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諦めが悪い先輩
見せつける愛
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「俺の彼女に何してるんですか?」
不意に聞こえた声に実結の体は石になったように硬直する。誰のものかはすぐにわかった。だからこそ恐ろしくて振り向けない。和真も驚いた様子で固まっている。
密会現場を一番見られたくない相手に見られてしまった気分だった。
「遠間……」
「気安く触らないでくれます?」
近付いて来た慶は奪い取るように実結を和真から引き剥がす。強い力に痛みを伴ったが、もう触れさせまいとするように抱き込まれて抗議の言葉も封じられた。
「俺に隠れて他の男と二人っきりで会った上に触らせるなんて……後でお仕置きです」
耳元で囁かれて実結はぞっとして言葉に困った。弁解の言葉も浮かばない。否、何を言ったところで許されないだろう。
慶に秘密で和真と会ったのが知られてしまった時のことを全く予想していなかったわけではない。容易に想像できたはずだ。
それなのに、来てしまったのは和真と話をしたいと思ってしまったからだ。何を言えるわけでもない。何を言われるか予想できたわけでもない。しかし、きっと彼に未練があったのだ。
話をしていただけだ。やましいことはないが、慶に通用するとは思えない。許してもらえる空気ではないのがひしひしと伝わってくる。何らかの罰があるだろう。
「遠間、お前は本当に実結ちゃんにOKの返事をもらったのか?」
「もちろん」
実結が答えられないからこそ、慶を問いただそうと思ったのだろうか。厳しい口調で問う和真に慶は怯まなかった。
背を向ける形で抱き締められているせいで和真を見ることはできないが、穏やかでない気配ははっきりと感じていた。
「そうなの? 実結ちゃん」
「私……」
問いが自分に向けられて実結は口籠もる。抜け出すことも振り向くこともできず、強まる腕の力に恐怖を抱く。
和真は慶を疑っている。本当のことを言って助けてほしいというのが本心だが、知られたくないのも事実だった。もう何もかも遅すぎるのだ。
「実結先輩は恥ずかしがり屋だし、体の方が素直なんですよ」
「何言って……」
「慶君……?」
和真と実結の声が重なる。慶の言葉に性的な物が含まれていることに気付いてしまった。
「もう俺のものなんで、和真先輩は大人しく河西に食われちゃってください」
実結の心は嫌だと叫んでいた。たとえ、もう自分の想い叶わないものだとしても真悠子に取られたくないと思ってしまうのだ。和真の幸せを願いたいのに、今は他の誰かといるのを見たくはなかった。特に真悠子であってほしくないと思ってしまう。彼女を嫌っているわけではないのだが。
「こっちは、ちゃんと俺のことを全部受け入れてくれましたよ」
「やっ……!」
慶の手が下がったかと思えば、スカートを捲り上げて下着の上から秘部に触れる。
和真の前でされたことが信じられずに身を捩るが、慶は決して実結を逃がそうとはしなかった。その指先は的確に実結の弱い部分を捉えている。
「あれ? もう濡れてきましたね。お仕置き、期待してます?」
確かめるように割れ目を擦られ、実結は首を横に振るが、慶の胸に頭を擦り付けるものでしかなかった。
「それとも、和真先輩のをくわえ込みたくて濡らしてたんですか?」
「ちがっ……」
「違うなら、ここで俺にキスしてください」
「そんな、できない……!」
自分から慶にキスをすることなどできるはずもない。ましてや、和真が見ている前だ。勝手にされたことならまだしも、要求されたからと言っても自分からしてしまうのは言い訳としては弱い。
「じゃあ、俺達がいかに愛し合ってるか和真先輩に見せつけましょうね」
「やめっ……は、ぅ……」
下着をずらし、指が中に入り込んできて、実結は眉根を寄せる。先日、純潔を散らされてしまったが、あれ以降触れられていなかった花筒はまだ何かを挿入されることに慣れていない。実結の体は震え出すが、慶はお構いなしだ。
「ふざけんな」
「ふざけてないです。真剣に実結先輩のこと、愛してますから」
怒気を含んだ和真の声にも慶は平然と実結の中を掻き混ぜる。
「本当に実結ちゃんのことを想ってるなら……」
「想ってるからこそ、悪い虫は排除しないと」
「どっちが悪い虫なんだか」
和真の呆れた声が遠く、実結は必死に慶にしがみつく。そうでなければ、和真に聞かれたくない恥ずかしい声が漏れてしまうからだ。やめて、と訴える余裕もない。
それどころか、慶は実結が縋っていることに気を良くしたのか、指の動きをより大胆な物へと変えた。
「凄いですね、ぐしょぐしょ。この前より感じてる。和真先輩に見られて興奮してます?」
「せんぱ……見ないでっ……」
下着も見えてしまっているだろう。だが、何より慶にされているところを見られたくなかった。
「音、聞こえてますよね?」
「やだっ、やめて……!」
慶は和真に聞こえるようにわざと音を立てているのだろう。静かな部室内に粘着質な水音が響いて、実結は耳を塞ぎたい気分だった。何より和真に聞かれたくはなかった。部室で、人に見られながら感じてしまっている淫らな女だと思われたくなかったのだ。
ふと、それまで動かなかった和真が動いた気配がした。
不意に聞こえた声に実結の体は石になったように硬直する。誰のものかはすぐにわかった。だからこそ恐ろしくて振り向けない。和真も驚いた様子で固まっている。
密会現場を一番見られたくない相手に見られてしまった気分だった。
「遠間……」
「気安く触らないでくれます?」
近付いて来た慶は奪い取るように実結を和真から引き剥がす。強い力に痛みを伴ったが、もう触れさせまいとするように抱き込まれて抗議の言葉も封じられた。
「俺に隠れて他の男と二人っきりで会った上に触らせるなんて……後でお仕置きです」
耳元で囁かれて実結はぞっとして言葉に困った。弁解の言葉も浮かばない。否、何を言ったところで許されないだろう。
慶に秘密で和真と会ったのが知られてしまった時のことを全く予想していなかったわけではない。容易に想像できたはずだ。
それなのに、来てしまったのは和真と話をしたいと思ってしまったからだ。何を言えるわけでもない。何を言われるか予想できたわけでもない。しかし、きっと彼に未練があったのだ。
話をしていただけだ。やましいことはないが、慶に通用するとは思えない。許してもらえる空気ではないのがひしひしと伝わってくる。何らかの罰があるだろう。
「遠間、お前は本当に実結ちゃんにOKの返事をもらったのか?」
「もちろん」
実結が答えられないからこそ、慶を問いただそうと思ったのだろうか。厳しい口調で問う和真に慶は怯まなかった。
背を向ける形で抱き締められているせいで和真を見ることはできないが、穏やかでない気配ははっきりと感じていた。
「そうなの? 実結ちゃん」
「私……」
問いが自分に向けられて実結は口籠もる。抜け出すことも振り向くこともできず、強まる腕の力に恐怖を抱く。
和真は慶を疑っている。本当のことを言って助けてほしいというのが本心だが、知られたくないのも事実だった。もう何もかも遅すぎるのだ。
「実結先輩は恥ずかしがり屋だし、体の方が素直なんですよ」
「何言って……」
「慶君……?」
和真と実結の声が重なる。慶の言葉に性的な物が含まれていることに気付いてしまった。
「もう俺のものなんで、和真先輩は大人しく河西に食われちゃってください」
実結の心は嫌だと叫んでいた。たとえ、もう自分の想い叶わないものだとしても真悠子に取られたくないと思ってしまうのだ。和真の幸せを願いたいのに、今は他の誰かといるのを見たくはなかった。特に真悠子であってほしくないと思ってしまう。彼女を嫌っているわけではないのだが。
「こっちは、ちゃんと俺のことを全部受け入れてくれましたよ」
「やっ……!」
慶の手が下がったかと思えば、スカートを捲り上げて下着の上から秘部に触れる。
和真の前でされたことが信じられずに身を捩るが、慶は決して実結を逃がそうとはしなかった。その指先は的確に実結の弱い部分を捉えている。
「あれ? もう濡れてきましたね。お仕置き、期待してます?」
確かめるように割れ目を擦られ、実結は首を横に振るが、慶の胸に頭を擦り付けるものでしかなかった。
「それとも、和真先輩のをくわえ込みたくて濡らしてたんですか?」
「ちがっ……」
「違うなら、ここで俺にキスしてください」
「そんな、できない……!」
自分から慶にキスをすることなどできるはずもない。ましてや、和真が見ている前だ。勝手にされたことならまだしも、要求されたからと言っても自分からしてしまうのは言い訳としては弱い。
「じゃあ、俺達がいかに愛し合ってるか和真先輩に見せつけましょうね」
「やめっ……は、ぅ……」
下着をずらし、指が中に入り込んできて、実結は眉根を寄せる。先日、純潔を散らされてしまったが、あれ以降触れられていなかった花筒はまだ何かを挿入されることに慣れていない。実結の体は震え出すが、慶はお構いなしだ。
「ふざけんな」
「ふざけてないです。真剣に実結先輩のこと、愛してますから」
怒気を含んだ和真の声にも慶は平然と実結の中を掻き混ぜる。
「本当に実結ちゃんのことを想ってるなら……」
「想ってるからこそ、悪い虫は排除しないと」
「どっちが悪い虫なんだか」
和真の呆れた声が遠く、実結は必死に慶にしがみつく。そうでなければ、和真に聞かれたくない恥ずかしい声が漏れてしまうからだ。やめて、と訴える余裕もない。
それどころか、慶は実結が縋っていることに気を良くしたのか、指の動きをより大胆な物へと変えた。
「凄いですね、ぐしょぐしょ。この前より感じてる。和真先輩に見られて興奮してます?」
「せんぱ……見ないでっ……」
下着も見えてしまっているだろう。だが、何より慶にされているところを見られたくなかった。
「音、聞こえてますよね?」
「やだっ、やめて……!」
慶は和真に聞こえるようにわざと音を立てているのだろう。静かな部室内に粘着質な水音が響いて、実結は耳を塞ぎたい気分だった。何より和真に聞かれたくはなかった。部室で、人に見られながら感じてしまっている淫らな女だと思われたくなかったのだ。
ふと、それまで動かなかった和真が動いた気配がした。
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