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第29話 対峙
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そこで千弦の後ろに控えていたかなり大柄で、綺麗に頭が禿げあがったスキンヘッドの男が、俺を遠慮会釈なく睨みつけた。
「若頭、いくら何でもこいつら怪し過ぎます。今朝がた組長の本宅の前で出会った奴らが、偶然こんなところにいるわけがありません。しかもお嬢さんが、組長の娘だと知らなかった風を装っておりますし」
「風じゃねえわ。本当に知らなかったわ」
と、スキンヘッド男が一歩前に歩み出た。そしてさすがはヤクザといわんばかりの鬼の形相となった。
「だとしたら余計に怪しいじゃねえか!お前ら今朝がた本宅の前で何していやがった。それになんで今、こんなところにいやがるんだよ」
むう……言い返したいが言葉が出ない。本当の理由を説明したところで、信じるわけがないしなあ。
そう思って躊躇していると、スキンヘッド男が千弦に対して耳打ちするように言った。
「若頭、こいつらごと拉致ったらどうですか。詳しい話は組に戻ってから聞けばいいことですし」
千弦は男の言うことに耳を傾け、何度か小刻みにうなずいた。
「そうだな柴崎、お前の言うとおりかもしれねえな。確かにこんなところでいつまでも話していたって埒が明かねえ。そうするとしよう」
千弦はそう言うなり、俺たちに向き直った。
「すまないが、お前たちにもついて来てもらおう。場所はお前たちも知っているところだ」
するとソルスが、緊張感の欠片もない余裕の笑みを浮かべて言った。
「ああそれは、お前たちが言う所の本宅だな。つまり、春夏冬組の組長宅のことだ」
「いらん説明せんでいい」
俺はすかさずソルスを横目で睨みつけつつ釘を刺すと、すぐに千弦に向かって言った。
「悪いが、俺たちの行先は警察であってヤクザの家じゃない。なのでお誘いは丁重にお断りさせてもらおう」
俺の返答にヤクザたちが憤怒の形相となった。
そして思い思いに「っだと、てめえ!」「ぶち殺すぞコラッ!」「なめてんのかっ!」等と怒声を張り上げた。
それをすぐさま千弦が片手を上げて抑え込んだ。
そしておもむろに顎を上げ、俺たちを見下ろすようにして言った。
「いいから大人しくついてこい。無駄に痛い目に遭いたいのか」
癪に障った俺は余裕の笑みを浮かべ、肩をすくめながら言い返した。
「俺たちが痛い目に遭うことはないと思うぜ」
ヤクザたちが再び威勢よく怒鳴り出す。
だがまたも千弦が片手を上げてそれを制した。
「お前たち、ずいぶんと落ち着いているな。俺たちが怖くないのか」
「怖かったらそれ相応の顔をしていると思うぜ。してないってことは、そういうことだ」
怒声が三度闇夜に轟く。
すると今度は千弦も止めなかった。目を細めて俺たちが何者なのか見定めるように見つめている。
と、先ほど千弦から柴崎と呼ばれた武骨な顔つきのスキンヘッド男が、肩を揺らしながら一歩前に足を踏み出した。
「舐めくさってんじゃねえぞコラッ!おい、てめえらヤクザに喧嘩売るってことがどういうことかわかってんのか!?頭のネジでもぶっ飛んでんのか、おい!?」
俺は怒るでもなく至極冷静に言った。
「頭にネジは入ってないと思うぜ。なにせ人間だからな」
「そういうこと言ってんじゃねえ!減らず口を叩くなボケッ!」
俺はここで面倒くさくなった。説明したところで理解されそうもないし、もういいや、こいつらやっちまおう。
「若頭、いくら何でもこいつら怪し過ぎます。今朝がた組長の本宅の前で出会った奴らが、偶然こんなところにいるわけがありません。しかもお嬢さんが、組長の娘だと知らなかった風を装っておりますし」
「風じゃねえわ。本当に知らなかったわ」
と、スキンヘッド男が一歩前に歩み出た。そしてさすがはヤクザといわんばかりの鬼の形相となった。
「だとしたら余計に怪しいじゃねえか!お前ら今朝がた本宅の前で何していやがった。それになんで今、こんなところにいやがるんだよ」
むう……言い返したいが言葉が出ない。本当の理由を説明したところで、信じるわけがないしなあ。
そう思って躊躇していると、スキンヘッド男が千弦に対して耳打ちするように言った。
「若頭、こいつらごと拉致ったらどうですか。詳しい話は組に戻ってから聞けばいいことですし」
千弦は男の言うことに耳を傾け、何度か小刻みにうなずいた。
「そうだな柴崎、お前の言うとおりかもしれねえな。確かにこんなところでいつまでも話していたって埒が明かねえ。そうするとしよう」
千弦はそう言うなり、俺たちに向き直った。
「すまないが、お前たちにもついて来てもらおう。場所はお前たちも知っているところだ」
するとソルスが、緊張感の欠片もない余裕の笑みを浮かべて言った。
「ああそれは、お前たちが言う所の本宅だな。つまり、春夏冬組の組長宅のことだ」
「いらん説明せんでいい」
俺はすかさずソルスを横目で睨みつけつつ釘を刺すと、すぐに千弦に向かって言った。
「悪いが、俺たちの行先は警察であってヤクザの家じゃない。なのでお誘いは丁重にお断りさせてもらおう」
俺の返答にヤクザたちが憤怒の形相となった。
そして思い思いに「っだと、てめえ!」「ぶち殺すぞコラッ!」「なめてんのかっ!」等と怒声を張り上げた。
それをすぐさま千弦が片手を上げて抑え込んだ。
そしておもむろに顎を上げ、俺たちを見下ろすようにして言った。
「いいから大人しくついてこい。無駄に痛い目に遭いたいのか」
癪に障った俺は余裕の笑みを浮かべ、肩をすくめながら言い返した。
「俺たちが痛い目に遭うことはないと思うぜ」
ヤクザたちが再び威勢よく怒鳴り出す。
だがまたも千弦が片手を上げてそれを制した。
「お前たち、ずいぶんと落ち着いているな。俺たちが怖くないのか」
「怖かったらそれ相応の顔をしていると思うぜ。してないってことは、そういうことだ」
怒声が三度闇夜に轟く。
すると今度は千弦も止めなかった。目を細めて俺たちが何者なのか見定めるように見つめている。
と、先ほど千弦から柴崎と呼ばれた武骨な顔つきのスキンヘッド男が、肩を揺らしながら一歩前に足を踏み出した。
「舐めくさってんじゃねえぞコラッ!おい、てめえらヤクザに喧嘩売るってことがどういうことかわかってんのか!?頭のネジでもぶっ飛んでんのか、おい!?」
俺は怒るでもなく至極冷静に言った。
「頭にネジは入ってないと思うぜ。なにせ人間だからな」
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俺はここで面倒くさくなった。説明したところで理解されそうもないし、もういいや、こいつらやっちまおう。
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