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2章 外の世界へ
幸せです。
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ザカメレア王国で二泊三日を過ごした私達はカルメロ達に見送られて、関所の町ジャルニジルを抜けてベジルフレア領に入っていった。
「見送りがあるなんて、少し照れるわね?」
私の発言に複雑な笑みを浮かべる面々。
「お嬢様、あれは見送りではなく見張りです、お嬢様が無茶をしないか不安だったのでしょう」
「カミルはたまに感情で無茶しますからね?」
「否定できぬな、妾の知るカミルは常識をテーブルをひっくり返すように打ち砕くでなぁ、人間からしたら恐怖であろう?」
泣きたい、言いたい放題じゃない。
「酷くない? 私は普通の女の子なのよ!」
「それは……ないかと」
「それはないですね」
「それはないかのぉ」
3人が一斉に否定してきたわ。私のガラスのハートは粉々よ。
ふて腐れる私の態度に慌てる3人は謝ってきたけど、今日は赦してあげないんだから。
それより最近自分自身の性格や感覚が幼児かしてる気がする。説明しにくいけど、感情のコントロールが出来ない気がするの。
働き過ぎなのかな? 最近の私はマドラッドに行ったり、王様にあったりで忙しかったからなぁ……よし、決めた!
「今から私は自由行動を取るわ! 皆は馬車で帰ってね。私は少し別ルートで帰るわ」
私はメガに確りとライパン迄、向かうようにお願いするとデンキチとスカーを召喚する。
デンキチの肩に腹這いになるように乗るとデンキチが私の身体を優しく落ちないように押さえて走り出す。
スカーが先頭を走り警戒と道先の確認をしていく。
風を感じる……空を飛ぶ感覚とは違うけど、大地を駆け抜ける際に吹き付けるように抜けていく風はなんでこんなに気持ちがいいんだろう。
『カミル、大丈夫? 涙出てる』とデンキチの声に無意識に涙が頬を伝っていた事に気づかされた。
「デンキチ、ありがとうでも、心配しないで少し風で目にホコリが入ったの、もう大丈夫よ」
自分でも気づかない涙……考える事が多すぎるのね。
私はデンキチとスカーと共にベジルフレアの領域を駆け抜けていく。
緑の生い茂る森、綺麗な流れが保たれた川、全てが私の居た世界とは違う、そう私はホームシックになっていた。
今さらな気もするけど、電気の光りや賑やかな繁華街、しょっちゅう飲みに誘ってくる同僚に心配ばかりする後輩や、口うるさいけど最後は助けてくれる先輩、元の世界に居た頃は邪魔臭く、イライラするような事や嬉しくて笑えた事が次々に込み上げてくる。
「ねぇ、デンキチ……私は頑張れてるのかな?」
『カミルは凄い、デンキチはカミルが皆の為に頑張れてるのしってる!』
私の質問に確りと答えるデンキチ、前方から速度を落とし横に並ぶスカー。
『すまない盗み聞きをする気はなかったんだが話が聞こえた。主が無茶をする時は誰かの為に何かを成し遂げる時、少なくとも俺は主のその性格が好きだから今も一緒に歩んでいるんだ。自信を持てくれ』
ありがとうを言いたくなった……なんていい子達なんだろ。
私には勿体ないくらいの素敵な言葉を貰った気がする。
「ありがとう二人共、私は大丈夫よ。でも今は少しだけ、少しでいいから甘えさせて、いっぱい疲れちゃった」
私はいつの間にか眠りに着いていた。
どれ程の時間を寝たのかわからないが気づくと夕焼けに雲が照らされ空が鮮やかな赤に染まり、少し冷たい風が私の頬を撫でる。
「私、寝ちゃったんだ? いけない、早く戻らないと」
スカーのフカフカの毛が私を包み込んでいる状態で目覚める。
寝ぼけ眼を指で擦ると其処にはメルリの姿があり、その後ろにアララとペンネも立っている。
「起きましたか、お嬢様。勝手ながら帰りが遅いので捜させて頂きました」
私の身を心配したメルリ達が捜しに来てくれていたの、見つけたのはメガだと言われたわ。
「ありがとうメガ。私の匂いをちゃんと覚えてくれてるのね。嬉しいわ」
気づけば、沢山の仲間の中心に私がいた。
ホームシックなどと言っていた自分が情けないわ。
私にはこんなに素敵な仲間達が居るんだもん。
「皆、ありがとう。私は今凄く幸せよ。本当の幸せを見つけた気がするわ」
その日、幸せの意味を改めて噛み締める事になり、皆に感謝する私、しかし、その夜、マルルから直接、私に謝りの伝言が届いたの。
「見送りがあるなんて、少し照れるわね?」
私の発言に複雑な笑みを浮かべる面々。
「お嬢様、あれは見送りではなく見張りです、お嬢様が無茶をしないか不安だったのでしょう」
「カミルはたまに感情で無茶しますからね?」
「否定できぬな、妾の知るカミルは常識をテーブルをひっくり返すように打ち砕くでなぁ、人間からしたら恐怖であろう?」
泣きたい、言いたい放題じゃない。
「酷くない? 私は普通の女の子なのよ!」
「それは……ないかと」
「それはないですね」
「それはないかのぉ」
3人が一斉に否定してきたわ。私のガラスのハートは粉々よ。
ふて腐れる私の態度に慌てる3人は謝ってきたけど、今日は赦してあげないんだから。
それより最近自分自身の性格や感覚が幼児かしてる気がする。説明しにくいけど、感情のコントロールが出来ない気がするの。
働き過ぎなのかな? 最近の私はマドラッドに行ったり、王様にあったりで忙しかったからなぁ……よし、決めた!
「今から私は自由行動を取るわ! 皆は馬車で帰ってね。私は少し別ルートで帰るわ」
私はメガに確りとライパン迄、向かうようにお願いするとデンキチとスカーを召喚する。
デンキチの肩に腹這いになるように乗るとデンキチが私の身体を優しく落ちないように押さえて走り出す。
スカーが先頭を走り警戒と道先の確認をしていく。
風を感じる……空を飛ぶ感覚とは違うけど、大地を駆け抜ける際に吹き付けるように抜けていく風はなんでこんなに気持ちがいいんだろう。
『カミル、大丈夫? 涙出てる』とデンキチの声に無意識に涙が頬を伝っていた事に気づかされた。
「デンキチ、ありがとうでも、心配しないで少し風で目にホコリが入ったの、もう大丈夫よ」
自分でも気づかない涙……考える事が多すぎるのね。
私はデンキチとスカーと共にベジルフレアの領域を駆け抜けていく。
緑の生い茂る森、綺麗な流れが保たれた川、全てが私の居た世界とは違う、そう私はホームシックになっていた。
今さらな気もするけど、電気の光りや賑やかな繁華街、しょっちゅう飲みに誘ってくる同僚に心配ばかりする後輩や、口うるさいけど最後は助けてくれる先輩、元の世界に居た頃は邪魔臭く、イライラするような事や嬉しくて笑えた事が次々に込み上げてくる。
「ねぇ、デンキチ……私は頑張れてるのかな?」
『カミルは凄い、デンキチはカミルが皆の為に頑張れてるのしってる!』
私の質問に確りと答えるデンキチ、前方から速度を落とし横に並ぶスカー。
『すまない盗み聞きをする気はなかったんだが話が聞こえた。主が無茶をする時は誰かの為に何かを成し遂げる時、少なくとも俺は主のその性格が好きだから今も一緒に歩んでいるんだ。自信を持てくれ』
ありがとうを言いたくなった……なんていい子達なんだろ。
私には勿体ないくらいの素敵な言葉を貰った気がする。
「ありがとう二人共、私は大丈夫よ。でも今は少しだけ、少しでいいから甘えさせて、いっぱい疲れちゃった」
私はいつの間にか眠りに着いていた。
どれ程の時間を寝たのかわからないが気づくと夕焼けに雲が照らされ空が鮮やかな赤に染まり、少し冷たい風が私の頬を撫でる。
「私、寝ちゃったんだ? いけない、早く戻らないと」
スカーのフカフカの毛が私を包み込んでいる状態で目覚める。
寝ぼけ眼を指で擦ると其処にはメルリの姿があり、その後ろにアララとペンネも立っている。
「起きましたか、お嬢様。勝手ながら帰りが遅いので捜させて頂きました」
私の身を心配したメルリ達が捜しに来てくれていたの、見つけたのはメガだと言われたわ。
「ありがとうメガ。私の匂いをちゃんと覚えてくれてるのね。嬉しいわ」
気づけば、沢山の仲間の中心に私がいた。
ホームシックなどと言っていた自分が情けないわ。
私にはこんなに素敵な仲間達が居るんだもん。
「皆、ありがとう。私は今凄く幸せよ。本当の幸せを見つけた気がするわ」
その日、幸せの意味を改めて噛み締める事になり、皆に感謝する私、しかし、その夜、マルルから直接、私に謝りの伝言が届いたの。
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