礼ながら旦那様があの御方を大層苦手になさっていることは承知致しております。正直申しまして、このわたくしめも少々苦手でございます。いえ、そもそもあの御方を苦手になさらぬ方はそうはいらっしゃらないかと存じます」
(あの御方ってどんな奴なんだ?というより、なんか雲行きが怪しくなってきたような)
「ですが、ことは坊ちゃまの今後に関わることでございます。あの御方をお招きし、坊ちゃまの家庭教師となっていただくべきかと愚考致します」
ロンバルドは腕を組んで瞑目し、かなり長く考え込んだ。
そしてついに、その重い口を開いた。
「ああ、そうだな。たしかにこれほどの魔法センスと魔法総量を持つとなれば、よほどの者でなければ教え導くことなど出来はしないだろう。しかし、ガイウスが不憫なことにならないだろうか」
(不憫って、ちょっと待ってくれ。あの御方って本当にどんな奴なんだよ)
「旦那様。たしかに坊ちゃまは大変なご苦労をされるかと存じます。きっと理不尽な目にも合わされることでしょう。この世に生まれてきたことを呪うようなことすらあるかもしれません。しかし坊ちゃまならばきっと耐え難きを耐え、忍び難きを忍び、いつの日かこの栄光或るシュナイダー家の立派な跡継ぎとなってくださると、このロデムルは信じております」
「ああ、そうだな。ガイウスならばきっとどのような目に合おうとも、きっと……よし!ロデムル、あの御方のところへ参れ。そしてガイウスの家庭教師として必ず連れ帰って参るのだ」
「はっ!委細承知いたしました。それでは取り急ぎ、行って参ります」
言うやロデムルは一礼し、急ぎ足で部屋を出て行った。
ロンバルドは、ロデムルの背中を見送るなりガイウスに向き直り、やさしく語りかけた。
「ガイウス、これはお前にとって大変につらい試練ではあるが、お前ならば大丈夫だ。がんばれよ」
ロンバルドは、今にも泣きそうな顔で愛息にそう語りかけた。
そして当のガイウスは、そのあまりの展開の速さに呆気に取られてしまった。
(何なんだこの展開は?冗談じゃないぞ。俺一体、この先どうなっちゃうんだよ?)
「目が覚めたかね」
ロンバルドは努めてやさしく問いかけた。
ガイウスは寝起きのためか、状況が判らずに数秒間ほどぼんやりしていたが、すぐに先ほどの事件を思い起こしてロンバルドに謝罪した。
「父様ごめんなさい。それにロデムル、ありがとう」
ロンバルドは自らへの謝罪に続き、すかさずロデムルへの感謝の言葉を発した愛息に感心しつつうなずいた。
その様子を、横で見ていたロデムルが恐縮して言った。
「いえ、緊急事態とはいえ坊ちゃまの大切な御身にさわるようなことをいたしまして、申し訳ございませんでした」
深く頭を下げるロデムルを、ロンバルドが制した。
「いや。ロデムルがいなければもっと大事となっていただろう。私も感謝している」
「はっ。ありがたきお言葉」
一連のやり取りを終えたロンバルドは、改めてガイウスに向き直って問い質した。
「さてガイウスよ。一体なにがあったのか、説明出来るか?」
問われたガイウスは一旦うつむき、少し考えをまとめてからゆっくりと、事件の詳細を包み隠さず説明した。
それを聞いたロンバルドとロデムルは、大層驚愕した。
ロンバルドはすでにロデムルから事件のあらましを聞いていたため、ガイウスが魔法を発動してしまったことは知っていたが、ガイウスの説明の中には大変驚くべき事実が隠されていた。
それは、ガイウスが呪文を詠唱することなく魔法を繰り出してしまったことだった。
通常、魔法とは呪文を声に出して唱えることで発動するものである。
詠唱することで集中力を高め、自らの内に眠る魔力を呼び覚まし、言葉がもたらすイメージを具現化させて魔法は発動する。
だが逆に言えば、何もせずとも既に高い集中力により魔力が呼び起こされており、言葉に出さずともイメージが完璧に自分の中に出来ていれば、詠唱する必要はないとも言える。
故に、無詠唱魔法という言葉自体は存在する。
だがそれは実際には至難の業とされていた。
言うなれば魔法における詠唱とは、運動前の準備体操のようなものであり、それをせずにいきなり激しい運動をするのは、危険な行為であるのと似ている。
何事を為すのにも準備というものは大変重要であり、それをおろそかにすると痛い目にあうことがある。
魔法の場合もそうであり、詠唱をおろそかにすると自分にその威力が跳ね返ってくることがある。
例えば、敵を倒そうと攻撃呪文を唱えた際に詠唱が不十分だと、唱えた本人に攻撃魔法が発動してしまい、大怪我を追ってしまうケースなどがそうである。
そもそもの話、魔法を扱える者は数が少なく、およそ百人に一人程度の割合であった。
しかもそれらのほとんどは初期魔法が扱える程度の者であり、火をおこしたり水を温めたりといった程度のことしか出来なかった。
攻撃魔法を扱える者ともなれば千人に一人程度しかいなく、それでも最低ランクの魔物をようやく倒せる程度のレベルでしかなかった。
高ランクの魔物を倒すレベルの魔法士ともなれば、数万人に一人となる。
だがそんな高レベルの魔法士といえども、無詠唱で魔法を繰り出せるわけではなかった。
では実際に無詠唱魔法を操ることの出来る者がいるのだろうか?
その答えは――いる。
それは「魔導師」と呼ばれる者たちであった。
魔導師とは読んで字のごとく、魔法士を導くことの出来る師のごとき存在であり、通常俗世から離れて深山幽谷に住まう伝説に近い存在である。
正直、その実在を疑われるレベルの希少な存在であり、魔導師と出会ったことの或る者などほとんどいないといってよい。
ガイウスの唱えた無詠唱魔法とは、それほどの存在である魔導師クラスで初めて扱えるレベルのものであり、ロンバルドやロデムルが驚愕するのも無理はなかった。
「無詠唱で魔法を……しかも最下級の水の魔法であるアクアで、あれ程大量の水を放出しているとなると、本当なのか?」
ガイウスは初め、なぜロンバルドたちがそんなに驚いた表情を見せているのか判らなかった。
だが、次第にことの重大さに気づき始めた。
(無詠唱魔法って、そんなに凄いのか。すごく自然に出来ちゃったけど。それに確かにあの水量は凄かったな。実際パニクッたし。もしかして俺、天才かも)
ガイウスは内心でほくそ笑みながらも、ロンバルドたちに対しては無垢で健気な幼児をよそおった。
「父様、僕はなにか大変なことをしてしまったのでしょうか?」
ロンバルドはそんな愛息の様子を見て、少々慌てて否定した。
「いや、別に悪いことをしたわけではない。だから私はお前を咎めているわけではないんだ。そうだな、ただちょっと驚いてしまってね」
ちょっとどころの騒ぎではない驚きの表情を浮かべながらロンバルドは取り繕った。
すると先ほどまで一切声を発していなかったロデムルが、厳かに口を開いた。
「旦那様。どうやら坊ちゃまの魔法センスは尋常ではございません。それに魔力総量も極めて膨大と言わざるを得ません」
(ふむ。やはり俺は天才らしいな。これはどうやら面白くなってきたぞ)
「ですのでどうでしょう、ここは一つあの御方にご足労願っては?」
するとロンバルドは、とても焦った表情を見せた。
「あの御方だと!?いや!いやいや!あの御方はお忙しいんじゃないかな?いや多分そうだろう。ああきっとそうだ、お忙しいに違いない!」
「旦那様。失礼ながら旦那様があの御方を大層苦手になさっていることは承知致しております。正直申しまして、このわたくしめも少々苦手でございます。いえ、そもそもあの御方を苦手になさらぬ方はそうはいらっしゃらないかと存じます」
(あの御方ってどんな奴なんだ?というより、なんか雲行きが怪しくなってきたような)
「ですが、ことは坊ちゃまの今後に関わることでございます。あの御方をお招きし、坊ちゃまの家庭教師となっていただくべきかと愚考致します」
ロンバルドは腕を組んで瞑目し、かなり長く考え込んだ。
そしてついに、その重い口を開いた。
「ああ、そうだな。たしかにこれほどの魔法センスと魔法総量を持つとなれば、よほどの者でなければ教え導くことなど出来はしないだろう。しかし、ガイウスが不憫なことにならないだろうか」
(不憫って、ちょっと待ってくれ。あの御方って本当にどんな奴なんだよ)
「旦那様。たしかに坊ちゃまは大変なご苦労をされるかと存じます。きっと理不尽な目にも合わされることでしょう。この世に生まれてきたことを呪うようなことすらあるかもしれません。しかし坊ちゃまならばきっと耐え難きを耐え、忍び難きを忍び、いつの日かこの栄光或るシュナイダー家の立派な跡継ぎとなってくださると、このロデムルは信じております」
「ああ、そうだな。ガイウスならばきっとどのような目に合おうとも、きっと……よし!ロデムル、あの御方のところへ参れ。そしてガイウスの家庭教師として必ず連れ帰って参るのだ」
「はっ!委細承知いたしました。それでは取り急ぎ、行って参ります」
言うやロデムルは一礼し、急ぎ足で部屋を出て行った。
ロンバルドは、ロデムルの背中を見送るなりガイウスに向き直り、やさしく語りかけた。
「ガイウス、これはお前にとって大変につらい試練ではあるが、お前ならば大丈夫だ。がんばれよ」
ロンバルドは、今にも泣きそうな顔で愛息にそう語りかけた。
そして当のガイウスは、そのあまりの展開の速さに呆気に取られてしまった。
(何なんだこの展開は?冗談じゃないぞ。俺一体、この先どうなっちゃうんだよ?)
26
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜
シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。
起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。
その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。
絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。
役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
異世界に転生した俺は英雄の身体強化魔法を使って無双する。~無詠唱の身体強化魔法と無詠唱のマジックドレインは異世界最強~
北条氏成
ファンタジー
宮本 英二(みやもと えいじ)高校生3年生。
実家は江戸時代から続く剣道の道場をしている。そこの次男に生まれ、優秀な兄に道場の跡取りを任せて英二は剣術、槍術、柔道、空手など様々な武道をやってきた。
そんなある日、トラックに轢かれて死んだ英二は異世界へと転生させられる。
グランベルン王国のエイデル公爵の長男として生まれた英二はリオン・エイデルとして生きる事に・・・
しかし、リオンは貴族でありながらまさかの魔力が200しかなかった。貴族であれば魔力が1000はあるのが普通の世界でリオンは初期魔法すら使えないレベル。だが、リオンには神話で邪悪なドラゴンを倒した魔剣士リュウジと同じ身体強化魔法を持っていたのだ。
これは魔法が殆ど使えない代わりに、最強の英雄の魔法である身体強化魔法を使いながら無双する物語りである。
異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。
異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します
桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる