のぞまぬ転生 暴国のパンドラ

夏カボチャ

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ダンジョンマスター・・・3

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 ロアルは、自身の肉体に向かってくる激しい一撃を正面から受け止める。

 私を含め、その場にいた全員がロアルの消滅を感じただろう。

 しかし、ロアルに私の魔力がぶつかった瞬間、攻撃の一部が私に反射される。

「わっと、危ないわね!」

 自分自身の魔力であり、相殺する事は容易かったが、私は自身の目を疑う。

「はぁ、はぁ……我輩は……負けぬ、我輩の《アイアン・ボディ》は、全ての魔法を防ぐのだぁ……しかし、勝利出来ぬか、無念……」

 その場に立ったまま、ロアルが意識を失う。

 凄いわね、あの一撃を耐えたっていうの、本当に馬鹿みたいに面白すぎだわ。

「キング! ソイツは面白いわ。捕まえといてね。私はダンジョンコアに向かうわ」

「分かった。しかし、アレを耐えるとは、肉体、肉体とうるさかったが、考えを改めよう」

 意外に似た者同士になるかもしれないわね。

 私は軽く笑みを浮かべると、キングにその場を任せ、最終階層、階層主エリアの奥にある扉に向かう。

 扉に手を賭ける。

 私の手から扉が魔力を吸い取るのを感じる。
 一瞬、慌てたが次の瞬間、古ぼけていた扉が突然、立派で強固な物に姿を変える、そして自然と鍵が"ガチャ"っと開くような小さな音がなり、僅かに扉が開く。

 まさに、新たな時代の幕開けと言えるかな、なんてね。

 扉の先には、木々に覆われた小さな部屋があり、中央には湧き水が湧き出しており、小さな水場が出来ている。
 中心の水場には、綺麗な薄緑色の六角型の水晶が浮かんでおり、美しい輝きが水面を更に彩っている。

「綺麗じゃないの、先ずはコアね」

 最初の一歩を踏み出し、室内に入る。

 その後ろから、ラクネ達が続こうとするが、入口を通れずに弾かれた。

「なあ! 御館様」

 ラクネの声に、直ぐに言いたいことを察する。

「そこで待ってなさい。分かりやすいわね。ド・ロアル・デスを倒した者だけが入れるのかしら? 本当に不思議ね? どんな仕組みなのかしら」

 私は軽く思考しながら、水場の中心に向けて手を伸ばす。

 水晶が輝きだすと、木々に光が反射して室内全体を照らす。

 照らされた室内には、無数の宝箱が木々で作られた棚には宝箱が並んでいる。

『ダンジョンを制覇せし者よ……好きな宝箱を選びなさい。室内にある物ならば、なんでも、一つ差し上げましょう』

 在り来りで、有り難いセリフ、つまりお約束ってやつね。

「確認よ、部屋にある物なら、なんでもいいのね?」

『構いません、この部屋にある物ならば、なんでも、一つ差し上げましょう。
 ただし、扱えるかは、保証しませんが』

 意味深な言い方ね?

「一度、鑑定を使わせて貰うわ」

『構いません、ゆっくりと選んでください』

 幾つかの宝箱を鑑定してみる。

 ・名前 焔のレイピア
 ・性別 炎
 ・種族 エピック級
 ・職業 武器【レイピア】
 ・耐性 炎耐性 
 ・スキル 固有スキル《灼熱のワルツ》
 ・説明 エピック級のレイピア。 固有スキル《灼熱のワルツ》を使用者は任意で発動できる。
 《灼熱のワルツ》は、使用者の半径五メートルから百メートルの間で灼熱の炎を生み出し、相手を焼き尽くす。※炎の範囲は使用者の魔力により変化する。

 一つ目の鑑定はエピック級だった。
 しかし、他の宝箱はレアやコモンもあり、鑑定が無ければ、レアリティはわからないので、運試しになる。

 鑑定が出来る者はそんなに多くないだろう。出来たとしても、多額な資金がかかる為、やはり運試しと言う他ない。

「茶番はここまでよ。私が望むのは、ダンジョンコアよ」

『……はい? いきなりですね。それは無理です。ダンジョンコアを持ち帰るなど、人にも魔物にも不可能です。コアを持ち帰ろうとすれば、身を滅ぼしますよ』

「あっそ、まぁ貰うけどね、忠告ありがとうね」

  私は水晶に迷わず触れる。

 水晶から激しい拒否反応が起き始め、激しい輝きを放ち出す。

『やめなさい! 離しなさい! 死にたいのですか!』

 慌てたように声が響く。

「死ぬ気はないわよ! とにかく、力技でいくわ。少し痛いわよ!」

 私は水晶に自身の魔力を勢いよく流し込む。
 魔力が流し込まれると水晶の色が次第に変化していき、輝きが僅かに淀み、その後、激しい輝きと共に紫色に染まっていく。

「約束通り【屍人の楽園】は貰っていかきわよ」

『新たな主を受け入れます。ようこそ、新たなる偉大なる御方、マイマスター』

 その瞬間、私は【屍人の楽園】を手に入れ、ダンジョンマスターとなる。

 少し残念だったのは、宝箱は私がマスターになった瞬間に風化してしまった事だ。

 どうやら、ダンジョンの戦利品は通常エリアは消えないが、最終階層に関しては例外らしい。

 とりあえず、私は皆にダンジョンコアを手に入れた事実を伝える。

 私は、ガスト、ホーネット、ラクネに頼み、最終階層に他の階層主達を集めさせる。

 階層主達は、拒否する事無く、私の待つ最終階層に集められる。

 一層、ヘルリーパー
 二層、女ゴースト(名前無し)
 三層、巨大な霧のモンスター(名前無し)
 四層、ゴーレム使いのアルケ
 五層、ド・ロアル・デス

 因みに三層の霧のボスは、最初抵抗していたみたいだけど、私の存在をチラつかせたら、大人しくなったらしい。

「アンタ達、改めて、私はパンドラよ。今から私がこのダンジョン【屍人の楽園】のマスターになったわ。アナタ達は、今日から私の部下よ」

 一瞬のざわめきが起こる。しかし、すぐにロアルが前に出る。

「うむ。我輩は従おう! パンドラ様と呼ぶべきか、マスターと、呼ぶべきか、悩みますが」

「判断が早くて助かるわ。ロアル、これから、よろしく頼むわね」

 それから、次にヘルリーパーと、アルケが私に頭を下げる。

 最後まで悩んでいたのは、女ゴーストと霧のボスである。

 女ゴーストの名は、私がレイコと名付ける事にした。
 そして、霧のボスはミストと決めた。

 反抗的なミストは、その場でラクネにより、教育的暴力により、素直になり、レイコはそれを見た後に……

「アナタも、教育とかいる?」

「いえ、従います。マイマスター」

 素直になってくれて、無事に話し合いが終わったわ。

 それから直ぐに、地下水路の外に待たせていたクイーン達と合流する。

 セイナ達は、私がダンジョンマスターになった辺りから、容態が落ち着いたらしいわ。

 その事実に私はホッと胸を撫で下ろす。

『はあい、女神様の有り難い、情報サービスの時間よ。今回はお疲れ様ね。バブちゃんの為にダンジョンコアの合成の仕方を教えてあげるわよ』

『いきなりすぎるのよ! びっくりしたわ、でも、本当にダンジョンを合わせたりできるの?』

『できるわよ。その為に来たんだから、まぁ指示に従って頂戴ね』

 そこから、説明が始まる。

 ダンジョンコアの融合には元になるダンジョンを先ず決める。
 重ねる側のモンスターは、消滅する場合がある事実を教えてもらう。

 やり方は、ダンジョンコアに魔力を流し込み、更に二つの魔力を重ねるイメージを行い、ダンジョンコアをゆっくりと重ね合わせ、一つのコアにした後、再度、ダンジョンコアを満たすように魔力を流し込まないとならない。

私は、ダンジョン内部の全てのモンスターを一度、"無限収納"に入ってもらう。

 今からダンジョンとダンジョンを重ね合わせる為だ。

 私のダンジョンに融合する訳だから、【毒王の庭・ポイズンガーデン】事態には問題は起こらない。

 しかし、新しく追加される側の【屍人の楽園】は次元を歪めて合成するからだ。

 二つのダンジョンコアを取り出し、私の魔力を両方に流し込み。

 両方のコアが共鳴し始めると、二つのダンジョンコアがゆっくりと重なりあう。

 全てが終わると、二つのダンジョンコアは一つの水晶に姿を変える。

「疲れた、少し、眠いわ……」

 私は静かに睡魔に襲われた。
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