ダンジョンチケット

夏カボチャ

文字の大きさ
上 下
112 / 322
11章認められし者

ダンジョンチケット111

しおりを挟む
拓武『なあ?ネクロ、太陽は嫌いか?』

ネクロ『嫌いじゃ……でも、外には出れない』

拓武『なら、冥界の王が命令する、お前は自由だ。好きなように生きてほしい』

ネクロはその言葉に驚いた。

今まで、どれだけ頑張っても空回りをしてきたネクロに取って拓武の言葉は、暖かいネクロを包み込むようだった。

ネクロ『他に何か、自由にする理由は?』

ネクロは少し不安そうに拓武の方を見た。

拓武『特にないがネクロ、もし俺が困ってたら助けてほしい。どうかな?』

ネクロ『わかった、それと王さま、此れからも此処に出入りしたてもいいですか?』

拓武『構わないが?何故?』

ネクロ『私が居なくなると骸達が寂しがるから、変な理由ですよね、すみません』

その言葉を聞き拓武はネクロは本当に優しい子なんだなと、そう感じた。

拓武『いや、とても素敵な理由じゃないか、構わないよ。好きに使ってくれ』

ネクロ『ありがとうございます、此れからは、新しい王の為に何処までも御供します!そして私は王さまの為に頑張ります!』

拓武『ああ、此れからもよろしく頼む』


そんな光景を見ていた、キーメイスとバーダは拓武を睨み付けた。

バーダ『拓武はたらしだな』

キーメイス『あはは……ご主人様は、むしろ、女心を弄ぶ!悪魔だね……』

バーダ『拓武は悪魔じゃないぞ?女心を確かに弄ぶが?悪魔ではない!』

キーメイス『そうだね、確かにご主人様は、女たらしだけど、悪魔では、なかったね』

ネクロ『あ、悪魔、何ですか!違うんですか!どっちですか!』

二人の会話を真剣に、聞いているネクロは、まるで無邪気な子供の様だった。

ネクロ『あの王さま、いえ、ご主人様?私とは、遊びで優しくしたのですか?』

いきなり拓武をご主人様と呼ぶネクロを見て二人は、笑っていた。

多分軽い悪戯のつもりなのだろうが、ネクロは本気だ!

拓武『えっと、遊びとか、そう言うのではないから、とりあえず地上を目指そうか?』

ネクロ『はい!ご主人様がそう望むなら、何処までも御供します!』

キーメイス『改めてよろしくね!ネクロ』

バーダ『よろしくな、ネクロ!』

ネクロ『は、はい!よろしくお願いします』

何故か、自由にした筈のネクロマンサーが仲間になっていた。

拓武は、ついてくる3人の会話が面白く暖かい為か少し笑みを浮かべてしまっていた。

しおりを挟む

処理中です...