のぞまぬ転生 暴国のパンドラ

夏カボチャ

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真実・・・2

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 まけないで……か、最初から味方なら、言いなさいよ……もっと仲良くなれたじゃないのよ。

 少しだけ、時間が欲しいわ、すぐだから。

『……わかったわ、でも数秒しかあげれないわよ?』

 構わないわ、あの子達は優秀だもの。

 『皆、今すぐに戻って……置いてけないから、従って……』

 この場での最後の念話になる。

『死なないよね? ご主人様』
『御館様……御意』
『分かりました、主様』

 即時の返答と同時に三人が私の元に集まる。

『"無限収納" 三人を収納するわ』

 私が三人に意識を集中すると、三人は無限収納へと姿を消す。

 なんて顔してるのよ、お別れじゃないのよ。

「ガハハ、諦めても楽には殺さんぞ。腕を切られた分も含めて八つ裂きにしてやるならなッ!」

 バカ貴族が声を荒らげるとオーク達がゆっくりと下卑た笑みを浮かべて近づいてくる。

 ギリギリ出せる掠れた声で私は言葉を口にする。

「不細工な面は見飽きたわ、ふふ……」

『時間よ、箱は必ず開いて、鍵は既にアナタが持っているから……』

 私の身体が輝き、地面に魔法陣が浮き上がる。

「なんだ! 畜生がァァッ! すぐに奴を殺せ!」

 オークウィザードと、オークソルジャー達が魔法と槍による攻撃を開始する。

 絶対に仕返ししてやるんだから……

 光に包まれた私に、一切の攻撃は通用しなかった。
 そのまま、光に吸い込まれると私は私の意識は一度途切れた。

 次に目覚めると、細い通路だった。目覚めると同時に魔法陣が足元から消えていく。

 その途端、意識を失いたくなる程の激痛が身体を駆け巡る。

 死ぬ程、痛いじゃない……宝箱なんかより、回復薬が欲しいわね。

 悩んでる時間も体力も無いわ……

 "異世界料理人"を発動しようか迷ったが、私は発動を断念する。
 魔力がどれ程残っているか分からない今の状況で魔力切れを起こせば、本当の終わりだからだ。

 私は道なりに通路を進む。

 まだ、遠いいけど、確実にオーク達は私を探して此方に向かってるはずだ。

 今までもそうだけど、あの貴族のオークには私が何処にいるか分かる特殊な力があるのだと直感している。

 通路の終わりまで、這いずるように私は辿り着く、古ぼけたボロい扉があり、痛む傷口を抑えながら、無理やり開く。

 未だに死んでいないのは、"10までの加護"が働いているからだろう、普通は死んでるよ……マジに。

 扉の先には、汚い宝箱があり、私は苦笑する。

 これの為に、私は、私達は命を掛けてたの……笑えない冗談だわ。

 そんな私の背後からは、数十人の足音が迫っていた。

「血だ! この先に逃げた女がいるぞ」

 オークの声が聞こえる。早いわね……

 最後の力を振り絞り、宝箱に手をかける。

 その瞬間、私の目の前には有り得ない光景が拡がっていた。

 宝箱が勝手に開き、巨大な口と無数の牙が私を出迎えたのだ。

「う……ろ……れ、しょ……」

 そのまま、私は宝箱に丸呑みにされた。

〘マスターとのリンクを確認。同期します〙

〘 対象、レジェンダリー級、唯一の為、  転生を諦め侵食を開始〙

〘同期完了。侵食率100% 精神ダウンロード良好。精神ダウンロード100%〙

〘マスター(名無し)がレジェンダリー級モンスターへの転移を完了〙

〘女神から、名前を授かりました。マスター(名無し)が女神より(パンドラ)と命名、以後、個体名をパンドラに固定します〙

 頭がズキズキするわ……

〘御目覚めですか、マスター〙

 ん? サポートさんよね? なんか口調が変だわ。

〘マスター、自身への鑑定を推奨します〙

 敵が迫ってるのに? よく分からないけど、鑑定発動。

 ・ 個体名(パンドラ)
 ・性別 不明
 ・カオスボックス(ミミック種)
 ・職業 モンスターテイマー サモンマスター
 ・耐性 全属性耐性MAX
 ・スキル 

 耐性スキル

 ・"苦痛耐性"MAX ・"毒耐性"MAX
 ・"恐怖耐性"MAX ・"麻痺耐性"MAX  
 ・"悪臭耐性"MAX ・"精神異常耐性"MAX
 ・"睡眠耐性"MAX ・"打撃耐性"MAX
 ・"電撃耐性"MAX ・"凍り耐性"MAX
 ・"炎耐性"MAX ・"魔術耐性"MAX

 攻撃スキル

 ・"無刀斬撃"
 ・"風の牙"
 ・"火玉ファイアーボール"
 ・"水弾アクアショット"
 ・"吸収ドレイン"
 ・"毒球ポイズンショット"
 ・"猛毒の霧ベノムミスト"
 ・"鎖の鞭チェーンウィップ"

 補助スキル

 ・"鑑定"MAX
 ・"探知"MAX
 ・"地図作成マッピング"MAX
 ・"自動回復"MAX
 ・"疲労回復"MAX
 ・"身体強化"MAX
 ・"魔力回復"MAX
 ・"危険察知"MAX 
 ・"超再生"MAX

 神様からの加護

  ・"記憶する者"
  ・"神に愛されし者"
  ・"スキルボックス"
  ・"10までの加護"
  ・"自動翻訳"
  ・"魔力増大"
  ・"絶対作成者"
  ・"水中呼吸"
  ・"異世界料理人"
  ・"千里眼"
  ・"絶対超音感"
  ・"スキル隠蔽いんぺい"
  ・"悪食"
  ・"絶対消化"
  ・"吸収強化"
  ・"錬金術を極めし者"
  ・"召喚師を極めし者"
  ・"テイマーを極めし者"
  ・"スキルマスター"
 ・"意思疎通強化"
 ・"無限収納"
 ・魔封じ
 影スキル

 ・"影の刃"
 ・"影移動"
 ・"影操作"
 ・"影遊戯かげゆうぎ"
 ・"影喰かげぐい"
 ・"影縫いかげぬい"
 ・"影浮遊"

 ・説明
 女神パンドーラの力を与えられた存在、外の神が与えた世界の混沌であり、人族の不幸と、魔物の幸福を生み出す異形なる物。

 鑑定結果が酷いわね……

 人間辞めてるし、しかも知らないスキルまで、"超再生"って、もう、何も言わないけど……

〘サポートより、報告。鑑定中に目を瞑れば、自身の全身が確認できます〙

  全身の確認か、姿が見れるのね。

 慌てて目を瞑る。

 全身は膝から下が宝箱になっているが、そこから上は人間と変わらない。肌は紫で、髪は長めの薄紫、瞳は翠玉エメラルドのような綺麗な緑色をしている。

 って! 裸じゃないのよ。

 直ぐに、その場にあった長い布を上半身から膝に向けて巻き付ける。

 サポートさん、敵の位置は分かるかしら?

〘敵、オーク隊、到着まで二分、数30、後方から更に80のオーク接近中〙

 かなり多いわね。でも、復讐よ!

 あと、後で女神に色々きかないとね。

 そして、オーク達が私の居る部屋になだれ込むように侵入してくる。
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