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夏カボチャ

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18章 霊界と天界

ダンジョンチケット269

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 拓武はアポロンを倒したつもりであったが、炎に姿を変化させたアポロンが拓武を襲おうとしていたのだ。

 それを救ったのはスルトであった。
 スルトの巨大な拳が拓武を襲おうとするアポロンを地面にめり込ませ、アポロンの炎が完全に消えるのを確認するようにゲートから姿を現すスルトは、めり込んだアポロンを更に地中深くまで、その拳を使い叩き込んでいった。

「拓武、神は冷酷にして、しぶとい存在だ! 最後まで気を抜いてはいかん」 

 スルトの言葉に頷く拓武はすぐに、アポロンの魂を自身の紋章に強制的に奪い、太陽神の力を手に入れたのだ。
 拓武はヘラクレスの魂も実際に手にしていた。
 ヴァサゴから、魂を封印しなければ、神は蘇生すると聞かされたからだ。
 魂を打ち砕くか、魂もしくは肉体を封印する他に神をどうにかする方法は存在しないと言われたのだ。
 拓武は神の記憶の中、アポロンの見てきた光景を見ていた。

 サタンとフェンリルオオカミの戦い、ゼウスの傲慢な姿、アポロン自身の記憶の中にある全てを一瞬で吸収した拓武の体から炎が燃え上がったのであった。
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