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黒狼団とノリスファミリー・・・3
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ファングの狂獣化は、黒狼団の士気を大幅に上げ、更にクロミ、ガストの能力を力で解除する程強力な存在へと変貌していた。
ノリスファミリーも、現状を目の当たりにして、勝てるのかを不安に感じているのが表情からも理解できる程、状況は絶望的だった。
「うむ、仕方ない。我輩が相手をするとしよう、腕がなるのである」
軽く笑みを浮かべたロアルはそう語ると上半身に纏っていた服を脱ぎ捨てる。
老人とは思えぬ鍛え上げられた肉体が姿を現すと同時に、ロアル本人は、防壁の上から地面に飛び降りる。
「ガストさん、クロミさん、マリアさん、1度引いて頂きたいのである。すまないのだが、皆が居ては、怪我をさせてしまいかねないのである」
マリアはロアルの言葉に不快感を示すように口を開き文句を口にする。
「何よ! パパは強いのよ! それを偉そうに、いーーーだッ!」
「やめないかマリア、ロアル様、すみません」
「うむ、構わないのである! 父とは強き者を指すのである! マリアさん。ガストさん、つまり貴方の御父上は強いのは事実である。
しかし、次は我輩が戦う番なのでお願いしているのである」
ロアルは、そう言うとマリアとガストに軽く微笑んで見せる。
そのタイミングでクロミが、マリアとガストの手を引っ張る。
「さぁ、順番らしいから、いくよ。マジにあの爺ちゃんは、危ないからさ。ロアル爺ちゃんファイト(ハート)! あはは」
少し、からかうようにクロミはロアルに笑みをつくり、2人を連れて防壁の上へとハイジャンプを繰り返して移動していく。
「うむ、見事なハイジャンプなのである。
さて、此方も始めるとするとしようじゃないか!」
ロアル1人が残った現状にファングが笑い出す。
「ガハハハハハッ! ジジイが1人残されやがった。ジジイ、命乞いや、交渉、なんだ受け付けてねぇぞ! お前等は俺様を怒らせたんだからなぁ!」
ファングの言葉に黒狼団の団員達が下卑た笑みを浮かべ、得物を再度握り締める。
正直馬鹿ね、ロアルにこんな連中が勝てる訳ないのに、全体を見渡せば、ケストア軍の中身はピンキリで、しかも、バランスが悪すぎるわね。
私は、監視に使っている虫の視界から、戦況を把握していた。
キングが相手していた重装騎士団はまだまともな部類だった。
残念だったのは、指揮官の指示に従えない馬鹿な兵士が混じっていた事と、不思議なくらい練度に差があった事かしらね。
どちらにしても、ケストア軍は正直、残念な感じに見えるわね。
案の定、それは当たり前のように起こる。
ロアルをバカにしていたファングは、狂獣化した強力な力を拳にすると力任せに振り下ろした。
「ガハハ! 潰れちまえジジイが!」
しかし、そこからの展開はファングの予想しえない物であった。
潰れると言う事態になる前段階で、ロアルは無傷にその場に立っていたのだ。
地面には僅かに窪みが出来ており、それは間違いなく、攻撃がロアル自身にも当たっていた証明だった。
「な、なんで、潰れねぇんだよ!」
怒りに任せて怒鳴り散らすファングに対して、ロアルはキッと視線を向けて口を開く。
「うむ。弱い、弱すぎるのである。デカいばかりの弱者であったとは、買い被りすぎてすまなかったのである」
「強がってんじゃねぇぞ! ウラっ! ウラっ! ウラっ!」
次々に繰り出される拳に対して、ロアルは微動だにしない、むしろする必要がないのだろう。
ファングの攻撃が終わるまでの間、ロアルは無言のまま、必死な表情を浮かべながら、拳をぶつけ続けるファングの姿を静かに見ていた。
「ハァハァ……ふざけんなッ! テメェ、なんなんだ! 何もんなんだよォ!」
「ふむ、よろしい。親切な我輩が分かりやすく、教えてやろう、よく聞くのである! 我輩はお前さんよりも強者なだけである」
「ふ、ふ、ふざけやがってッ! 俺の全力で吹き飛ばす!」
ファングが、全身の筋肉を膨張させる。
「あははッ! 次はグシャグシャにしてやるぞ! ジジイ!」
「もうよい、弱すぎて話にならないのである。弱いだけならまだ良いが、躾のない駄犬は、我が主の描く未来に不要なのでな!」
ロアルは自身の腕のみをアイアンボディ化させる。
ファングの大振りな一撃を軽く回避した瞬間、アイアンボディ化させた腕を前に突き出す。
「ガハッ、痛てぇ、クソがッ! そんな攻撃でやられるかよ! このままぶっ潰してやるよ!」
「うむ、見せてやろう……真の絶望は内側からやってくると知るがよい"悪魔の苦痛"ッ!」
ファングの腹部に突き刺さったロアルの腕から大量の泥が土石流のように流れ込む。
「な、なん! ぎゃあああ! 腹が体が、うわぁぁぁ!」
ファングの絶望に満ちた絶叫が響くと同時に、口から大量の泥が吹き出し、ファングはその場に倒れ込むと微動だにせず、絶命する。
ファングの受けた苦しみは、簡単には語れないだろう。
一瞬で腹部から体内を貫くようにして、鋭い岩や砂利が押し寄せ、息すら出来ないままに内部からズタズタにされたのだ。
「さぁ、今からは駄犬狩りであるッ! 皆、仕事の時間であるぞッ!」
ロアルの言葉に、防壁から一斉にノリスファミリー、クロミの影軍団、ガストの鎧軍団、マリアの植物モンスター軍団が黒狼団狩りを開始する。
この瞬間、ケストア王国の狂気にして凶悪を極めたケストア軍の闇と言えた黒狼団は、この世界から消滅した。
残るは、私の守る水路に向かっている集団のみになる。
彼等は、他の二部隊が壊滅した事実を知らないだろう。
可哀想だけど、手加減はしないつもりよ。
ノリスファミリーも、現状を目の当たりにして、勝てるのかを不安に感じているのが表情からも理解できる程、状況は絶望的だった。
「うむ、仕方ない。我輩が相手をするとしよう、腕がなるのである」
軽く笑みを浮かべたロアルはそう語ると上半身に纏っていた服を脱ぎ捨てる。
老人とは思えぬ鍛え上げられた肉体が姿を現すと同時に、ロアル本人は、防壁の上から地面に飛び降りる。
「ガストさん、クロミさん、マリアさん、1度引いて頂きたいのである。すまないのだが、皆が居ては、怪我をさせてしまいかねないのである」
マリアはロアルの言葉に不快感を示すように口を開き文句を口にする。
「何よ! パパは強いのよ! それを偉そうに、いーーーだッ!」
「やめないかマリア、ロアル様、すみません」
「うむ、構わないのである! 父とは強き者を指すのである! マリアさん。ガストさん、つまり貴方の御父上は強いのは事実である。
しかし、次は我輩が戦う番なのでお願いしているのである」
ロアルは、そう言うとマリアとガストに軽く微笑んで見せる。
そのタイミングでクロミが、マリアとガストの手を引っ張る。
「さぁ、順番らしいから、いくよ。マジにあの爺ちゃんは、危ないからさ。ロアル爺ちゃんファイト(ハート)! あはは」
少し、からかうようにクロミはロアルに笑みをつくり、2人を連れて防壁の上へとハイジャンプを繰り返して移動していく。
「うむ、見事なハイジャンプなのである。
さて、此方も始めるとするとしようじゃないか!」
ロアル1人が残った現状にファングが笑い出す。
「ガハハハハハッ! ジジイが1人残されやがった。ジジイ、命乞いや、交渉、なんだ受け付けてねぇぞ! お前等は俺様を怒らせたんだからなぁ!」
ファングの言葉に黒狼団の団員達が下卑た笑みを浮かべ、得物を再度握り締める。
正直馬鹿ね、ロアルにこんな連中が勝てる訳ないのに、全体を見渡せば、ケストア軍の中身はピンキリで、しかも、バランスが悪すぎるわね。
私は、監視に使っている虫の視界から、戦況を把握していた。
キングが相手していた重装騎士団はまだまともな部類だった。
残念だったのは、指揮官の指示に従えない馬鹿な兵士が混じっていた事と、不思議なくらい練度に差があった事かしらね。
どちらにしても、ケストア軍は正直、残念な感じに見えるわね。
案の定、それは当たり前のように起こる。
ロアルをバカにしていたファングは、狂獣化した強力な力を拳にすると力任せに振り下ろした。
「ガハハ! 潰れちまえジジイが!」
しかし、そこからの展開はファングの予想しえない物であった。
潰れると言う事態になる前段階で、ロアルは無傷にその場に立っていたのだ。
地面には僅かに窪みが出来ており、それは間違いなく、攻撃がロアル自身にも当たっていた証明だった。
「な、なんで、潰れねぇんだよ!」
怒りに任せて怒鳴り散らすファングに対して、ロアルはキッと視線を向けて口を開く。
「うむ。弱い、弱すぎるのである。デカいばかりの弱者であったとは、買い被りすぎてすまなかったのである」
「強がってんじゃねぇぞ! ウラっ! ウラっ! ウラっ!」
次々に繰り出される拳に対して、ロアルは微動だにしない、むしろする必要がないのだろう。
ファングの攻撃が終わるまでの間、ロアルは無言のまま、必死な表情を浮かべながら、拳をぶつけ続けるファングの姿を静かに見ていた。
「ハァハァ……ふざけんなッ! テメェ、なんなんだ! 何もんなんだよォ!」
「ふむ、よろしい。親切な我輩が分かりやすく、教えてやろう、よく聞くのである! 我輩はお前さんよりも強者なだけである」
「ふ、ふ、ふざけやがってッ! 俺の全力で吹き飛ばす!」
ファングが、全身の筋肉を膨張させる。
「あははッ! 次はグシャグシャにしてやるぞ! ジジイ!」
「もうよい、弱すぎて話にならないのである。弱いだけならまだ良いが、躾のない駄犬は、我が主の描く未来に不要なのでな!」
ロアルは自身の腕のみをアイアンボディ化させる。
ファングの大振りな一撃を軽く回避した瞬間、アイアンボディ化させた腕を前に突き出す。
「ガハッ、痛てぇ、クソがッ! そんな攻撃でやられるかよ! このままぶっ潰してやるよ!」
「うむ、見せてやろう……真の絶望は内側からやってくると知るがよい"悪魔の苦痛"ッ!」
ファングの腹部に突き刺さったロアルの腕から大量の泥が土石流のように流れ込む。
「な、なん! ぎゃあああ! 腹が体が、うわぁぁぁ!」
ファングの絶望に満ちた絶叫が響くと同時に、口から大量の泥が吹き出し、ファングはその場に倒れ込むと微動だにせず、絶命する。
ファングの受けた苦しみは、簡単には語れないだろう。
一瞬で腹部から体内を貫くようにして、鋭い岩や砂利が押し寄せ、息すら出来ないままに内部からズタズタにされたのだ。
「さぁ、今からは駄犬狩りであるッ! 皆、仕事の時間であるぞッ!」
ロアルの言葉に、防壁から一斉にノリスファミリー、クロミの影軍団、ガストの鎧軍団、マリアの植物モンスター軍団が黒狼団狩りを開始する。
この瞬間、ケストア王国の狂気にして凶悪を極めたケストア軍の闇と言えた黒狼団は、この世界から消滅した。
残るは、私の守る水路に向かっている集団のみになる。
彼等は、他の二部隊が壊滅した事実を知らないだろう。
可哀想だけど、手加減はしないつもりよ。
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