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夏カボチャ

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17章 魔王と冥王

ダンジョンチケット245

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 拓武達は、シトリーの部下にバレないように散開すると、一気に攻撃を仕掛ける。

其れは一瞬の出来事であった。
空を飛び回る魔族が炎に包まれ、地上に落下していく。

その光景に、シトリーの部下達が慌てて地上にいる拓武達を捜す。

そんな拓武達は、一ヶ所に止まることなく、次から次に移動しながら、進んでいく。

其れはシトリーの部下からすれば、最悪な状況であった。

次々にやられる仲間の断末魔に魔族達は焦り纏まりを失っていく。

其処に更に拓武達による攻撃が加わり、シトリーの部下達は壊滅状態になる。

そして、拓武、モシュネ、キーメイス、ネクロ、バティーンがシトリーの城の中を突き進む。

外はベルトとリトルリザード、リュトルと竜人が足止めをする。

城の中は、薄暗く、無数のたいまつによって、階段が照らされていた。

拓武は、バティーンに道案内を頼み、階段を駆け上がる。

少数の魔族が守る城内はまるで拓武達が侵入することを予想していなかったかのように静まり返っていた。

そして、バティーンが最上階の中央の部屋の前で立ち止まる。

「冥界王、ここが王の間、つまりシトリーの玉座だ」

そして、拓武が扉に手をかけ、力一杯にひらいたのである。

「やっと来たね? 待ちくたびれたわ」

其処には、シトリーが玉座に座り笑っていたのであった。
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