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第7話 vsAS開戦
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見通しのいい岩の上に昇り、仰向けになって太陽を眺めていた。
岩石をジリジリ焦がしている熱が背中を温めてくれて気持がいい。
冷たい風が少し吹いており、快晴だった空に現れた雲が流れてる様子を見ていると不思議な感覚がする。
生まれてきた太陽の世界では、ただ寝転ぶだけで気持ちいいという感覚を味わうことはなかった。
そういえば、本物の雲を見るのも初めてだった。
仰向けになっている岩石の下にある闘技場には、皆殺しにしたゴブリン達の死骸が転がっており、時間が経過すれば酸化され雑菌が繁殖し生臭くなるだろう。
ここまで一緒にきていたASと屑礼が、ゴブリンの根城についてい調査していた。
ゴブリン達は根城を築くと人間の女を襲い、そこでレイプを繰り返す習性を持っているが、この岩地には捕らえられている女はいなかったそうだ。
ちょうど、根城を築いたところだったのかしら。
しばらく空を眺めていると、ASが神妙な顔をして現れてきた。
ASは『正義の加護』を持つ11種族で、固有JOBは『侍』である。
危機に陥ると、自身の生命力と引き換えに爆発的な力を引き出すと聞いている。
同じ人間ではあるが千年戦争において、私は11種族最強の者を倒さなければならない宿命なのだが、どれほどのものなのかしら。
暇そうに空を眺めているとASが話しかけてきた。
「安杏ちゃんは19種族の代表として『千年戦争』に参戦するため、この世界にやって来たんだよね?」
「そうですよ。」
「安杏ちゃんは千年戦争に勝ち残り地上世界の支配者になりたいって事なの?」
「支配者になりたい願望はありませんし、支配者に成り何かをしたいといったものもありません。」
そう、私は千年戦争に勝利するために生まれてきた。
だが、支配者になりたいわけではないし、支配者に成り何かをしたい事もない。
ただ、勝利を掴むためだけにこの地に来たのだ。
「私としては、安杏ちゃんとは戦いたくないし、平和のために私達11種族と一緒になって戦ってほしいのだけど…」
「他の種族と同盟を結ぶつもりはありません。私は単独で勝利を目指します。」
「となると、私は平和のために、安杏ちゃんと戦わなければいけないのかな。」
「決闘ならお受けしますよ。」
ASが頷く姿が見えた。
その瞳には覚悟が宿っている。
やれやれ。やる気のようだ。
SKILL『危険予知』が発動しない相手とは、私が全力を出す資格がない者である。
ASの戦闘力はオークキングよりも遥かに低く、決闘は一方的なものになるだろう。
私には微塵も負ける要素は無い。
とはいうものの、ASの様子を見ると戦いは避けられそうに無いって感じかしら。
仰向けになっている体を起こし、ASの申し入れを受ける告知を行った。
「それでは草原に戻り、そこで剣を交えましょうか?」
殺さないにしても、無傷で済ますわけにもいかないので、決闘はここまでASが乗ってきた馬が近い場所がいいだろう。
10km南にある都市で治療をするためには馬で戻らなければいけませんからね。
私の提案にASはコクリと頷くと、覚悟を決めた表情をしていた。
ASにおいても、私との力量の差は少なからず理解していると思うのだけど。
それでも私と戦うって理解できないな。
◇
屑礼は、ASが私に決闘を申し込んだ話しを聞いて慌てていた。
申し込んだ決闘をやめさせようと、ASを必死に説得していたが首を縦に振る事はなかった。
「俺がいうのも何だが、11種族全員が束になっても、あのちっこい魔人には絶対に勝てないぞ。」
ちっこい魔人って私の事を言っているよな。
確かに15歳の女子平均より発育が悪く、全てがミニマムである事は認めよう。
だが、それを他人に言われると腹がたつのだよ。
そもそも、私はミランダに時間を止められているのだが、そのリミッターを外し、このまま成長したら背の高いナイスバディになるかもしれねぇぞ。
いつのまにか足元に転がっていた球体のミランダが、私の脳内に不必要な情報を送りこんできた。
『安杏里の遺伝情報を解析したところ、男達を悩殺するナイスバディになる確率な無いぞ。』
そうか、このまま成長してもナイスバディに無ることはないのか。
そんな情報、わざわざ言う必要はないだろ。
まさに、ありがた迷惑とはこの事だな。
ミランダへ芽生えた殺意はさておき、決闘を挑んできたASへの対応であるが、生かしておいたら再戦を挑んでくる可能性が高いので、殺しておくべきだろう。
とは言うもののさすがにASを殺す気にはなれないが、ちょくちょく挑まれるもの鬱陶しい。
片腕を1本ほど頂きましょうか。
そのASであるが、必死に説得している屑礼を無視するように決闘の開始を促してきた。
「私の方はいつでもいいですよ。」
そのASが、腰を深く沈め居合い抜きの構えをとり始めている。
ASまでの間合いは10m程度ある。
音速の斬撃『紫電一閃』に合わせるつもりのようだ。
威力は最小限に抑えてあげますが、それでも受けきれないと思いますよ。
そもそも、音速の斬撃に刀を合わす事など出来ないでしょうけど。
だが、もし――――――
一撃を受け止めることが出来たら、ASの勝利という事にしてさしあげましょう。
私も腰を少し沈め、片足を前に出した。
空気が張り詰めていく。
『ゾワリ』とした感覚がした。
へぇ、ASの体から命の炎が上がっているのが見える。
これが、逆境の際に生命力を爆発的な力に変える侍の力なのかしら。
何かを期待させる空気感がある。
私に侍魂とやらを見せて下さい。
参ります。
――――――紫電一閃
音速の居合抜きをASに繰り出した。
岩石をジリジリ焦がしている熱が背中を温めてくれて気持がいい。
冷たい風が少し吹いており、快晴だった空に現れた雲が流れてる様子を見ていると不思議な感覚がする。
生まれてきた太陽の世界では、ただ寝転ぶだけで気持ちいいという感覚を味わうことはなかった。
そういえば、本物の雲を見るのも初めてだった。
仰向けになっている岩石の下にある闘技場には、皆殺しにしたゴブリン達の死骸が転がっており、時間が経過すれば酸化され雑菌が繁殖し生臭くなるだろう。
ここまで一緒にきていたASと屑礼が、ゴブリンの根城についてい調査していた。
ゴブリン達は根城を築くと人間の女を襲い、そこでレイプを繰り返す習性を持っているが、この岩地には捕らえられている女はいなかったそうだ。
ちょうど、根城を築いたところだったのかしら。
しばらく空を眺めていると、ASが神妙な顔をして現れてきた。
ASは『正義の加護』を持つ11種族で、固有JOBは『侍』である。
危機に陥ると、自身の生命力と引き換えに爆発的な力を引き出すと聞いている。
同じ人間ではあるが千年戦争において、私は11種族最強の者を倒さなければならない宿命なのだが、どれほどのものなのかしら。
暇そうに空を眺めているとASが話しかけてきた。
「安杏ちゃんは19種族の代表として『千年戦争』に参戦するため、この世界にやって来たんだよね?」
「そうですよ。」
「安杏ちゃんは千年戦争に勝ち残り地上世界の支配者になりたいって事なの?」
「支配者になりたい願望はありませんし、支配者に成り何かをしたいといったものもありません。」
そう、私は千年戦争に勝利するために生まれてきた。
だが、支配者になりたいわけではないし、支配者に成り何かをしたい事もない。
ただ、勝利を掴むためだけにこの地に来たのだ。
「私としては、安杏ちゃんとは戦いたくないし、平和のために私達11種族と一緒になって戦ってほしいのだけど…」
「他の種族と同盟を結ぶつもりはありません。私は単独で勝利を目指します。」
「となると、私は平和のために、安杏ちゃんと戦わなければいけないのかな。」
「決闘ならお受けしますよ。」
ASが頷く姿が見えた。
その瞳には覚悟が宿っている。
やれやれ。やる気のようだ。
SKILL『危険予知』が発動しない相手とは、私が全力を出す資格がない者である。
ASの戦闘力はオークキングよりも遥かに低く、決闘は一方的なものになるだろう。
私には微塵も負ける要素は無い。
とはいうものの、ASの様子を見ると戦いは避けられそうに無いって感じかしら。
仰向けになっている体を起こし、ASの申し入れを受ける告知を行った。
「それでは草原に戻り、そこで剣を交えましょうか?」
殺さないにしても、無傷で済ますわけにもいかないので、決闘はここまでASが乗ってきた馬が近い場所がいいだろう。
10km南にある都市で治療をするためには馬で戻らなければいけませんからね。
私の提案にASはコクリと頷くと、覚悟を決めた表情をしていた。
ASにおいても、私との力量の差は少なからず理解していると思うのだけど。
それでも私と戦うって理解できないな。
◇
屑礼は、ASが私に決闘を申し込んだ話しを聞いて慌てていた。
申し込んだ決闘をやめさせようと、ASを必死に説得していたが首を縦に振る事はなかった。
「俺がいうのも何だが、11種族全員が束になっても、あのちっこい魔人には絶対に勝てないぞ。」
ちっこい魔人って私の事を言っているよな。
確かに15歳の女子平均より発育が悪く、全てがミニマムである事は認めよう。
だが、それを他人に言われると腹がたつのだよ。
そもそも、私はミランダに時間を止められているのだが、そのリミッターを外し、このまま成長したら背の高いナイスバディになるかもしれねぇぞ。
いつのまにか足元に転がっていた球体のミランダが、私の脳内に不必要な情報を送りこんできた。
『安杏里の遺伝情報を解析したところ、男達を悩殺するナイスバディになる確率な無いぞ。』
そうか、このまま成長してもナイスバディに無ることはないのか。
そんな情報、わざわざ言う必要はないだろ。
まさに、ありがた迷惑とはこの事だな。
ミランダへ芽生えた殺意はさておき、決闘を挑んできたASへの対応であるが、生かしておいたら再戦を挑んでくる可能性が高いので、殺しておくべきだろう。
とは言うもののさすがにASを殺す気にはなれないが、ちょくちょく挑まれるもの鬱陶しい。
片腕を1本ほど頂きましょうか。
そのASであるが、必死に説得している屑礼を無視するように決闘の開始を促してきた。
「私の方はいつでもいいですよ。」
そのASが、腰を深く沈め居合い抜きの構えをとり始めている。
ASまでの間合いは10m程度ある。
音速の斬撃『紫電一閃』に合わせるつもりのようだ。
威力は最小限に抑えてあげますが、それでも受けきれないと思いますよ。
そもそも、音速の斬撃に刀を合わす事など出来ないでしょうけど。
だが、もし――――――
一撃を受け止めることが出来たら、ASの勝利という事にしてさしあげましょう。
私も腰を少し沈め、片足を前に出した。
空気が張り詰めていく。
『ゾワリ』とした感覚がした。
へぇ、ASの体から命の炎が上がっているのが見える。
これが、逆境の際に生命力を爆発的な力に変える侍の力なのかしら。
何かを期待させる空気感がある。
私に侍魂とやらを見せて下さい。
参ります。
――――――紫電一閃
音速の居合抜きをASに繰り出した。
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