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フェニ成長
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「うわ~…こんなに神社があると壮観というかなんというか。なんか空気が澄んでる感じがする」
冬の朝のように澄みきり、気持ちが引き締まる気がした。
『綺麗な神気が流れてるね♪昔と変わらないなぁ~』
感慨深そうに見渡すリーシュ。
「リーシュはこの国にいたことあるんだよな?」
『そうだよっ♪まぁ、葦原中国…日本じゃ知ってる人少ないと思うけどね!あたし』
(葦原中国言うの面倒になったんだな)
『あれ美味しそう!ピーちゃん、次はあれを食べるわよ!』
一人…景色を楽しむ事もなく食べ歩きをしてる奴がいた。
この高天原は神社ばかりなのだが、堅苦しくはない。屋台などもあるし、細い路地に飲み屋が乱立する通りもある。街の人たちは女性は着物で男性は陰陽師のような服装に黒い短めの烏帽子を被っている人が多い。ちなみに侍のような格好の人はちらほらいるが、チョンマゲは一人もいなかった…髪型は自由なようで、女性はいろんな髪型の人がいた。
ロキは先程から屋台を見つけてはフェニを肩に乗せて突入していき、案内人がそれを追いかけていくということを繰返していた。ちなみに今突入した屋台は焼鳥のようだ。
(フェニを連れて焼鳥かよ…)
『ローちゃん、屋台とかは後で回ろう?とりあえず高天原の偉い人に挨拶しないと』
あまりにも進まないのを見かねて、リーシュがロキを諭そうとすると
『わかってないわね、リーシュ!この案内人がいる今がタダで色々食べれるチャンスなのよっ!挨拶を終えれば、そこからは自腹なの!今なら案内人が気を遣って支払ってくれるのよ!』
グッと拳を握り上に振り上げるロキ
その後ろで冷や汗をかく案内人…
(本人の目の前でそれを言うのかよ。更に気を遣えっことか?)
しかし、さすがに挨拶が遅すぎるのはマズい。
「ロキ…もしかしたら、俺たちが挨拶に来るから歓迎の準備をしてるかもしれないぞ?その料理が冷めたら…勿体ないよな?」
『…さぁ、お偉いさんに挨拶に行くわよっ!!』
(…意外とチョロいな。はは…)
『…ユシル段々、ローちゃんの扱いが上手くなってきたね』
リーシュの呟きを聞き流し、俺達は例の階段の上…高天原の最高位たちが住まう[天津神殿]へ向かう。
『この階段さぁ…登らないとダメなわけ?』
俺達は果てしない階段を見上げていて、ロキが呆れたように言う。
「いえ、飛んでいただいても構いませんよ?風天様は大丈夫でしょうが…あなた方は飛べます?」
ダンッ!
『舐めんじゃないわよっ!飛べるけど、魔力使いたくないから聞いてるんじゃないの!』
「失礼しました…」
へこむ案内人…
(イジメ過ぎだろ)
『贖罪として、この階段…エスカレーターみたく動かしなさいよっ!あんたんとこの得意分野でしょうが!こいつは飛べないんだから!』
俺を指差し言う。
「いえ、それはちょっと…葦原中国と違ってこちらは科学技術をあまり必要としないので」
『じゃあ、あんたは飛べるわけ?飛んで連れていきなさいよ』
「いえ…私は飛べないので、ここで案内を終了させていただきます。この上には案内する方がいらっしゃいますので…」
『雑っ!案内が雑よ!』
「…すいません…」
泣きそうな案内人がさすがに可哀想になったので止めることにした。
「まぁ、ロキ、この人は飛べないんだからしょうがないだろ?」
『あんたも飛べないでしょうがっ!』
「…すいません…」
俺は案内人さんと同じだったのをすっかり忘れていた。
『まぁまぁ、ユシルはあたしが連れて行くよ♪』
ピ~ッ!ピチュチュ~♪
『え!?ピーちゃんがユシルを連れてくの?』
『ピーちゃんは私の肩に乗っていけばいいじゃない?』
ピッ!ピピ~!
『頑固ね…でも、どうするの?』
(何でこの二人はフェニの言葉がわかるんだろ。というか、フェニじゃ無理じゃないか?)
俺が不思議に思っているとフェニがロキの肩から降り、トコトコと俺たちから距離を取った。
皆が見つめる中、フェニが光りだした。
『あら?ピーちゃん、もしかして…』
フェニが光に包まれ、光は大きな球体になった。
俺たちは眩しさに目を逸らした。
バサッ、バサッ!
光が収まり、目を開けてみると…
「え!?…フェニ!?」
キュイッ!
目の前には体長5メートルほどの綺麗な紅い羽を持つ、大きな鳥がいた。いや、鳥と言っていいのか迷うほどの大きさなのだが…しかし、目元はフェニの面影が残っていて、相変わらずクリクリしていて可愛い。
『やっぱり成獣になったのね。いつの間に…大きくなったわね…』
フェニに一番構っていたロキが涙ぐみながら綺麗な羽を撫でる。
キュイイ~♪
『ピーちゃんも大人になったんだね♪でも、普通の朱雀より一回り大きくない?それにこの羽…なんかキラキラしてるよ?』
『ん?…あっ、本当だ!あれ!?リーシュ!ピーちゃん、マジックリフレクションかかってない!?火属性以外のも!』
『え!?…うわ…ホントだ…何で?朱雀は火属性だけじゃ…』
「マジックリフレクション?」
『魔法反射スキルよ。ある程度の魔法なら跳ね返せるわ。朱雀の希少種がたまに火属性のマジフレ持ってるんだけど、この子は光と水以外全部持ってるわね…』
(何そのスキル、めっちゃほしいんだが…)
『…なんかローちゃんみたいだね!ローちゃんも光以外使えるもんね!』
『…まさか?いや、多分アレね…』
ロキが何かに気付いたように言う。
「お前…フェニに何かしたのか?」
『えーと、私がピーちゃんに純度の高い火魔法あげてたの知ってるわよね?…それで…あまりに美味しそうに食べるから、火魔法以外の魔法も魔力の塊にしてあげてみたのよ…光は使えないからあげてないけど、水以外の属性は美味しそうに食べてたわ…』
「完全にそれが原因じゃねぇか!」
『いいじゃない!食べたがってたんだから!』
キュイッ♪
『え!?あたしたちもいいの?ローちゃん!ユシルだけじゃなくあたしたちも乗っていいって!』
『マジ!?やった~♪ピーちゃんを育てた甲斐があったわ♪乗るね~ピーちゃん♪』
気兼ねなくフェニの背に乗ったロキは楽しそうに足をブラブラさせている。
『じゃあ、私も乗せてもらおっと♪』
続いてリーシュもロキの後ろに乗っていく。
俺も乗ったが乗り心地がものすごくいい。フカフカスベスベで暖かい。
『じゃあ、お願いね!ピーちゃん!』
キュイ♪
ロキの一声で羽ばたき出した。
バサッ、バサッ!ヒュッ!!
浮いたと思ったら信じられない速度で上昇していく。
「案内ありがと~ございましたぁ~!」
呆然と見上げる案内人に声をかけるのは、あまりの速さにこれが限界だった。
数分後、俺たちは天津神殿前にある大きな鳥居の前に降り立った。ロキはそのまま突っ切ろうとしていたのだが、俺とリーシュが鳥居をそのまま通過するのに抵抗を覚えたためフェニに降ろしてもらったのだ。
降り立ったところで声をかけられた。
『お待ちしておりました。ここから先の案内を仰せつかっているウズメと申します。アースガルドからの留学希望の方ですね?』
巫女装束の美人さんだった。整った顔立ちに後ろでまとめた綺麗な黒髪…こんな巫女さん前世の神社にいたら、正月以外でも参拝客は絶えないだろう。
(ん?…ウズメ?)
「そうです。アースガルドより3人です!」
俺は第一印象が大事!とばかりに返事をしたが…
『どけ、アホ!!…オホンッ!…うちの馬鹿がご免なさいね。私はロキよ。それでこっちが風天ヴァーユで、この馬鹿がユシルよ。これからお世話になるわ』
ウズメさんは手元の書類を見てから、表情を変えずに頷く。
『はい…確認いたしました。話が早くて助かります』
(そうか…名乗られたら名乗り返さないとダメなのか。そうだよな。俺たちが留学生かどうか確認したいんだもんな…なんか…すいません…)
俺は心の中で謝った。
『あの~、ウズメさん?お久しぶりです』
(…知り合いなのか?)
『風天様、お久しぶりです。御変わりないようで安心いたしました。ところで、そちらの使い魔は朱雀でしょうか?』
『朱雀よ。ピーちゃんっていうのよ。』
「フェニだよ!!」
『そのピーちゃんなのですが…さすがに天津神殿に入れる大きさではないので、大御神様との面会が終わるまで、こちらで待たせていてほしいのですが…』
(…なんか俺、嫌われてる?)
キュイ~ッ!キュイ!
フェニがまた光だし、大きな球体に包まれ、その球体がどんどん小さくなっていく。
光が収まり、そこにはいつものフェニがいた。
「おぉ!戻ることもできるのか!」
ピュイッ♪
いつものフェニは俺の肩に留まり、顔を擦り付けてくる。最近、ロキとばかり一緒にいるがやっぱり俺の肩が心地いいようで、俺は嬉しくなった。
『ぐぬぬ…浮気相手に旦那を奪われた妻はこんな気持ちなのねっ!で、これで問題解決よね?』
『驚きました。まさか稚児状態に戻れるとは。確かに問題ありません。では、行きましょう』
あまり驚いたようにも見えないウズメはスタスタと行ってしまう。
『いるわよね、ああゆうタイプ』
『まぁ、ウズメさんはあまり感情を表に出さないからね。あたしたちも行こう♪大御神様に挨拶しなきゃね』
「なんか俺、ウズメさんに嫌われてない?」
『…』
『…』
「なんか言えよ!?」
そして俺たちは大和の最高神に挨拶するため、天津神殿へ向かう。
冬の朝のように澄みきり、気持ちが引き締まる気がした。
『綺麗な神気が流れてるね♪昔と変わらないなぁ~』
感慨深そうに見渡すリーシュ。
「リーシュはこの国にいたことあるんだよな?」
『そうだよっ♪まぁ、葦原中国…日本じゃ知ってる人少ないと思うけどね!あたし』
(葦原中国言うの面倒になったんだな)
『あれ美味しそう!ピーちゃん、次はあれを食べるわよ!』
一人…景色を楽しむ事もなく食べ歩きをしてる奴がいた。
この高天原は神社ばかりなのだが、堅苦しくはない。屋台などもあるし、細い路地に飲み屋が乱立する通りもある。街の人たちは女性は着物で男性は陰陽師のような服装に黒い短めの烏帽子を被っている人が多い。ちなみに侍のような格好の人はちらほらいるが、チョンマゲは一人もいなかった…髪型は自由なようで、女性はいろんな髪型の人がいた。
ロキは先程から屋台を見つけてはフェニを肩に乗せて突入していき、案内人がそれを追いかけていくということを繰返していた。ちなみに今突入した屋台は焼鳥のようだ。
(フェニを連れて焼鳥かよ…)
『ローちゃん、屋台とかは後で回ろう?とりあえず高天原の偉い人に挨拶しないと』
あまりにも進まないのを見かねて、リーシュがロキを諭そうとすると
『わかってないわね、リーシュ!この案内人がいる今がタダで色々食べれるチャンスなのよっ!挨拶を終えれば、そこからは自腹なの!今なら案内人が気を遣って支払ってくれるのよ!』
グッと拳を握り上に振り上げるロキ
その後ろで冷や汗をかく案内人…
(本人の目の前でそれを言うのかよ。更に気を遣えっことか?)
しかし、さすがに挨拶が遅すぎるのはマズい。
「ロキ…もしかしたら、俺たちが挨拶に来るから歓迎の準備をしてるかもしれないぞ?その料理が冷めたら…勿体ないよな?」
『…さぁ、お偉いさんに挨拶に行くわよっ!!』
(…意外とチョロいな。はは…)
『…ユシル段々、ローちゃんの扱いが上手くなってきたね』
リーシュの呟きを聞き流し、俺達は例の階段の上…高天原の最高位たちが住まう[天津神殿]へ向かう。
『この階段さぁ…登らないとダメなわけ?』
俺達は果てしない階段を見上げていて、ロキが呆れたように言う。
「いえ、飛んでいただいても構いませんよ?風天様は大丈夫でしょうが…あなた方は飛べます?」
ダンッ!
『舐めんじゃないわよっ!飛べるけど、魔力使いたくないから聞いてるんじゃないの!』
「失礼しました…」
へこむ案内人…
(イジメ過ぎだろ)
『贖罪として、この階段…エスカレーターみたく動かしなさいよっ!あんたんとこの得意分野でしょうが!こいつは飛べないんだから!』
俺を指差し言う。
「いえ、それはちょっと…葦原中国と違ってこちらは科学技術をあまり必要としないので」
『じゃあ、あんたは飛べるわけ?飛んで連れていきなさいよ』
「いえ…私は飛べないので、ここで案内を終了させていただきます。この上には案内する方がいらっしゃいますので…」
『雑っ!案内が雑よ!』
「…すいません…」
泣きそうな案内人がさすがに可哀想になったので止めることにした。
「まぁ、ロキ、この人は飛べないんだからしょうがないだろ?」
『あんたも飛べないでしょうがっ!』
「…すいません…」
俺は案内人さんと同じだったのをすっかり忘れていた。
『まぁまぁ、ユシルはあたしが連れて行くよ♪』
ピ~ッ!ピチュチュ~♪
『え!?ピーちゃんがユシルを連れてくの?』
『ピーちゃんは私の肩に乗っていけばいいじゃない?』
ピッ!ピピ~!
『頑固ね…でも、どうするの?』
(何でこの二人はフェニの言葉がわかるんだろ。というか、フェニじゃ無理じゃないか?)
俺が不思議に思っているとフェニがロキの肩から降り、トコトコと俺たちから距離を取った。
皆が見つめる中、フェニが光りだした。
『あら?ピーちゃん、もしかして…』
フェニが光に包まれ、光は大きな球体になった。
俺たちは眩しさに目を逸らした。
バサッ、バサッ!
光が収まり、目を開けてみると…
「え!?…フェニ!?」
キュイッ!
目の前には体長5メートルほどの綺麗な紅い羽を持つ、大きな鳥がいた。いや、鳥と言っていいのか迷うほどの大きさなのだが…しかし、目元はフェニの面影が残っていて、相変わらずクリクリしていて可愛い。
『やっぱり成獣になったのね。いつの間に…大きくなったわね…』
フェニに一番構っていたロキが涙ぐみながら綺麗な羽を撫でる。
キュイイ~♪
『ピーちゃんも大人になったんだね♪でも、普通の朱雀より一回り大きくない?それにこの羽…なんかキラキラしてるよ?』
『ん?…あっ、本当だ!あれ!?リーシュ!ピーちゃん、マジックリフレクションかかってない!?火属性以外のも!』
『え!?…うわ…ホントだ…何で?朱雀は火属性だけじゃ…』
「マジックリフレクション?」
『魔法反射スキルよ。ある程度の魔法なら跳ね返せるわ。朱雀の希少種がたまに火属性のマジフレ持ってるんだけど、この子は光と水以外全部持ってるわね…』
(何そのスキル、めっちゃほしいんだが…)
『…なんかローちゃんみたいだね!ローちゃんも光以外使えるもんね!』
『…まさか?いや、多分アレね…』
ロキが何かに気付いたように言う。
「お前…フェニに何かしたのか?」
『えーと、私がピーちゃんに純度の高い火魔法あげてたの知ってるわよね?…それで…あまりに美味しそうに食べるから、火魔法以外の魔法も魔力の塊にしてあげてみたのよ…光は使えないからあげてないけど、水以外の属性は美味しそうに食べてたわ…』
「完全にそれが原因じゃねぇか!」
『いいじゃない!食べたがってたんだから!』
キュイッ♪
『え!?あたしたちもいいの?ローちゃん!ユシルだけじゃなくあたしたちも乗っていいって!』
『マジ!?やった~♪ピーちゃんを育てた甲斐があったわ♪乗るね~ピーちゃん♪』
気兼ねなくフェニの背に乗ったロキは楽しそうに足をブラブラさせている。
『じゃあ、私も乗せてもらおっと♪』
続いてリーシュもロキの後ろに乗っていく。
俺も乗ったが乗り心地がものすごくいい。フカフカスベスベで暖かい。
『じゃあ、お願いね!ピーちゃん!』
キュイ♪
ロキの一声で羽ばたき出した。
バサッ、バサッ!ヒュッ!!
浮いたと思ったら信じられない速度で上昇していく。
「案内ありがと~ございましたぁ~!」
呆然と見上げる案内人に声をかけるのは、あまりの速さにこれが限界だった。
数分後、俺たちは天津神殿前にある大きな鳥居の前に降り立った。ロキはそのまま突っ切ろうとしていたのだが、俺とリーシュが鳥居をそのまま通過するのに抵抗を覚えたためフェニに降ろしてもらったのだ。
降り立ったところで声をかけられた。
『お待ちしておりました。ここから先の案内を仰せつかっているウズメと申します。アースガルドからの留学希望の方ですね?』
巫女装束の美人さんだった。整った顔立ちに後ろでまとめた綺麗な黒髪…こんな巫女さん前世の神社にいたら、正月以外でも参拝客は絶えないだろう。
(ん?…ウズメ?)
「そうです。アースガルドより3人です!」
俺は第一印象が大事!とばかりに返事をしたが…
『どけ、アホ!!…オホンッ!…うちの馬鹿がご免なさいね。私はロキよ。それでこっちが風天ヴァーユで、この馬鹿がユシルよ。これからお世話になるわ』
ウズメさんは手元の書類を見てから、表情を変えずに頷く。
『はい…確認いたしました。話が早くて助かります』
(そうか…名乗られたら名乗り返さないとダメなのか。そうだよな。俺たちが留学生かどうか確認したいんだもんな…なんか…すいません…)
俺は心の中で謝った。
『あの~、ウズメさん?お久しぶりです』
(…知り合いなのか?)
『風天様、お久しぶりです。御変わりないようで安心いたしました。ところで、そちらの使い魔は朱雀でしょうか?』
『朱雀よ。ピーちゃんっていうのよ。』
「フェニだよ!!」
『そのピーちゃんなのですが…さすがに天津神殿に入れる大きさではないので、大御神様との面会が終わるまで、こちらで待たせていてほしいのですが…』
(…なんか俺、嫌われてる?)
キュイ~ッ!キュイ!
フェニがまた光だし、大きな球体に包まれ、その球体がどんどん小さくなっていく。
光が収まり、そこにはいつものフェニがいた。
「おぉ!戻ることもできるのか!」
ピュイッ♪
いつものフェニは俺の肩に留まり、顔を擦り付けてくる。最近、ロキとばかり一緒にいるがやっぱり俺の肩が心地いいようで、俺は嬉しくなった。
『ぐぬぬ…浮気相手に旦那を奪われた妻はこんな気持ちなのねっ!で、これで問題解決よね?』
『驚きました。まさか稚児状態に戻れるとは。確かに問題ありません。では、行きましょう』
あまり驚いたようにも見えないウズメはスタスタと行ってしまう。
『いるわよね、ああゆうタイプ』
『まぁ、ウズメさんはあまり感情を表に出さないからね。あたしたちも行こう♪大御神様に挨拶しなきゃね』
「なんか俺、ウズメさんに嫌われてない?」
『…』
『…』
「なんか言えよ!?」
そして俺たちは大和の最高神に挨拶するため、天津神殿へ向かう。
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