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黒狼団とノリスファミリー・・・2
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クロミは、軽くロアルに視線を向けるとロアルはそれに対して頷く。
クロミは無言のままに軽く口元を動かすと、 "影縫い"を発動させる。
視界に入る者達全ての動きが止まった瞬間、ガストが防壁から地上に向けて飛び降りる。
巨大なオークジェネラル級の扱う全身鎧を体とするガストは、何事も無かったかのように立ち上がる。
その姿に黒狼団の団員達は驚愕する。
「踊れッ!"鎧達の悪夢"」
ガストの叫びと同時に "影縫い"で動けない筈の黒狼団の者達は自分の意志とは関係なく鎧や防具が動き出す感覚を肌に感じて恐怖する。
「な、なんなんだ! 体が、体が動かないのに、腕が痛ぇ、いてえ!」
体は "影縫い"で固定されたまま、無理矢理、体を鎧が動かそうとする事で、黒狼団の団員達の骨が軋み、更に肩は外れ、足首から首、肋骨に至るまで全てがボキボキと音を鳴らして砕けていく。
それを目の当たりにしても、逃げる事すら許されない状況に黒狼団、団長であるファングは、絶望を露にしていた。
そして、更に絶望させたのは、ガストの甲冑の内部から植物のような蔓が巻き付き、次第に広がると人でない事を理解させる程に美しい緑の肌をした少女が姿を現す。
「パパ、私もやりたい!」
「マリア、復活したばかりなんだから、今日は見学だけにしなさい」
「え~つまんないよ」
戦場に似つかわしくない、言うなれば、まるで家庭で話すような日常の会話が行われる、それが更に黒狼団を不気味な気分にさせただろう。
「パパ、私はパパとパンドラちゃんの為に頑張るの!」
ガストが、仕方ないと言わんばかりに、頷いてみせると、マリアは喜んで笑みを浮かべる。
「植物は皆、いい子なんだよ。"即受" "怪花" さぁ、暴れなさい!」
マリアは全身から、花粉を飛ばすと周囲の植物がざわめきだし、マリアのスキルである"怪花"により、木々も花も植物型のモンスターに変化する。
防壁から、その光景を目の当たりにしていたノリスファミリーは、驚愕する。
「ロアル叔父貴、こいつァ、マジですか」
「見ての通りだな。我輩達は、主であるパンドラ様の為に強くあるのである。敗北などあってはならないのである」
「いや、叔父貴、そういう意味じゃねぇんですが、ありゃあ、人じゃないですよね? 肌が緑ですし、ガストさんの体内から出てきやしたし」
ロアルは軽く悩むように首を傾げる。
「気にするな。あれはガスト殿の娘である。色々と生きておると不思議な事も起こるものなのだと知るがよい」
「はあ、分かりやした」
ノリスJr.は、その瞬間にある出来事を思い出していた。
それは防壁が突如として現れ、工業都市ジランゴの街にデュバルの使いを名乗るパンドラとクイーン達が姿を現した頃に遡る。
最初こそ、頭・ノリスは、街の権利の譲渡など微塵も考えていなかった。
むしろ、先制攻撃すら考えていたのだ。
実際に姿を現したのは、無邪気に笑みを浮かべるホーネットと監視役を名乗るクイーンのみであった。
別室で待機していたノリスJr.やノリスファミリーの一員達は2人の姿に拍子抜けしたのをノリスJr.もよく覚えていた。
しかし、直接、2人と会話した頭・ノリスは違う印象を後に語る。
本来なら、合図があれば、ノリスファミリー総動員で2人を拘束するか、見せしめにする筈であったが、合図はなく、ノリスJr.は、何故、合図がなかったのかを後に質問する。
「Jr.よ、あれは、バケモンだぞ……あれと揉めるくらいなら、王国に喧嘩売る方がまだ、マシにすら感じちまうぜ」
「オヤジ、 何を言ってるんだよ?気でも狂ったんか、あんなチビとメイドになんでびびってんだ」
「それがな、"危険予知"が今まで感じたこと無いくらいに反応したんだ。奴らもヤバいが、アイツ等の親玉は更にヤバい、お前達が反対しても、ジランゴの権利は奴らに渡すぞ」
「オヤジ! 本気か!」
「当たり前だ。俺達は、プライドやメンツで生きちゃいるが、そいつに街の連中全部の命は、博打過ぎる……分かってくれ」
その後は、ノリスファミリーはジランゴの権利を譲渡する事で、ガレルに吸収される事となる。
ノリスJr.は、当時の頭・ノリスが何故、戦わずに済ませる道を選んだのかを理解するように、サングラスを外して、真っ直ぐに戦闘を直視していた。
「圧倒的すぎるんですよ……敵の兵隊さんが、植物に食われてく……有り得ねぇでしょうが……」
マリアの放った花粉だけで、植物すら強力なモンスターに変化させる戦い方に、ノリスJr.は、唾をゴクリっと飲み込んだ。
「少し選択が違ってたら、死を招く……ですかい、本当に頭の言葉に従って正解でさぁ」
しかし、黒狼団の団長であるファングは、そのまま終わる事を許さなかった。
「ざけやがってッ! 許さねぇ、許さねぇ! スキル"狂獣強化"」
ファングのスキル、"狂獣強化"が発動されると、体が巨大化して全身が黒い毛皮に覆われていく。
顔は狼の様に変化し、牙は鋭く生え変わり、指先からは長い爪が刃の様に伸びていく。
「ガハハハハッ! ふざけやがって、テメェ等は絶対に許さねぇ!」
狂獣化したファングは "影縫い"を発動していた地面に対して、巨大な尻尾を勢いよく叩きつける。
砂煙が舞い上がり、黒狼団の影が解放される。
「野郎共ッ! 今から反撃だッ! 敵を逃がすな! 女、子供関係無く、ぶち殺すぞッ!」
「団長に続けぇッ! 行くぞッ!」
「おおぉぉぉぉぉぉぉッ!」
「団長がいたら負けなんか有り得ねえ!」
勢いを取り戻した黒狼団は団長ファングに続いて、ガレル防壁へと再度攻撃を開始する。
クロミは無言のままに軽く口元を動かすと、 "影縫い"を発動させる。
視界に入る者達全ての動きが止まった瞬間、ガストが防壁から地上に向けて飛び降りる。
巨大なオークジェネラル級の扱う全身鎧を体とするガストは、何事も無かったかのように立ち上がる。
その姿に黒狼団の団員達は驚愕する。
「踊れッ!"鎧達の悪夢"」
ガストの叫びと同時に "影縫い"で動けない筈の黒狼団の者達は自分の意志とは関係なく鎧や防具が動き出す感覚を肌に感じて恐怖する。
「な、なんなんだ! 体が、体が動かないのに、腕が痛ぇ、いてえ!」
体は "影縫い"で固定されたまま、無理矢理、体を鎧が動かそうとする事で、黒狼団の団員達の骨が軋み、更に肩は外れ、足首から首、肋骨に至るまで全てがボキボキと音を鳴らして砕けていく。
それを目の当たりにしても、逃げる事すら許されない状況に黒狼団、団長であるファングは、絶望を露にしていた。
そして、更に絶望させたのは、ガストの甲冑の内部から植物のような蔓が巻き付き、次第に広がると人でない事を理解させる程に美しい緑の肌をした少女が姿を現す。
「パパ、私もやりたい!」
「マリア、復活したばかりなんだから、今日は見学だけにしなさい」
「え~つまんないよ」
戦場に似つかわしくない、言うなれば、まるで家庭で話すような日常の会話が行われる、それが更に黒狼団を不気味な気分にさせただろう。
「パパ、私はパパとパンドラちゃんの為に頑張るの!」
ガストが、仕方ないと言わんばかりに、頷いてみせると、マリアは喜んで笑みを浮かべる。
「植物は皆、いい子なんだよ。"即受" "怪花" さぁ、暴れなさい!」
マリアは全身から、花粉を飛ばすと周囲の植物がざわめきだし、マリアのスキルである"怪花"により、木々も花も植物型のモンスターに変化する。
防壁から、その光景を目の当たりにしていたノリスファミリーは、驚愕する。
「ロアル叔父貴、こいつァ、マジですか」
「見ての通りだな。我輩達は、主であるパンドラ様の為に強くあるのである。敗北などあってはならないのである」
「いや、叔父貴、そういう意味じゃねぇんですが、ありゃあ、人じゃないですよね? 肌が緑ですし、ガストさんの体内から出てきやしたし」
ロアルは軽く悩むように首を傾げる。
「気にするな。あれはガスト殿の娘である。色々と生きておると不思議な事も起こるものなのだと知るがよい」
「はあ、分かりやした」
ノリスJr.は、その瞬間にある出来事を思い出していた。
それは防壁が突如として現れ、工業都市ジランゴの街にデュバルの使いを名乗るパンドラとクイーン達が姿を現した頃に遡る。
最初こそ、頭・ノリスは、街の権利の譲渡など微塵も考えていなかった。
むしろ、先制攻撃すら考えていたのだ。
実際に姿を現したのは、無邪気に笑みを浮かべるホーネットと監視役を名乗るクイーンのみであった。
別室で待機していたノリスJr.やノリスファミリーの一員達は2人の姿に拍子抜けしたのをノリスJr.もよく覚えていた。
しかし、直接、2人と会話した頭・ノリスは違う印象を後に語る。
本来なら、合図があれば、ノリスファミリー総動員で2人を拘束するか、見せしめにする筈であったが、合図はなく、ノリスJr.は、何故、合図がなかったのかを後に質問する。
「Jr.よ、あれは、バケモンだぞ……あれと揉めるくらいなら、王国に喧嘩売る方がまだ、マシにすら感じちまうぜ」
「オヤジ、 何を言ってるんだよ?気でも狂ったんか、あんなチビとメイドになんでびびってんだ」
「それがな、"危険予知"が今まで感じたこと無いくらいに反応したんだ。奴らもヤバいが、アイツ等の親玉は更にヤバい、お前達が反対しても、ジランゴの権利は奴らに渡すぞ」
「オヤジ! 本気か!」
「当たり前だ。俺達は、プライドやメンツで生きちゃいるが、そいつに街の連中全部の命は、博打過ぎる……分かってくれ」
その後は、ノリスファミリーはジランゴの権利を譲渡する事で、ガレルに吸収される事となる。
ノリスJr.は、当時の頭・ノリスが何故、戦わずに済ませる道を選んだのかを理解するように、サングラスを外して、真っ直ぐに戦闘を直視していた。
「圧倒的すぎるんですよ……敵の兵隊さんが、植物に食われてく……有り得ねぇでしょうが……」
マリアの放った花粉だけで、植物すら強力なモンスターに変化させる戦い方に、ノリスJr.は、唾をゴクリっと飲み込んだ。
「少し選択が違ってたら、死を招く……ですかい、本当に頭の言葉に従って正解でさぁ」
しかし、黒狼団の団長であるファングは、そのまま終わる事を許さなかった。
「ざけやがってッ! 許さねぇ、許さねぇ! スキル"狂獣強化"」
ファングのスキル、"狂獣強化"が発動されると、体が巨大化して全身が黒い毛皮に覆われていく。
顔は狼の様に変化し、牙は鋭く生え変わり、指先からは長い爪が刃の様に伸びていく。
「ガハハハハッ! ふざけやがって、テメェ等は絶対に許さねぇ!」
狂獣化したファングは "影縫い"を発動していた地面に対して、巨大な尻尾を勢いよく叩きつける。
砂煙が舞い上がり、黒狼団の影が解放される。
「野郎共ッ! 今から反撃だッ! 敵を逃がすな! 女、子供関係無く、ぶち殺すぞッ!」
「団長に続けぇッ! 行くぞッ!」
「おおぉぉぉぉぉぉぉッ!」
「団長がいたら負けなんか有り得ねえ!」
勢いを取り戻した黒狼団は団長ファングに続いて、ガレル防壁へと再度攻撃を開始する。
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