のぞまぬ転生 暴国のパンドラ

夏カボチャ

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三層へ・・・3

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 迷いの森かもしれないと、気づいた瞬間、当たりを千里眼で確認する。

 しかし、道は間違いなく存在しているのがわかる。

  私はホーネットに空から、出口を確認させながら、自分の足で出口を目指そうと歩み出す。

 出口を目指してある程度進むと、目の前から道が突如消える。

 なんか変ね、やっぱり迷いの森みたいなものなのかしら、とりあえず"念話"でホーネットに確認しないと。

『ホーネット、 道はまだある? 私からだと、道が見えないの』

『ご主人様、道はありますよ? 一度下におりますか?』

『いいえ、道があるなら進むわ、そのまま上空に待機してて』

 ホーネットには、降りてこないように指示を出す。地上にいる私達には見えない道だなんて……

 私は一度、キングの元に戻る為、ホーネットに案内を頼み、無事に拠点に帰りついた。
 僅かな距離と思っていても、方角や位置を見失えば、命取りにだってなる。
 
 戻って直ぐに、道が見えなくなった事実や、空からは見える事実をキングに報告する。

 キングは話を聞くと、軽く悩むように頭を捻る、何かを思い出したこのように、私の渡したクッキーを一枚手に取り、綺麗な葉っぱをお皿のようにして、湖のそばに置いた。

 何をしてるのかしら?

 葉っぱに置かれたクッキーに、無数の光が集まり出していく。

 なんかホタルみたい、凄く綺麗ね。

「こいつらの悪戯イタズラだ。まさか、こんな所で妖精に会えるなんてな」

 何処か懐かしそうに微笑むキング、なんか普段より優しい表情だわ。

『ごちそうさま。おいしかった』
『うんうん、スゴくおいしかった』

 妖精達の声が直接頭の中に響く、なんか照れくさくなるほど、褒められてるなぁ。

「すまないが、森を抜けさせてくれないか? 俺達は森の向こうに用事があってな」

 キングは要点を素早く伝えると、妖精達は少し困った顔をする。

『行かせてあげたい』
『でも、ダメ』
『黒い砂漠はダメだよ』
『黒い砂漠には入れない』

 黒い砂漠に私達を行かせたくないと妖精達は言い続けていたの、そんなに黒い砂漠が危険って事なのかしら?

 キングは、かたくなに譲らない妖精達に、黒い砂漠の先に存在する神殿に行きたいのだと、分かりやすく説明してくれたの。

『黒い砂漠はダメだけど、試練の神殿ならいいよ』
『うんうん、神殿なら、繋げられるよ』
『でも、タダじゃ、ダメだよね? 』
『ね~、ダメだよ』

 試練の神殿? それが私の目指してる場所なのね。名前すら分からない場所に私は向かってたのね。まぁ、名前なんてあまり意味無いけどさ。

 そこからキングが交渉を開始する。

 妖精達は、話を聞きながら少し話し合うと、一人の妖精が湖の中に勢いよく飛び込んでいったの。

 いきなりの水飛沫に、びっくりしたわ。

『驚かせて、ごめんなさいね。私は湖に住む妖精の長、名をセーレと申します。御話は妖精達から聞かせていただきました』

 湖の長 セーレさんか、凄い綺麗な人なんだけど、水色の肌に銀色の長い髪って、なんか別の意味で反則だわ。
 凄い大人っぽいし、何より胸、勝てない、何よ……綺麗でデカいとか、見た目からチートキャラなんて、悲しい気持ちになるわ。

「おい、嬢ちゃん? 何一人でジタバタしてんだ、交渉の最中なんだからよ……しっかり頼むぞ」

「あ、ゴメン」

『ふふふ、仲がよろしいのね』セーレが微笑む。

『本題に入りますが、ある条件を受け入れて頂けるなら、試練の神殿までのゲートをこの湖から繋げて差し上げられます』

 セーレの条件は、三層のジャングルエリアを縄張りにしている大蛇だいじゃの始末と、岩場の谷を仕切るモンスターの討伐の二つだったわ。

 早い話が、厄介な強敵を始末して欲しいらしいのよね。
 ボスクラスのモンスターは復活まで時間が掛かるから、倒してしまえば、あとは何とかなるみたい。

 ただ、今回の素晴らしいポイントは、先に試練の神殿に私達を送ってから、依頼を達成していい点にあるわ。

 セーレは、試練の神殿をクリアしてくれた方が、実力が分かって安心らしいの。
 まぁ、いきなり行きました、倒せませんなんて、依頼側からしたら最悪のパターンだものね。

 条件がわかると、キングはそれをあっさりと受け入れると口にする。
 本来キングは、三層を手に入れようと考えているんだから当然の判断になるわ。

「こちらこも、一つ条件だ。裏切らない確約の為に、契約魔法を使い、妖精達が支配する湖のモンスター全てと、裏切らぬ同盟を結びたいのだ」

『私達が裏切ると? 疑っているのですか』

 少し機嫌そうなセーレの顔を見つめるキング。

「逆だ、俺は欲深いからな、他の奴らを喰らい尽くしたら、アンタらまで食べたくなるんだよ」

 まるで冗談を言うようにキングはそう口にする。

『ふふ、分かりました。此方もその方が安全みたいですしね』

 この瞬間、契約が成立する。
 私達は、試練の神殿へのゲートを手に入れたのである。
 それと同時に、三層のボス級モンスターの狩りもしないとならなくなったけどね。
 

 
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