ダンジョンチケット

１２章 新たなる世界・幻想界へ

ダンジョンチケット１３９

拓武とオクシードは話しあった。

幻想界にとって害でしかないアインを倒したい。
互いにアインを倒したい気持ちは同じであった。同時に幻想界の王スルトを解放したいと話したのだ。

勿論、オクシードは言葉を濁したが最終的には其れを受け入れた。
二人が一番に考えたのは、アインを確実に倒すと言う事だからだ。

オクシード「今ここに誓おう！我オクシードとクルガナクルムの拓武は戦場を生きる兄弟だ！互いに生きて未来を掴もうぞ」

拓武「ああ！アインを打ち倒そう！そしてスルト王を助けよう！」

オクシード「そうだな。この瞬間を迎えられる事を嬉しく思うぞ」

短い間に互いの事を洗いざらい話した二人は意気投合していた。
オクシードは嬉しかったのだ。
どんなにアインを討ちとろうとしても、今の幻想界に其処までの猛者は居なかった。
全ての話が終わり二人が部屋を出るとモシュネ達が廊下で列をなして待っていた。

モシュネ「主様。我等は主様の御意志に従います。結果をお聞かせくださいませ」
モシュネ達が待っていたのには訳があった。
正式な同盟がないまま、拓武をオクシードの側に置くことを危険視したのだ。

拓武「俺とオクシードは兄弟の契りを交わした。海王族とクルガナクルムは家族になったって事だな」

その言葉は、その場に居たモシュネ達クルガナクルムの者達と海王族の者達を驚きと緊張が走った。

本来、幻想界の種族の王と冥界の王が互いを家族等と口にする事はあり得ないからだ。
元来、世界の王とその世界に住む様々な種族の王では身分が違いすぎるのだ。

海王族は冷や汗が止まらない様子だった。
何故ならば、今此処にクルガナクルムの大軍勢が待機しているからだ。
もし戦いになれば、地獄絵図を描くよりも色濃く赤い世界が広がる事は誰もが容易に想像が出来た。

拓武「オクシードからは、止められたが！俺はオクシードが気に入ってたんだ。だから同盟じゃなくて！互いを家族にした！その方が気分いいしな」

余りに楽しそうに語る拓武の姿を見てギルガデム達は笑った。

ギルガデム「わかった。王が決めたのならば！従うのみだ！」

その言葉にクルガナクルムの面々は頷き。
オクシードと海王族の面々も深々と拓武に頭を下げたのだ。

オクシード「今回の我等への計らいに心から感謝を。我等、海王族は裏切ることなく！拓武の為に戦う事を誓おう」