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3.研究再開
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家事にいちいち時間がかかる生活にも少し慣れてきた頃、少しずつ直してきたラボがようやく使えるようにまで復旧した。
明日からはやっとこいつの身体を調べることが出来る。
何をするにも大人しいこいつを抱えあげ、同じベッドに入れる。数ヶ月共にすごしたが、やはり俺をなんとかしようとする気概は見えない。最初は違う場所で寝ていたが、ソファで寝る生活に数日で俺の体が音を上げてしまった為同じベッドで寝ていた。
布団を被せると、子供は目を細め、ゆっくりと瞬きをしてこちらを見る。
「寝ろ。明日は早いからな。」
頭をフサフサと撫でると目を瞑り、静かな寝息が聞こえ始めた。
思わずふんと笑いが漏れてしまう。
随分入れ込んでるものだ。
子供などうるさくてわがままで生意気なものだと思っていたが、こいつは全然違う。こんな子供なら、たしかに欲しいかもな。
俺も目を瞑ってフサフサと子供の頭を撫でていたが、いつの間にか眠りに落ちていた。
「ん、んん~~……」
意識が浮上して、ぐぐと体を伸ばす。
重たい瞼をあげると、子供は既に起きていた。
「おはよう」
寝る前と同じように頭を撫でると、子供はすり、と俺の手に頭を擦り返した。
うーん。内臓まで見たいところだが、今日は一旦良いか。朝飯は普通に食べさせよう。
ベッドからのそりと降りると、子供もその後を着いてくる。
「まず朝ごはんな。今日はパンにしよう。」
飯を食べさせて食器を片付けて、少し休憩したらラボに連れていこう。
ソファに深く座り、今日何を調べるか考える。
まず血液採取でしょ?成分見るでしょ?一応唾液と尿も取っておくか。
体内まで見る機械もあったが、あれは爬虫類や小動物を見るためのもので、少しデカくなった子供が入るサイズではない。
てか精密機器だから爆発でイカれたのを直しきれなくて使えない。
1番見たいのは魔力と魂。魔力は良いとして、魂をどうやって見ればいいのか……。
しかし、それを調べるのはこいつが普通の人間とまるきり同じだという前提を確かなものにしてからだ。今日はそこからやろう。
「今日はお前はここだ。」
いつもラボの修理の為に連れてきていたが、真ん中の机の上に乗せたのは初めてだった。
そしたら子供は血相を変え、俺にしがみついて机に座ろうとしない。子供からしたらここは高くて怖いかもしれない。
「怖くないぞ~。お兄ちゃんが絶対落とさないからな!大丈夫だぞ。」
しかし、声をかけても俺の首に腕を回し、胸に顔を埋めてイヤイヤと首を横に振った。少し震えているようだった。
うーん、どうしたものか。
「お兄ちゃん、お前が健康かどうかが知りたいだけなんだが……。」
まあ、この状態の子供を言葉で諭すのは無理だろう。
高いのが嫌なら低いとこでやればいいだけだ。ちょっと不潔だけど。
うんしょと子供を床に下ろし、立たせる。
とりあえず血液だ。
「よしよし、じゃあここで良いから、ちょっと目をつむってろ?ちくってするからな~。痛くてもじっとしてるんだぞ。すぐ終わるからな。」
臆病な子供には何も見せない方が良いだろう。
下ろせばいつものようにされるがままになった子供の腕をとり、消毒する。
あれこれ準備して着けて、目を瞑っているか確認して針を刺すと、子供の体はぴくりと反応したが、それ以外は無かった。
「偉いぞ!もうすぐ終わるからな~」
さっさと済ませて刺した場所を腕を布で少しキツめに縛った。取った血液は子供の死角の机上に置き、腕をさすり頭を撫でた。
「よく頑張ったぞ!動かなくて偉かったな!」
眉尻をこれでもかと下げ、開かれた目は薄く水の膜を張っていて。こりゃ長期戦だわと研究の見立てを考え直した。
明日からはやっとこいつの身体を調べることが出来る。
何をするにも大人しいこいつを抱えあげ、同じベッドに入れる。数ヶ月共にすごしたが、やはり俺をなんとかしようとする気概は見えない。最初は違う場所で寝ていたが、ソファで寝る生活に数日で俺の体が音を上げてしまった為同じベッドで寝ていた。
布団を被せると、子供は目を細め、ゆっくりと瞬きをしてこちらを見る。
「寝ろ。明日は早いからな。」
頭をフサフサと撫でると目を瞑り、静かな寝息が聞こえ始めた。
思わずふんと笑いが漏れてしまう。
随分入れ込んでるものだ。
子供などうるさくてわがままで生意気なものだと思っていたが、こいつは全然違う。こんな子供なら、たしかに欲しいかもな。
俺も目を瞑ってフサフサと子供の頭を撫でていたが、いつの間にか眠りに落ちていた。
「ん、んん~~……」
意識が浮上して、ぐぐと体を伸ばす。
重たい瞼をあげると、子供は既に起きていた。
「おはよう」
寝る前と同じように頭を撫でると、子供はすり、と俺の手に頭を擦り返した。
うーん。内臓まで見たいところだが、今日は一旦良いか。朝飯は普通に食べさせよう。
ベッドからのそりと降りると、子供もその後を着いてくる。
「まず朝ごはんな。今日はパンにしよう。」
飯を食べさせて食器を片付けて、少し休憩したらラボに連れていこう。
ソファに深く座り、今日何を調べるか考える。
まず血液採取でしょ?成分見るでしょ?一応唾液と尿も取っておくか。
体内まで見る機械もあったが、あれは爬虫類や小動物を見るためのもので、少しデカくなった子供が入るサイズではない。
てか精密機器だから爆発でイカれたのを直しきれなくて使えない。
1番見たいのは魔力と魂。魔力は良いとして、魂をどうやって見ればいいのか……。
しかし、それを調べるのはこいつが普通の人間とまるきり同じだという前提を確かなものにしてからだ。今日はそこからやろう。
「今日はお前はここだ。」
いつもラボの修理の為に連れてきていたが、真ん中の机の上に乗せたのは初めてだった。
そしたら子供は血相を変え、俺にしがみついて机に座ろうとしない。子供からしたらここは高くて怖いかもしれない。
「怖くないぞ~。お兄ちゃんが絶対落とさないからな!大丈夫だぞ。」
しかし、声をかけても俺の首に腕を回し、胸に顔を埋めてイヤイヤと首を横に振った。少し震えているようだった。
うーん、どうしたものか。
「お兄ちゃん、お前が健康かどうかが知りたいだけなんだが……。」
まあ、この状態の子供を言葉で諭すのは無理だろう。
高いのが嫌なら低いとこでやればいいだけだ。ちょっと不潔だけど。
うんしょと子供を床に下ろし、立たせる。
とりあえず血液だ。
「よしよし、じゃあここで良いから、ちょっと目をつむってろ?ちくってするからな~。痛くてもじっとしてるんだぞ。すぐ終わるからな。」
臆病な子供には何も見せない方が良いだろう。
下ろせばいつものようにされるがままになった子供の腕をとり、消毒する。
あれこれ準備して着けて、目を瞑っているか確認して針を刺すと、子供の体はぴくりと反応したが、それ以外は無かった。
「偉いぞ!もうすぐ終わるからな~」
さっさと済ませて刺した場所を腕を布で少しキツめに縛った。取った血液は子供の死角の机上に置き、腕をさすり頭を撫でた。
「よく頑張ったぞ!動かなくて偉かったな!」
眉尻をこれでもかと下げ、開かれた目は薄く水の膜を張っていて。こりゃ長期戦だわと研究の見立てを考え直した。
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