ガルダ戦記、欲しい世界は俺が作る!

夏カボチャ

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4章クーデルトルン崩壊・ザルバトランの決断

ザルバトラン侵攻作戦

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バルドリアの飛行戦艦は本国の命令により直ぐにバルドリア海軍の被害並びに生存者の救出に向かったのだ。

バルドリア飛行戦艦艦長のマゼル・パンキッシュはその被害報告及び生存者の数を見て驚いた、船艦は全て大破していたが乗組員の大多数が生存していたのだ!

「これはどういう事だ!あり得ないだろ!」

長きに渡り空軍に身を置くマゼルからしても異例だった。
12隻の艦隊が海に沈んだのならばその大多数は既に死んでいてもおかしくない、無論推測ではなくこれは事実だ。

バルドリア、クーデルトルン、ザルバトランの3国において、敵を見逃すなど有り得なかった、特に海軍においてはその戦闘技術や航海術など数多の理由から確実に止めを刺さすのが当たり前なのだ。

今回の戦闘は今までと違っていた。

バルドリア海兵をできる限り助けるようにガルダが指示をだしグレモンド達が海底に沈む前に殆どの乗組員を海面に上げたのだ、無論全ての乗組員を救えたわけではない、だがガルダ達はその亡骸も含め短時間で救えるものを全て救い船に余っていたボートを幾つか海面に下ろしたのだ。


マゼルは直ぐに生存者の名前の確認を行いその中の生存者数人に質問をした。

「救出したばかりですまないが、我々も異例の事態でなすまないが、協力して貰いたい」

各々を別々の部屋に案内すると死を覚悟していた海兵達は状況を理解できず混乱していた。

「申し訳ありませんが、質問を宜しいでしょうか!」
海兵の問に頷く

「ありがとうございます!我々には何か罪状がかけられているのでありますか?」

海兵の質問は妥当であった。
普通に考えれば、何らかの取り引きがあったと考えるのが一般的だ、ましてや海賊が海兵を助けるなどバルドリアでは聞いたこともなかった。

「君達海兵に今は罪となる罪状は掛かっていない、少なくとも本国に帰るまでの安全は保証しよう」

海兵達の回答に共通していたのは海賊がワザワザ海に潜り海兵達を救ったと言う事とボートと最低限の食料と水そして海水をろ過するマジックアイテムを施されていた事それだけでも驚きだったが、海兵達が口々に言っていたある存在にマゼルは危機感を覚えた。

「海賊達の指揮官は狼の獣人だった、その男が指示を出すと直ぐに俺達海兵を海賊達が救出にきた」

マゼルの中にそれほどの海賊の信頼を集めているものはナビカ・ライド・テナス以外に思い当たる物は居なかったが少なくともナビカは狼でも獣人でもない、新たな勢力が出来たと考えるのが妥当だろうと。

更に言えばその新勢力は黒船までも従える強力な物であり。
バルドリアに対して新たな恐怖になり得ると考えたのだ。

マゼルは急ぎ空軍に増援を要請し護衛艦と他輸送船5隻が海上に到着した。

それを確認しマゼルはもう1つの本国からの指令を実行した。
クーデルトルンへの軍事協力である。

本当ならば12隻がクーデルトルンに向かい協力する筈であったがこの以上事態にバルドリアも苦肉の策として飛行戦艦を向かわせる他に約束の期日までにクーデルトルンに辿り着ける部隊がいなかったのだ。

マゼルはそれから2日かけてクーデルトルンへと向かった。

そしてクーデルトルン海軍が崩壊したと言う噂がデマではないと確信した。

彼がみたクーデルトルンは既に緑の木々が生い茂る美しき国ではなかったのだ、森に水を運ぶアクアロードは町に向かい塞き止められ、森に生き生きとした感じはなく、水は工場から流される汚水がそのまま流されていく、国のろ過が機能していない事を表していた。

クーデルトルンの水をろ過していたのは王族であった、クーデルトルンの名を持つ一族はその土のスキルを使い水をろ過するのが役目であり、その為クーデルトルンは水を汚すことなく発展してきたのだ。

「これは酷い悪臭だな、森に流れる側の川に直接排水してやがるのか」

マゼルはその光景を更に上回る絶望的な光景に対面した。

町の広場に集められた屍の山であった。

「これは、なんと惨い事を」

マゼルがそう口を滑らせた時だった。

「国を変えるとはこう言う事なんですよ?少し残酷に見えるでしょうが?仕方のない犠牲はつきものだ」

そう言いながら現れたのは現国王を名乗るセルドレア・テルデであった。
その横には陸軍元帥の獣人、ジュラン・ノームの姿もあった。

「さあ、こんな所で立ち話もなんだ、我が王宮にて話を使用ではないか?マゼル中佐」

言われるがまま王宮に足を運び話を聞くとセルドレアは恐ろしい計画を口にしたのだ。

ザルバトラン侵攻作戦である。
クーデター後の内戦はセルドレア軍の圧倒的勝利で幕を遂げていたのだ、町の広場でみた屍の山は反乱軍の者達だと直ぐに理解できた。

ザルバトラン侵攻それを本国に伝え返答が来るまでに早くて4日そこから軍を動かすのであれば準備と到着した迄に10日前後掛かる、況してやザルバトラン侵攻等協力するか否かでバルドリアも即決は出来ないだろうとマゼルはハッキリと言ったのだ。

「あはは、確かにそうだろうな?だが!我々も遊び半分で同盟を結んでいるわけではない!バルドリアには正式に侵攻作戦協力を要請して昨日回答がきている、全面的協力とな!既に第一人が此方に向かっているはずだ」

「それでしたら来ませんよ、セルドレア国王」

その言葉に初めてセルドレアは苛立ちを露にした。

「どういう事かね?マゼル中佐、説明して貰おう」

マゼルは先日あった海賊とバルドリア海軍の衝突を話した。

「くそ、またしてもガルダか!忌々しい」

マゼルは初めてその名を知ることとなる、クーデルトルン海軍を壊滅させた人物がガルダである事実、更にザルバトランにて28隻の船団をたった2隻の増援を使い脱出させた言う嘘のような真実を耳にしたのだ。

セルドレアはガルダがザルバトランに協力をする事を恐れた
直ぐにでもザルバトラン侵攻作戦を実行したかったがバルドリア海軍の到着が遅れる事実が侵攻作戦に歯止めをかけたのだ。

それと同じくしてザルバトランからガルダ達を追う1隻の船の姿があった。

通常の3倍から4倍の速度で海を航行する通常ではあり得ない長細い形に両サイドに支えを付けた斬新なデザインのその船は一気にガルダ達の元を目指したのだ。

ガルダ達の連結船団の目視できる距離まで2日でたどり着いたのだ。

ガルダ達は海賊島から食料などを運び入れているとそれに気づいた見張りが直ぐに鐘をならした。

『ガルダさん!船が此方に向かってきます!』

『数は何隻だ!』

『見えるのは1隻です!』

ガルダ達は直ぐに積込を中断し戦闘できるように各自が装備を整える。

『ガルダさん!未確認船から手旗信号!話し合いを求むと来てます』

ガルダはそれに対し島の反対側に停止するように信号を送らせた。

島事態は小さな物であり移動に対して時間は掛からない。

それを了解し未確認船は島の反対側に待つガルダ達の元に姿を現したのだ。

船からボートが此方に向かってくる、どうやら、二人だけのようだ。

『お久しぶりですガルダさん』

ボートから降りてきたのはガルダの知る人物であった!

『なんでお前が?こんな所にいるんだ?』
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