ダンジョンチケット

夏カボチャ

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19章 月界の長と凍結の支配者

ダンジョンチケット306

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 拓武はその全てを一撃に集中させると迷う事なく、アース目掛け突き出した。

 アースは拓武を軽んじていた。しかし、それは大きな間違いだと次の瞬間気づかされたのだ。

 アースを庇うように飛び出した女に槍が突き刺さるとガザ・アッサルから発せられた灼熱の刃が女の身を焦がしながら徐々に肉体を真っ赤に染めていく。

 その瞬間、アースは女に微笑んだ。

「なんて無茶をするんだ、これでお別れになるじゃないか……」

 その言葉に更に微笑む女。

「嬉しいわ……御父様。でも油断大敵です……」

 互いに別れを覚悟する二人。そんな二人を前に拓武は動けずにいた。いや、動けなかったのだ。

 女の肉体がガザ・アッサルを包み込み、樹の根が絡み付くように確りと動きを封じていたのだ。

 そして、アースは燃えいく女に最後の言葉を告げたのだ。

「僕は遊びすぎたようだね。御別れの前に全てを終わらせよう……封印を解いてくれ……」

「あぁぁ、悲しいわ……御父様……本当に変わらない困った人……」

 その瞬間、拓武の前に姿を現したのは、キーメイス、ブレイン、マナコの三人であった。

「時間が無いわ……御父様」

「そうだね……僕の大切な娘……ヘル……今すぐに楽になれるから、もう少しだけ、この世にとどまってくれ」

 拓武に近付く三人はその姿を光輝かせるとその身は次第に3色の球体のように変化していく。
 それは拓武が初めて三人とあった時を思い出させるように眩く輝いていた。
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