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進軍の先に・・・1
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場面は変わり、パンドラ側。
『えぇ、なら予定通りに進めて頂戴。任せたわよ』
「予定通りね。キング側も王都に向けて移動を開始したわ」
ホーネットの部下である巨大百足の背に取り付けられた王座に私は腰掛け軽く息を吐く。
先程の念話の相手はキングであり、ミーナとダンの存在を知るコボルト使い(スカッド)達の始末が済んだ報告と進軍を開始する旨の報告であった。
単純な話だがキングが負けるなんて微塵も考えていない。
寧ろ、キングやセイナが殺られる様な事があったなら、ミーナには悪いがベルクその物をこの世界から消し飛ばしてでも敵を喰らい尽くすだろう。
そんな事を考えている私の前に擬人化したガマ爺とジャバの二人が舞い戻る。
ガマ爺は、ハイカラなオレンジに緑の線が入った和柄の浴衣に白い帯、雪駄を履いた姿は、江戸の町民と言った雰囲気だが、口には煙草(煙管)、片手に酒の入った徳利、ボサボサの髪、見た目は遊び人の様な印象しかない。
私の記憶の中にあったガマ爺に合うイメージがこのスタイルであり、酒は元々のガマ爺の趣味なのであれだが、勢い余って与えた煙草は新たな楽しみになっているみたいね。
「なんじゃか、派手に動いとるのぅ? 言われた通りに人間共を動かして来てやったけぇな、ガハハ感謝せい!」
凛とした和服姿の美しいジャバが華やかな袖をガマ爺の前にふわぁっと出すと会話を遮り、その場で謝罪と報告を開始する。
「ヌシ様、口が過ぎます。申し訳ありません。パンドラ様、無事に戻りました。全て上手く進んでおります」
「なんじゃい! チビ蛇が儂にカバチ垂れよんかぁ!」
蛇と蛙の関係なのに、ガマ爺は関係なく突っかかるのよね──
「それくらいにして、それでレジスタンスの連中は上手く動きそうなのかしら?」っと、私が質問をする。
当然だが、ミスがない事は虫を通して確認済みである。
当たり前の様に確認済みの内容報告が済まされる。
「ありがとう。ガマ爺、ジャバ、この後は予定通り、城攻めになるわ。先にベルクの王都に向かって頂戴」
「おう、任せえや!」
「御意」
二人を再度、ベルクの王都へと向かわせる。
ベルク辺境からキングが、そして街道からは私達が到着して作戦実行となるので少し時間が掛かるだろうが、それは仕方ないことなのだ。
全てが順調に進む最中、私達の前方に分岐点が見えてくる。
先頭を進むルーズの部下が私に分岐点に差し掛かった事実とそのまま進行して構わないかを伺いに来る。
左右に枝分かれした分岐点──
右に進めば、鉱山の国──小国ベルク。
左に進めば、商人の国──貿易の国ゴルドバ。
何方も私が宣戦布告した三つの国の内の二つである。
当然ながら、目指すのは右側のベルクだ──
理由としては、ゴルドバ側からは幾つかの他国に繋がる街道が存在するからに他ならない。
ゴルドバから行ける国は多数存在しており、私達の拠点である【ハピネス】【傭兵の国ユクトル】【サザル公国】と小国等を入れればキリが無いのだ。
しかし、ゴルドバは、ハピネスには頼れない、宣戦布告された国に命乞いをして生き残れる筈がないと、この世界の人間は知っているからだ。
つまり、私達が小国ベルクを支配したならば、ゴルドバから逃げる王族達は、自然とサザル公国やユクトルに向かう他無くなると言う事になる。
進む道は既に決まっているが、逆に言えば、この街道は一番注意せねばならないとも言える。
正面をベルク、背後をゴルドバに挟まれる形となるからだ。
しかし、それも面白いと感じる。
本来ならば、面白いと言う感情は不謹慎だろう、だが、今回の戦力を考えれば不意打ちくらい無ければ、相手に勝算がない事も事実なのだ。
「予定通り、目指すはベルクだ。ルーズ隊長とクーリ隊長にもそう伝えてくれ」
確認しに来た部下にそう伝えると、直ぐに前方が動き出し、街道をベルクに向けて進軍が再開する。
そんなやり取りを見ていたホーネットが不思議そうに私に質問を問い掛ける。
「ご主人様、なんでまた、直接聞いてきたのかな~? 普通に念話で聞けばいいとボクは思うんだよね~」
首を斜めに傾げながら、ホーネットは頭にクエッションマークを浮かべている。
「簡単よ、私に指示を求める事で本当に大丈夫な事を兵に分からせる為よ。私の兵は問題ないけど、何処にもルールがあるのよ」
「う~ん、難しい──でも、わかったような気がしなくもないや、アハハ」と、ホーネットは笑みを浮かべる。
士気とは上に立つ人間の言葉や行動に大きく左右される。
ルーズはそれを理解しているからこそ、敢えて不要な直接確認をしたのだろう。
兵達は初めて他国に進行するのだから当然の配慮と言えるだろう、しっかりした部下を持つと本当に助かる。
分岐点を過ぎ、二時間程、道なりに進む。
広い河原に到着すると同時に「皆、休息ッ! 馬に水を飲ませ、休ませなさい」と私は声を出す。
ルーズ達が進軍を停止し、馬や蟲達を休ませる。
休憩用の椅子に腰掛ける。
背後にはラクネとホーネットが護衛として立っており、置かれたテーブルには、クイーンが入れたばかりの紅茶とクッキーが置かれている。
静かに紅茶を飲んでいると私の前に直接ルーズがやって来る。
「陛下、お休みの最中、大変申し訳ありませんが失礼致します」
「あら、ルーズじゃない、どうしたの?」
「実は、この先、ベルクを前に魔物の巣と呼ばれる森が御座います。野営を考えれば、森に入るのはあまり宜しくないと考えます」
故意とした訳ではないのだろうが否定的なルーズの言葉にラクネの視線が向けられる。
「ラクネ、ルーズの発言は正しいは、森の中で陣を引くのは大変なのよ。それに今回は普通の進軍だから、手の内を見せたくないのよ」
そして、ルーズの意見を聞き入れ、河辺に陣を構える事になったのだった。
『えぇ、なら予定通りに進めて頂戴。任せたわよ』
「予定通りね。キング側も王都に向けて移動を開始したわ」
ホーネットの部下である巨大百足の背に取り付けられた王座に私は腰掛け軽く息を吐く。
先程の念話の相手はキングであり、ミーナとダンの存在を知るコボルト使い(スカッド)達の始末が済んだ報告と進軍を開始する旨の報告であった。
単純な話だがキングが負けるなんて微塵も考えていない。
寧ろ、キングやセイナが殺られる様な事があったなら、ミーナには悪いがベルクその物をこの世界から消し飛ばしてでも敵を喰らい尽くすだろう。
そんな事を考えている私の前に擬人化したガマ爺とジャバの二人が舞い戻る。
ガマ爺は、ハイカラなオレンジに緑の線が入った和柄の浴衣に白い帯、雪駄を履いた姿は、江戸の町民と言った雰囲気だが、口には煙草(煙管)、片手に酒の入った徳利、ボサボサの髪、見た目は遊び人の様な印象しかない。
私の記憶の中にあったガマ爺に合うイメージがこのスタイルであり、酒は元々のガマ爺の趣味なのであれだが、勢い余って与えた煙草は新たな楽しみになっているみたいね。
「なんじゃか、派手に動いとるのぅ? 言われた通りに人間共を動かして来てやったけぇな、ガハハ感謝せい!」
凛とした和服姿の美しいジャバが華やかな袖をガマ爺の前にふわぁっと出すと会話を遮り、その場で謝罪と報告を開始する。
「ヌシ様、口が過ぎます。申し訳ありません。パンドラ様、無事に戻りました。全て上手く進んでおります」
「なんじゃい! チビ蛇が儂にカバチ垂れよんかぁ!」
蛇と蛙の関係なのに、ガマ爺は関係なく突っかかるのよね──
「それくらいにして、それでレジスタンスの連中は上手く動きそうなのかしら?」っと、私が質問をする。
当然だが、ミスがない事は虫を通して確認済みである。
当たり前の様に確認済みの内容報告が済まされる。
「ありがとう。ガマ爺、ジャバ、この後は予定通り、城攻めになるわ。先にベルクの王都に向かって頂戴」
「おう、任せえや!」
「御意」
二人を再度、ベルクの王都へと向かわせる。
ベルク辺境からキングが、そして街道からは私達が到着して作戦実行となるので少し時間が掛かるだろうが、それは仕方ないことなのだ。
全てが順調に進む最中、私達の前方に分岐点が見えてくる。
先頭を進むルーズの部下が私に分岐点に差し掛かった事実とそのまま進行して構わないかを伺いに来る。
左右に枝分かれした分岐点──
右に進めば、鉱山の国──小国ベルク。
左に進めば、商人の国──貿易の国ゴルドバ。
何方も私が宣戦布告した三つの国の内の二つである。
当然ながら、目指すのは右側のベルクだ──
理由としては、ゴルドバ側からは幾つかの他国に繋がる街道が存在するからに他ならない。
ゴルドバから行ける国は多数存在しており、私達の拠点である【ハピネス】【傭兵の国ユクトル】【サザル公国】と小国等を入れればキリが無いのだ。
しかし、ゴルドバは、ハピネスには頼れない、宣戦布告された国に命乞いをして生き残れる筈がないと、この世界の人間は知っているからだ。
つまり、私達が小国ベルクを支配したならば、ゴルドバから逃げる王族達は、自然とサザル公国やユクトルに向かう他無くなると言う事になる。
進む道は既に決まっているが、逆に言えば、この街道は一番注意せねばならないとも言える。
正面をベルク、背後をゴルドバに挟まれる形となるからだ。
しかし、それも面白いと感じる。
本来ならば、面白いと言う感情は不謹慎だろう、だが、今回の戦力を考えれば不意打ちくらい無ければ、相手に勝算がない事も事実なのだ。
「予定通り、目指すはベルクだ。ルーズ隊長とクーリ隊長にもそう伝えてくれ」
確認しに来た部下にそう伝えると、直ぐに前方が動き出し、街道をベルクに向けて進軍が再開する。
そんなやり取りを見ていたホーネットが不思議そうに私に質問を問い掛ける。
「ご主人様、なんでまた、直接聞いてきたのかな~? 普通に念話で聞けばいいとボクは思うんだよね~」
首を斜めに傾げながら、ホーネットは頭にクエッションマークを浮かべている。
「簡単よ、私に指示を求める事で本当に大丈夫な事を兵に分からせる為よ。私の兵は問題ないけど、何処にもルールがあるのよ」
「う~ん、難しい──でも、わかったような気がしなくもないや、アハハ」と、ホーネットは笑みを浮かべる。
士気とは上に立つ人間の言葉や行動に大きく左右される。
ルーズはそれを理解しているからこそ、敢えて不要な直接確認をしたのだろう。
兵達は初めて他国に進行するのだから当然の配慮と言えるだろう、しっかりした部下を持つと本当に助かる。
分岐点を過ぎ、二時間程、道なりに進む。
広い河原に到着すると同時に「皆、休息ッ! 馬に水を飲ませ、休ませなさい」と私は声を出す。
ルーズ達が進軍を停止し、馬や蟲達を休ませる。
休憩用の椅子に腰掛ける。
背後にはラクネとホーネットが護衛として立っており、置かれたテーブルには、クイーンが入れたばかりの紅茶とクッキーが置かれている。
静かに紅茶を飲んでいると私の前に直接ルーズがやって来る。
「陛下、お休みの最中、大変申し訳ありませんが失礼致します」
「あら、ルーズじゃない、どうしたの?」
「実は、この先、ベルクを前に魔物の巣と呼ばれる森が御座います。野営を考えれば、森に入るのはあまり宜しくないと考えます」
故意とした訳ではないのだろうが否定的なルーズの言葉にラクネの視線が向けられる。
「ラクネ、ルーズの発言は正しいは、森の中で陣を引くのは大変なのよ。それに今回は普通の進軍だから、手の内を見せたくないのよ」
そして、ルーズの意見を聞き入れ、河辺に陣を構える事になったのだった。
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