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１３章 王の戦い

ダンジョンチケット１５５

拓武の掛け声と共に全軍が一斉にフライングマンターで空に向け飛び立った。

ネクロのボーンナイツとスケルトンナイツは島に取り付けられたファンを押さえつつ、真下からの直接攻撃を敢行した。
それと同時にボーンナイツの真上から島に向けキーメイスが時間魔法“デスタイム”を使い確実にファンを風化させていく。
その際にファンを止めているボーンナイツも風化するが、それをカバーするようにスケルトンナイツの群れがボーンナイツの腕をひたすらによじ登っていった。  

島を目指す拓武達と下から島を押さえるネクロ達は圧倒的な早さで島の自由を奪ったのだ。
島に上陸した拓武達は直ぐに島の四方に移動するとキーメイスの“デスタイム”で脆くなった外側部分から順に島を崩し始めたのだ。

普通ならば考えられないような途方もない作業だが、リザードマンと竜人族の強固な爪とパワーは岩盤すらも打ち砕く破壊力があるからこその作戦であった。  

そしてバーダの感知のお陰で島の風化部分を確実に破壊できた事も大きな理由の１つであった。
みるみる島が小さくなり、半分程のサイズにまで小さくなった時、予想外の出来事が起きたのだ。

島の中央から凄まじい熱線がリザードマン達を襲ったのだ。

「ぎゃあぁぁぁ！」
数秒後にはリザードマン達のいた場所が焼け野原へと変わっていた。

「皆気を付けろ、島の中央からだ」
「王よ！我が島の中央に向かう！他のモノ達を頼みます！」
そう言うとギルガデムは直ぐに数人の部下と島の中央に走り出したのだ。
「まて！ギルガデム」
しかし、拓武の声は既にギルガデムには届いていなかった。
そんなギルガデム達を竜也達が追いかけていく。
「拓武！俺に任せろ、それより早くこの島を沈めようぜ！」
「わかった！無理はするなよ」
その言葉に竜也は頷いた。

島の下側でも新たな動きがあった。
ボーンナイツの押さえていた巨大なファンが少しずつ崩壊を始めたのだ。
それと同時に島の至る所から金属の部分が見え始めてきていたのだ。