【R-18】3月9日

熊野

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3月6日、触ってもいいですか?

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冷たさが和らいだ春の夜風に当たりながら、道端で笹倉さんと深い口づけを交わす。
唇が触れ合うだけのキスから、舌を絡ませていく。

笹倉さんはとてもキスがうまいのかもしれない。
頭の奥がぼうっとしてくる。

どこからどこまでが夢なのかがわからない。
キスの合間に息継ぎをして、また深く舌を絡ませる。

ずっと好きだった人と、こんな……。
立っていられなくなってきて、脱力しかけると笹倉さんに抱き止められた。

「大丈夫か?」
「もう、いっばいいっばいです……嬉しいけど恥ずかしくて……。でも……」

でも、やめたいわけじゃないの。
できれば、二人きりの場所で、もっと笹倉さんを知りたい。

笹倉さんの手をきゅっと握ると、同じぐらいの力で握り返してくれた。



それから、タクシーに乗って笹倉さんの家に向かった。
適当に食料やお酒を買い込んだけど、それよりも――。

「全部脱がすよ、いい?」
「は、はい……笹倉さんも……脱いで……?」

お互い性急に衣服を脱がし合い、ベッドに上がる。
流れるようにキスを交わし、さっきより激しく舌を絡ませ合った。


笹倉さんの激しいキスに深い喜びを感じながら、肌を擦り合わせる。
下着が床に落とされた後、私の胸の膨らみを確かめるようにして笹倉さんの手が這い回った。
声が漏れるたび、笹倉さんは胸にキスを落としてたまらず首に腕を回した。

甘い刺激が胸の先端から下腹部に伝わる。
じんわりと腹部が疼くような感覚を覚えた。

「……っ」

笹倉さんが苦しげに眉間に皺を寄せ、熱く硬いものが太ももに押し付けられて驚いた。

「っあ……硬い……」
「うん……好きな子とこんなことしてたら、こうなるよね……」

少し戸惑った私の太ももに、ずりずりと屹立が押し付けられ、私はそれに手を伸ばした。
お互いまだ最後の一枚は身に着けている。

「笹倉さんの……触ってもいいですか……?」

笹倉さんの耳元で尋ねる。

「ああ……触って」

たまらなくなった私は、トランクスの中で窮屈そうにしているそれを撫でると、ゴムの部分に指を掛けてゆっくりと引き下げた。
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