ダンジョンチケット

１６章 人間界にて

ダンジョンチケット１９７

拓武達の無差別攻撃を見た人間と魔族は拓武達を敵と認識した。

そして、今回、先に動いたのは魔族であった。
拓武達のキャンプに一人の男の子が訪れる。
「初めまして、僕の名前は、プレマディウス、魔族です」
皆がざわめき、直ぐに武器を構える。

「おっと、今回、僕は話し合いに来ました。ですので戦う気はありません」

騒ぎを聞き直ぐに拓武達がその場に駆け付けた。
拓武の前にはプレマディウスが立っている。
見た目は、まるで西洋人形のような印象で身長は１４５㎝くらいだろうか、全身を紫の服で包み込んでおり、上が長袖に対して下は半ズボン、頭には小さな帽子が被されていた。
眼は綺麗な青色をしている。

「初めまして、僕はプレマディウス、君がこの部隊の王様かい？それとも隊長さんかな？」
そう質問するプレマディウス。
「どちらでも好きな方に取ってくれ、あと用件だけは聞こう」

「では早速、僕達、魔族は今繁殖期でね、魔界だけでは狭すぎるんだ。だから開放された人間界に来たんだ。なのに人間と君達が僕達魔族の邪魔をする、ハッキリ言って迷惑です！ですが、もし貴方達が人間界が目的だと言うなら世界の半分を差し上げます。どうですか？」

プレマディウスはそう言うとニッコリと笑いかけてきた。

「すまないがプレマディウス、手を組む気はない、むしろ、魔界の使うゲートに対して話してくれないか？」

そう切り出した途端プレマディウスの表情が豹変する。
「そう言うことか、アハハわかった。魔王に話して見るよ。あと今日は帰るよ、またね。次は遊ぼうね、最後に名前を教えてよ？」
「俺は矢竹（やたけ） 拓武（たくむ）だ」

「矢竹ね、ちゃんと伝えとくよ！またね」
そう言うとプレマディウスは姿を消した。
拓武達は、戦闘も視野にいれていたが、戦闘に発展する事はなかった。