のぞまぬ転生 暴国のパンドラ

夏カボチャ

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地下水路とダンジョン・・・1

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 私の顔は、微かな笑みを浮かべる。

 そして、その瞬間がやってくる。
 エルドの部下達にキング達が攻撃を開始する。

 最後尾を歩く敵兵に対して、曲がり角や、通路の別ルートの入口付近などでキングの部下である上位ゴブリン達が次々に敵兵を引きずり込んでいく。

 やり方はシンプルだ、ゴブリン達は、睡眠草というダンジョン内部に咲いている植物から絞り出した液体を染み込ませた布を利用している。
 モンスターには余り効果は無いが、人間には、それなりに効果があるのは鑑定からも明らかだ。

 エルドの部下達は、一瞬で意識を失い、私達に殺された事実すら気づかないまま、命を散らす。

 本当に、人間は脆いわね……可哀想にすら感じるわ。

 次々に影を通して、ゴブリン達が次の通路へと移動する。

 これは私の力による物だ。以前に使用した"擬人化"で仲間に受信させる方法が上手くいった事から、私は次にスキルを渡して、私の許可があれば使えるようにしてみたの。

 許可がなければ、発動出来ないけど、許可が解除されるまでなら、何度も発動ができる。
 魔力は私から、使用される仕組みにしているから、魔力の少ないゴブリンでも問題ないのだ。
 更に言えば、"影"の力は本来は魔力を使わない、つまり私から受信して発動された "影操作" などは、私と繋がってる扱いなので、誰が使っても使い放題になるのである。

 恐ろしいくらいに、ゴブリンと相性がよく、不意打ちや、人攫いなど、なんにでも使えるわ。

 しかし、水路に待機しているのは、キングの部隊だけではない。

 我慢の限界が近い事は理解していた。
 限界まで良く我慢したと褒めてあげたくなる。地上に繋がる数ヶ所の通路には、上位ゴブリン達が各10体程で待機している。

 地下水路からも、地上からも侵入者を通すことは無いだろう。

 全ての準備が整った私はラクネやホーネット、私の装備に変化しているクイーン達に、戦闘開始の指示を出す。

 指示を待っていたと言わんばかりに、ラクネが、影から飛び出すと、エルドの部下達が作る隊列の真中に、魔力を纏わせた赤黒いオーラを放つ拳を叩き込む。

 それを合図に前方から、ジャバが大蛇になり襲い掛かり、ホーネットの虫達が、兵士の体内から喰らい出し体を突き破る。

 クイーンは、エルドを生け捕りにする、十字架に貼り付けられたように、両手を伸ばし、身動きが取れない状態にされるエルド。

 そして、エルドが絶叫をあげる。よく見れば、両手の指先から煙が上がっており、ゆっくりと強酸でエルドの肉が溶かされているのが理解できる。

 えげつないなぁ、あれは痛いわね。

 最後までエルドを溶かし終わるとクイーンは、本来の姿に戻る。

「本当に不快な奴です。主様にあのような口の聞き方しやがってですよ。もっと苦しめてやればよかったです」

 クイーンの怒りが全身から溢れ出すように見えるが、私は軽く宥めると、クイーンにエルドに化けられるかを質問する。

「出来るです。あの馬鹿人間になればいいんですね」と、直ぐに姿を変える。

 それから、ゴブリン達にケストア王国騎士団の鎧を剥ぎ取らせて、それを装備させる。

 チャルドと軽く遊ぶ為にわざわざ、ここまでやる私は、少し性格が悪いかもしれないわね。

 でも感動的なクライマックスって憧れるじゃない。そんな場面を作り出したいのよね。

 私は準備を数分で整えさせると、クイーンが化けたエルドと、ゴブリンが成りすましたケストア王国騎士団に隊列を組ませ、歩き出す。

 チャルドは、エルドと言う、甥っ子が居たから、あえて地下に移動したのだろう、地上だと、他のケストア王国騎士団に捕まる可能性があるが、エルドならば、捕まえるのではなく、逃亡の手助けをするからだ。

 この世界ならば、逃げてから、権力を振りかざし復活など、容易いのだろう。
 小賢しいと言うか、なんと言うか、まあ、計画はおじゃんだけどね。

 エルド指揮の中隊は、全滅して、私達を怒らせてしまったチャルドは、本当に不幸だわ。

 私達は水路を奥へ奥へと進んでいく。

 先の通路には、チャルドの部下が配置されており、私達はエルドの中隊として、歓迎される

「お待ちしてました。エルド様、チャルドギルドマスターがお待ちです」

 顔も姿も変わらないのだから、一度でもエルドを見たことがある者なら、疑う事はないだろう。

 私達が案内された先には、巨大なトンネルがあり、その先に、薄紫と赤色が混ざりあったような不思議な光が内部から盛れだしており、色合いが不気味にトンネル内を照らし出す。
 例えるならば、巨大な口にすら見える。

 その先には、小さな村だろうか、廃村のようになった薄気味悪い小さな家が並ぶ巨大な空間が存在している。

 流石の私もびっくりしたわ、でも、直ぐに私はダンジョン内部に既に入ってしまったのだと気づく。

 私とした事が、やらかしたなぁ、まぁ元々調べるつもりだったからいいげどね。

「おお! エルドよ。よく助けに来てくれたな。地上の馬鹿どものせいで、本当に、持つべきは有能な血族よな、ガハハハハ!」

 馬鹿みたいに喜んでるチャルドの姿に、変装も馬鹿馬鹿しく感じる出来たので、私は計画を実行する。

「遊びは終わりよ。今からは、ゴミ掃除と、お仕置きタイムよ、ふふっ」


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