ダンジョンチケット

２０章 新なる幕開け

ダンジョンチケット３１７

　ペルセポネは春を運ぶ草木の神でもある。そんなペルセポネの活躍は凍結空間に緑の大地を造り出した。

　一斉に咲き乱れる花と生い茂る緑の世界が何処までも続いて行く。
　全ての者がこの凍結空間が変わったと本能で感じる中、新たなる名が付けられる事になる。

　悲しき時を忘れし凍結の空間は新たなる名で呼ばれる。

　“フェリスパラディ”意味は、幸せな楽園。全てが真逆になったこの世界にもう凍結した場所などない、時間のみが動かない楽園であるが寧ろ世界を変えるのに時間はいくらあっても足りないのだ。

　皆が未開の地と言っても過言でないアースの造り出した凍結空間を少しずつ変えていく。
　水瓶から流れる水は何処までも続き、土石魔法で川を更に確りと作り、川の終わりを探す日々や未だに見つからぬ世界の果てを目指していく。

　更に拓武達は自分達の食料を育てるようになる元より空腹の存在しない空間だがそれは余りに寂しいと栽培が開始された。

　そして、世界は新たな形になる。

　かぐやが拓武を尋ねた際に眼にした光景は、緑の大地に金色の麦が実り、川が流れる中に魚が泳ぎまわる楽園であった。

「なんじゃ此は！　いったい、どうなっておるのじゃ」

「余り声をあらげるな。今は皆、昼寝をしている」

　驚くかぐやに対して姿を現したモシュネがそう口にした。

　かぐやを街に案内するモシュネ。

「なに用でここに来たのだ、かぐやよ？」

　かぐやは、拓武達のその後が気になり訪ねて来たのだ。拓武達の知らぬ間に外では２００数年の時が流れていた。

　全ての神が居なくなり、天界にはティターン神族が支配者して君臨している。他の世界も同様に違う流れをたどっていると口にした。