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強引な後輩
花は散らされる
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「じゃあ、先輩の初めて、もらいますね――俺の初めては奪われちゃったからあげられないけど」
あまりに無情な宣言に実結の体は強張る。ふるふると首を横に振れば頭を撫でられる。その優しい手つきと今正に砦を突き破ろうとしている硬さが噛み合わない。どちらも熱く、実結の体もまた熱くさせられているのに急に冷えていくようだった。
「力抜いてください、ね?」
「できな……んっ!」
先端に入り口を突かれる度にちゅぷちゅぷと蜜が音を立てるが、迎え入れる覚悟などもう決められそうになかった。
涙は止まらず、滲んだ慶が笑っているのかはもうわからなかった。ただ近付いてきたことだけはわかる。
「んぁ……ふ、あっ……んっ」
口づけられ、実結の意識はそちらに集中する。しつこいほどのキスに呼吸も思考も奪われ、実結の手は縋り付く先を求めてシーツを掴む。
そして、慶の物から意識が逸れた瞬間、切っ先が実結の中に押し込まれた。
「いっ……ひ、ぅ……ん……んぅっ!!」
入り口を押し広げ、未開の花筒をこじ開け、更に奥を目指して進んでいく。
「ん! んぅぅ……んんっ!」
キスによって唇を塞がれ、声を発することもままならずに激しい痛みが実結を支配する。気を失ってしまえたら良かっただろうか。
その大きさも与えられる痛みも実結の想像を超えていた。何もかも信じられないことが起きている。
ぐっと押し上げられる鈍痛に最奥に行き当たったのだと実結は悟る。
「っ……ほら、入りましたよ」
動きを止めた慶が息を吐き、これ以上の痛みが与えられないことを実結はただ願う。
「っは……く、ぅ……うぅっ……たい……痛いっ……」
圧倒的な質量と熱が実結を蝕む。その苦痛の逃し方を知らない。シーツを掴む手に力がこもるが、痛みはやり過ごせそうにない。
「実結……?」
「痛いからっ、抜いて……おねが……おねがいっ」
最早、慶に縋るしか痛みから解放される術はない。これで終わりでないと漠然と理解はしていても、自分の中にそれが存在する限り痛みに苛まれ続けるのだと思っていた。
そして、慶の言葉をまだ信じている部分があったのだ。
「慣れるまで、動きませんから」
抜いてもらえると思った期待は、抱き締められたことで打ち砕かれた。密着する肌は汗ばんでいて熱かったが、不思議と不快ではなかった。むしろ心地よいとさえ感じてしまう。
理由を考えるだけの余裕も抵抗するだけの力も残っていない。
「愛しています。たとえ、どんなに憎まれようと、あなたを愛し続けます」
「けい、くん……」
あまりに真っ直ぐな愛の告白は重く実結にのしかかり、胸を締め付ける。
実結は和真のことが好きだ。しかし、愛しているとまで言えるだろうか。自問しても答えが出ないのは痛みが思考を阻害しているからというだけではないだろう。
まだ愛まではわからないのだ。
愛していると言うのなら、なぜ、こんな酷いことができるのか。愛しているが故にということを多少なりとも理解するには実結はまだ幼かった。
「痛いまま終わらせませんから」
宣言と共に口づけられ、実結は貪られるがままに思考を放棄した。慶が泣きそうに見えたのは自分が泣いているからなのだろうと思いながら苦しさに目を閉じた。
「ふぁ……んっ……ぁ、ふ……や、ぁっ!」
絡ませられる舌に気を取られている内に慶の指先が実結の胸の先端を弾く。その瞬間、痛みしかなかったはずの場所に甘い疼きが生まれ、ぎゅっと慶の物を締め付けてしまったのが実結にもわかる。
「っ……!」
慶が小さく呻き、眉間に皺を寄せる。その意味を実結が理解する前に慶の指は更なる刺激を胸に与えてきた。疼きは大きくなり、また蜜を零して少しずつ慶の物に馴染んでいくようだ。拒絶する心と裏腹に彼を受け入れ始めた体を認めたくはないのに、痛みは快楽に塗り替えられていく。
「こっちも触ってあげますね」
「だめっ、そこは……! ひぅぅっ!」
花芽を撫でられれば、実結の背は仰け反る。
「敏感なくせに、ほんと強情ですよね。素直になれば楽なのに」
「やっ、あっ、変なの……! おかしく、なっちゃ……や、だぁっ」
意思と関係なくひくつく花筒は慶を追い出そうとはしていないようだった。
「……俺も限界なので、動きますね」
慶が熱っぽい溜息を漏らした。
「俺にも傷を付けて」
シーツを握り締めていた指が引き剥がされ、腕を慶の背に回される。実結はすぐに離したかったが、不意に慶が腰を揺らしたせいで、ぎゅっと抱き着くことになってしまった。
まるで恋人同士のように錯覚してしまうのは痛みが正常な思考を麻痺させているからか。
「ん、ぁあっ……やっ、あっ、あぁ、んっ」
ゆっくりと襞をひっかきながら出て行き、また奥まで押し込まれる繰り返しに痛みと快感が実結の中で掻き混ぜられていく。
次第にその動きは速く、激しくなり、実結はただ慶にしがみついて喘ぐことしかできなかった。
痛くてたまらないはずだったのに、今は気持ちが良い行為なのだと認めざるを得ないほど実結は感じてしまっていた。
「あ、ぃあっ、だめ……も、だめぇっ!」
慶の物は確実に実結の快感を引き出すように狙いをつけて穿たれる。好きでもない男の下で乱れたくもないのに、ささやかな抵抗もできずに快楽に飲まれていく。
「俺も、もう……っ!」
「あっ、ひ、ぁあぁんっ!」
それは実結がずっと待ち望んだ行為の終わりなのか。
余裕が感じられなくなった慶に容赦なく突かれながら大きな波がやってきて、快楽が弾ける。同時に慶の物が中で脈打つのをぼんやりと感じながら実結の意識は白い世界に飲まれていった。
*****
目覚めた時、実結は慶の腕の中にいた。咄嗟に体を動かそうとすれば制されるが、既に手遅れだった。体の怠さと下腹の痛みが記憶を鮮明にする。
「ぅ……っ!」
慶の物らしいTシャツを着せられた体は特にべたつくわけでもない。彼が綺麗にしたのだろうか。
「無理させちゃいましたね。一回で我慢するつもりではいましたけど……」
顔を覗き込む慶に言いたいことがないわけではなかった。なのに、恨み言すら言えなかった。
何かを言おうとして、喉の不調に気付けば、慶がミネラルウォーターのボトルを手にするのが見えた。
それが欲しくて実結は手を伸ばすが、キャップを外した慶は自らの口に含み、彼の顔が近付いてくる。
「んっ……」
自分で飲めるし、そうしたかったが、慶の機嫌を損ねるとどうなるかは既に身をもって知っている。彼がしたいようにさせるしかないのだと諦めて実結は雛鳥のように素直に水を飲む。
何度かそうやって実結が喉を潤した後、慶に優しく頭を撫でられた。
「これで、あなたはもう全部俺のモノ、なんて言えませんね……でも、後悔はしないし、手放す気はないんで」
体を奪われて心まで捧げてしまうことはできない。和真への想いを断ち切られたわけではない。
だが、自分を妹としてしか見てくれない相手を思い続けるよりは、自分を愛してくれる人間に身を委ねた方が幸せなのかもしれない。
そして、悲しげな目をする慶を放っておけないと思ってしまった。絆されたか、あるいは自身の心を守るためか、実結の気持ちは傾き始めていた。
それが間違いだとも知らず、あまりに残酷な嘘を見抜けないまま。
あまりに無情な宣言に実結の体は強張る。ふるふると首を横に振れば頭を撫でられる。その優しい手つきと今正に砦を突き破ろうとしている硬さが噛み合わない。どちらも熱く、実結の体もまた熱くさせられているのに急に冷えていくようだった。
「力抜いてください、ね?」
「できな……んっ!」
先端に入り口を突かれる度にちゅぷちゅぷと蜜が音を立てるが、迎え入れる覚悟などもう決められそうになかった。
涙は止まらず、滲んだ慶が笑っているのかはもうわからなかった。ただ近付いてきたことだけはわかる。
「んぁ……ふ、あっ……んっ」
口づけられ、実結の意識はそちらに集中する。しつこいほどのキスに呼吸も思考も奪われ、実結の手は縋り付く先を求めてシーツを掴む。
そして、慶の物から意識が逸れた瞬間、切っ先が実結の中に押し込まれた。
「いっ……ひ、ぅ……ん……んぅっ!!」
入り口を押し広げ、未開の花筒をこじ開け、更に奥を目指して進んでいく。
「ん! んぅぅ……んんっ!」
キスによって唇を塞がれ、声を発することもままならずに激しい痛みが実結を支配する。気を失ってしまえたら良かっただろうか。
その大きさも与えられる痛みも実結の想像を超えていた。何もかも信じられないことが起きている。
ぐっと押し上げられる鈍痛に最奥に行き当たったのだと実結は悟る。
「っ……ほら、入りましたよ」
動きを止めた慶が息を吐き、これ以上の痛みが与えられないことを実結はただ願う。
「っは……く、ぅ……うぅっ……たい……痛いっ……」
圧倒的な質量と熱が実結を蝕む。その苦痛の逃し方を知らない。シーツを掴む手に力がこもるが、痛みはやり過ごせそうにない。
「実結……?」
「痛いからっ、抜いて……おねが……おねがいっ」
最早、慶に縋るしか痛みから解放される術はない。これで終わりでないと漠然と理解はしていても、自分の中にそれが存在する限り痛みに苛まれ続けるのだと思っていた。
そして、慶の言葉をまだ信じている部分があったのだ。
「慣れるまで、動きませんから」
抜いてもらえると思った期待は、抱き締められたことで打ち砕かれた。密着する肌は汗ばんでいて熱かったが、不思議と不快ではなかった。むしろ心地よいとさえ感じてしまう。
理由を考えるだけの余裕も抵抗するだけの力も残っていない。
「愛しています。たとえ、どんなに憎まれようと、あなたを愛し続けます」
「けい、くん……」
あまりに真っ直ぐな愛の告白は重く実結にのしかかり、胸を締め付ける。
実結は和真のことが好きだ。しかし、愛しているとまで言えるだろうか。自問しても答えが出ないのは痛みが思考を阻害しているからというだけではないだろう。
まだ愛まではわからないのだ。
愛していると言うのなら、なぜ、こんな酷いことができるのか。愛しているが故にということを多少なりとも理解するには実結はまだ幼かった。
「痛いまま終わらせませんから」
宣言と共に口づけられ、実結は貪られるがままに思考を放棄した。慶が泣きそうに見えたのは自分が泣いているからなのだろうと思いながら苦しさに目を閉じた。
「ふぁ……んっ……ぁ、ふ……や、ぁっ!」
絡ませられる舌に気を取られている内に慶の指先が実結の胸の先端を弾く。その瞬間、痛みしかなかったはずの場所に甘い疼きが生まれ、ぎゅっと慶の物を締め付けてしまったのが実結にもわかる。
「っ……!」
慶が小さく呻き、眉間に皺を寄せる。その意味を実結が理解する前に慶の指は更なる刺激を胸に与えてきた。疼きは大きくなり、また蜜を零して少しずつ慶の物に馴染んでいくようだ。拒絶する心と裏腹に彼を受け入れ始めた体を認めたくはないのに、痛みは快楽に塗り替えられていく。
「こっちも触ってあげますね」
「だめっ、そこは……! ひぅぅっ!」
花芽を撫でられれば、実結の背は仰け反る。
「敏感なくせに、ほんと強情ですよね。素直になれば楽なのに」
「やっ、あっ、変なの……! おかしく、なっちゃ……や、だぁっ」
意思と関係なくひくつく花筒は慶を追い出そうとはしていないようだった。
「……俺も限界なので、動きますね」
慶が熱っぽい溜息を漏らした。
「俺にも傷を付けて」
シーツを握り締めていた指が引き剥がされ、腕を慶の背に回される。実結はすぐに離したかったが、不意に慶が腰を揺らしたせいで、ぎゅっと抱き着くことになってしまった。
まるで恋人同士のように錯覚してしまうのは痛みが正常な思考を麻痺させているからか。
「ん、ぁあっ……やっ、あっ、あぁ、んっ」
ゆっくりと襞をひっかきながら出て行き、また奥まで押し込まれる繰り返しに痛みと快感が実結の中で掻き混ぜられていく。
次第にその動きは速く、激しくなり、実結はただ慶にしがみついて喘ぐことしかできなかった。
痛くてたまらないはずだったのに、今は気持ちが良い行為なのだと認めざるを得ないほど実結は感じてしまっていた。
「あ、ぃあっ、だめ……も、だめぇっ!」
慶の物は確実に実結の快感を引き出すように狙いをつけて穿たれる。好きでもない男の下で乱れたくもないのに、ささやかな抵抗もできずに快楽に飲まれていく。
「俺も、もう……っ!」
「あっ、ひ、ぁあぁんっ!」
それは実結がずっと待ち望んだ行為の終わりなのか。
余裕が感じられなくなった慶に容赦なく突かれながら大きな波がやってきて、快楽が弾ける。同時に慶の物が中で脈打つのをぼんやりと感じながら実結の意識は白い世界に飲まれていった。
*****
目覚めた時、実結は慶の腕の中にいた。咄嗟に体を動かそうとすれば制されるが、既に手遅れだった。体の怠さと下腹の痛みが記憶を鮮明にする。
「ぅ……っ!」
慶の物らしいTシャツを着せられた体は特にべたつくわけでもない。彼が綺麗にしたのだろうか。
「無理させちゃいましたね。一回で我慢するつもりではいましたけど……」
顔を覗き込む慶に言いたいことがないわけではなかった。なのに、恨み言すら言えなかった。
何かを言おうとして、喉の不調に気付けば、慶がミネラルウォーターのボトルを手にするのが見えた。
それが欲しくて実結は手を伸ばすが、キャップを外した慶は自らの口に含み、彼の顔が近付いてくる。
「んっ……」
自分で飲めるし、そうしたかったが、慶の機嫌を損ねるとどうなるかは既に身をもって知っている。彼がしたいようにさせるしかないのだと諦めて実結は雛鳥のように素直に水を飲む。
何度かそうやって実結が喉を潤した後、慶に優しく頭を撫でられた。
「これで、あなたはもう全部俺のモノ、なんて言えませんね……でも、後悔はしないし、手放す気はないんで」
体を奪われて心まで捧げてしまうことはできない。和真への想いを断ち切られたわけではない。
だが、自分を妹としてしか見てくれない相手を思い続けるよりは、自分を愛してくれる人間に身を委ねた方が幸せなのかもしれない。
そして、悲しげな目をする慶を放っておけないと思ってしまった。絆されたか、あるいは自身の心を守るためか、実結の気持ちは傾き始めていた。
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