のぞまぬ転生 暴国のパンドラ

夏カボチャ

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ダンジョンマスター・・・1

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 四層目へと歩みを進める私達、既に敵になるようなモンスターは存在しない。

 私を含めて皆が"ゴーストバスター"のスキルにより、このダンジョン内部のゴーストタイプや、物理攻撃が効かないはずの特殊モンスターを容赦なく叩き切れるからだ。

 四層に入り直ぐに出迎えてくれたのは、ゴーレム達だった。

 入口から、巨大なゴーレムが出現して、攻撃を開始する。

 巨大ゴーレムが一体、他に中型のゴーレムが八体と言う、手厚い出迎えをされる。

 八体の中型ゴーレムに対して、ガスト、ラクネの二名が即座に動き出す。

 ガストは、鎧の備え付け武器である戦鎚を握り、攻撃を開始する。

 中型ゴーレムを相手に臆する事無く、足を破壊してバランスを崩させ、心臓部分を破壊する。

 しかし、中型ゴーレム達が次々に合体していくと、巨大ゴーレムと同じサイズに変化する。

 二体の巨大ゴーレムがその拳を力任せに放っていく。

「デカいわね? まぁガマ爺程じゃないけどね。よっと!」

 軽々とゴーレムの放つ、巨大な拳を交わしていく。
 ゴーレムの放つ一撃がどれ程、強力かは、地面に出来た窪みを見れば誰にでも理解できるだろう。

「岩の地面を割るとか、ゴーレムってば、凄いじゃない! 欲しいわね」

 ゴーレムってばロマンの塊じゃないのよ!

「何を考えているかと思えば、とにかく、砕く!」

 キングは悩まず、振り下ろされたゴーレムの腕を自身の戦斧を叩き付け破壊する。

 ゴーレムも、慌てる素振りを見せるが直ぐに、砕けた腕が再生し、元通りになっていく。

「おぉぉぉ! やっぱりコアがあるのかしら、素晴らしいわね、自己再生だなんて」

 私の言葉にキングが睨んでくる。

「感心してる場合かよ! 嬢ちゃん、コアの場所は分からないのか!」

「ゴーレムには、3パターンあるわ。
 1つ目は文字を使った刻み式。
 2つ目は内部にコアが存在するパターン。
 3つ目は術者が居て、操るパターン。
 この3つぐらいよ」

 その言葉に、キングが全身の力を片腕に集中させる。

「つまり、全身をバラバラにして、コアか文字がなければ、術者がいるって訳だな!」

 キングの言葉に、ラクネも全身の力を片腕に込める。

「分かりやすいですね! ならば、すべてを塵にしてみせます!」

「はあぁぁッ! くらいやがれッ!」 
「御館様の前です、跪きなさいッ!」

 二人が、ほぼ同時に巨大ゴーレムに対して、強力な一撃をぶちかます。

 その一撃は、ゴーレムの心臓部分から亀裂を作り出し、亀裂が全身に到達すると同時に砕け出す。

「ガスト、ホーネット! 今よコアを狙いなさい!」

 更に、片方のゴーレムの砕けた破片の中からガストが光り輝くビー玉サイズの宝玉を戦鎚で壁に向けて叩きつける。

 もう片方のゴーレムの破片からはホーネットが、同じように輝く宝玉を軽々と握り、空中高く飛んでいく。

「パンドラ様。言われた物は、弾き飛ばしました」

「ご主人様~ボクも手に入れちゃったよ! 偉いでしょ!」

 無事にゴーレムコアを体から取り出し、魔力の流れを遮断する。

 本来ならば、コアを破壊するのだが、こんな面白い物壊せないわ!

 私は新しい玩具を手に入れた子供のようにニヤニヤしてながら、次々にゴーレム達を破壊しては、ゴーレムコアを回収していく。

 階層主の部屋に辿り着くまでに数十体のゴーレムコアを手に入れる事に成功した。

 何体かは、砕いてしまったが、十分過ぎる結果に大満足だわ。

 この階層の主なら、もっと凄いゴーレムなのだろうと私は胸を弾ませながら、扉を開く。

 扉の先には、無駄に広い空間が広がっており、その中央で、ローブを深々と被り、玉座のような物々しい椅子に腰掛ける者の姿があった。

 明らかに敵である事から、私は油断や余裕といった不要な考えを捨てる。

「"影移動" "影縫いかげぬい" "影浮遊"発動ッ!」

 一瞬で距離を詰め、さらに身動きを封じてから、声すら出せないようにする。

「あら? 意外にアッサリ捕まったわね? 逃げられてもいいように、色々考えてたけど」

 私の言葉に反応して、怒りを目で訴えるローブに私は優しく微笑む。

「生意気な目はやめなさい? 本気で潰すわよ」

  分かりやすく言えば、皆のように片手に魔力を込める。
 次元が歪む程の禍々しい魔力は、触れられるだけで、普通のモンスターなら消滅してしまう程に濃い濃度となっている。

 とりあえず、大人しくなったので、ローブを剥ぎ取る。

 ローブの、下からは可愛らしい顔と幼い雰囲気の残る少女が姿を現す。

「女の子だったの! 男だと思ってやりすぎちゃったわね……あはは、まぁしょうがないか!」

 私は何も無かったかのように振る舞うと、一旦、話を聞く為にローブガールの口を自由に使えるようにする。

 まぁ文句の嵐に罵詈雑言だろうと覚悟はしていた。

「貴女様が魔王クラスの方だなんて、知らなかったんです、ずみませんでした、お願いします……殺さないで下さい……」

 あらま、いきなり泣かせてしまったわね……



 
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