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第27話 vsバエル
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ここは要塞都市の地下一階層。
つい先ほどまで活気ある声が飛び交っていた商店街から、人の気配が消えていた。
高い天井の一面に張られている古代技術で造られたパネルには青空が映しだされ、太陽光が落ちてきている。
換気のために流れている風が新鮮な空気を運んでくれていた。
地下都市ではあるが息苦しさというものを感じさせない。
私を奴隷にし卑猥な言葉を並べていた豪画は、顎、拳、膝を砕かれると、簡単に心をへし折られ、『悪魔の加護』を持つ15種族のサマエルの分身体が、芋虫のように地面を這いずりながら必死に逃げようとしている豪画を、踏み付けている。
その顔は卑猥な歪み、既に人のものではない。
悪魔の契約により、豪画の魂を媒介にしてバエルという悪魔の召喚することに喜びを爆発させているようだ。
次第に豪画の目から光が失われていき、焦点が定まらなくなってきている。
その豪画が私に一方的にボコボコにされる姿を信じられない様子で静観していたFMは、気絶をして地面にうつ伏せとなり気持ち良さそうに寝ていたはずの屑礼を肩に担ぎ遠くへ離れていた。
サマエル達から少し距離をとり、バエルの召喚される様子を見ていると、『隠密』で気配を消しているミランダが背中をよじ登ってきた。
『安杏里。このままだと、悪魔の大幹部であるバエルが召喚されてしまうぞ。今なら媒介素材となるあの少年を切り刻めば、その召喚を阻止できるはずだ。』
『悪魔の種族は私を倒す可能性を秘めた者達だというではないですか。その15種族の大幹部であるバエル悪魔が、どれほどの実力を持っているのか興味がありまして、召喚されてくるのを待っているところです。』
『そうか。私が教えたバエルという悪魔の情報について、忘れてしまったわけではないということか。』
『安心して下さい。つまらない話しではありましたが、もちろん記憶しています。』
太陽の世界に生まれてきて絶え間なく修行を積んできていた。
同時にミランダからは世界の事や各種族についての情報を教えてもらっており、15種族の強力な個体についても一通り記憶している。
バエルの武器は『無限増殖』だ。
その圧倒的な『無限増殖』から生み出されてくる個体は津波のように無限に押し寄せてくるという。
ミランダからの説明では、灼熱系の剣技でしか打ち破る事が不可能と言っていた。
『分かっているとは思うが、『紫電一閃』による斬撃でバエルの本体を斬り裂いた剣聖は過去にいないぞ。』
『はい。大丈夫です。19種族の先輩達では無属性の斬撃技ではバエルを倒せなかったことは、ちゃんと記憶しています。』
バエルの弱点は灼熱であり、灼熱系のSKILLを使用出来ない者に対しては無敵だという話しだ。
つまり、灼熱系のスキルを扱えないこれまでの剣聖では、バエルに勝てなかったのだ。
目の前では、地面に広がっている闇が豪画の体を飲み込み始めており、代わりに巨大な物体が現れようとしている。
かなり大きい。
体長5m以上はありそうだ。
バエルの輪郭が明確になり始めてきた。
蜘蛛の姿をしており、8本の足を大きく広げると全長が20m以上はあるだろう。
更に姿が明確に見えてくると、胴体の部分に3人の人間の顔が付いていた。
その圧倒的な圧力に空気が揺れている。
要塞都市に暮らしている0種族達ではその発せられるプレッシャーに気を失ってしまうだろうが、私からするとどうってことは無い。
SKILL『危険予知』も警告を発していないし、当然ではあるがそこら辺にいる雑魚と変わらないな。
悪魔の種族であるサマエルの分身体が私を見ていた。
異様に長い舌を出しながら楽しそうに笑っている。
勝利を確信しているのかしら。
その悪魔が、これから始まる戦いに向けて、バエルについての解説を始めてきた。
「私が召喚したこのバエルは、無限に子供を産み続け、その子供達が津波のように押し寄せて何もかも飲み込んでいく。剣聖、安杏里にそれを止めることが出来るのかな。」
「バエルの弱点なら知っています。その大幹部とうい悪魔は、灼熱の炎で焼き尽くせるという話しではないですか。」
「ほぉう。これは失礼した。バエルの攻略方法を知っていたのか。剣聖、安杏里は太陽の加護による灼熱の剣技を使用できるということか。フッ。だが、灼熱系の剣技が使えるからといって、それでバエルが倒せるとは限らない。バエルを甘く見ていると、痛い目をみるぞ。」
「15種族の悪魔さん。何か誤解をされているようですが、私は灼熱の剣技は覚えていませんよ。」
「WHAT?」
「つまり、私は一つの斬撃技しか使えないということです。あれもこれも覚えるよりその一つを極めたというわけですよ。つまり純粋な剣技で真正面からバエルを圧倒的に征圧しようと思います。」
私の言葉にサマエルが真白なスーツをよじらせながらゲラゲラと笑い始めた。
その顔は人の表情では無く、本物の悪魔であると分かる。
「バエルから生み出される津波を剣技で征圧だと。この世代の剣聖は『圧倒的である』と20種族から聞いていたが、判断能力の低いただの小娘だったのか。」
「なるほど。私が圧倒的ですか。私の私的見解となりますが、おそらくその20種族の者は、『圧倒的に可愛い剣聖』だと言っていたものと思われます。」
そうこう言っている間に、バエルの召喚が完了したようだ。
豪画の魂は喰らい尽くされ、髪の毛一本さえも残っていない。
そういう契約をしてしまったのだから仕方ないと言えばそうなのだけどな。
バエルの胴体に付いている3人の顔と視線が重なると、卑猥な笑顔を浮かべている。
不意に背中にいるミランダが思考に割り込んできた。
『安杏里。バエルが今、19種族の剣聖を見て、何を考えているか分かるか?』
『信じられないくらい可愛い女の子だ。食べたら絶品の味がしそうだな、とでも思っていそうですね。』
『なるほど。そうきたか。ちなみに安杏里は、体脂肪率が極めて低いので、食べたとしても脂の乗りが悪くたいして美味しい味はしないだろう。』
『なに。私を食べても美味しくないだと。ミランダは本当の食について、全く知らないようですね。究極に可愛い女子から、究極のジビエ料理について教えてあげましょう。最も贅沢な料理である天然の動物でつくる料理は、脂分が少なく本来の肉の旨みを味わう事が出来るのです。脂分が多い肉は、肉を楽しんでいるのでは無く、脂を食べているって事なのですよ。』
『うむ。安杏里の丸焼きが究極のジビエ料理であるかは知らんが、戦う準備は出来ているのか。あれを見ろ。バエルの腹が開くぞ!』
ミランダからの声が聞こえてきたタイミングで、バエルの胴体が大きく開き始めた。
地響きで空気が揺れている。
何百万もの個体から殺意を感じる。
一瞬で信じられないくらいの小さな蜘蛛が一気に溢れ出してきた。
迫ってくる大きな壁が、まさに津波のようだ。
一瞬でその高さは10m近くに達している。
想像していたものより遥かにその勢いが強い。
この要塞都市は1分もしないうちにバエルで埋め尽くされるのではなかろうか。
とにかく、今は余計なことを考えている余裕はない。
一撃で本体を仕留めさせてもらいます。
腰を沈め神剣ソラスクラスを握りしめた。
奥義『紫電一閃』で全てを斬り刻んであげましょう。
息を吐き身体に眠るエネルギーを爆発させた。
――――――――――抜刀
神剣ソラスクラスを振り上げ、返す刀で更に『紫電一閃』を繰り出した。
今の2撃で、数万体以上の子供バエルを斬り刻んだ感触があるが、本体まで斬撃が届いていない。
マジですか。
私が繰り出した一撃より、生み出されてくる圧力の方が強いのかよ。
押し寄せてくる津波に飲み込まれる寸前で後方へジャンプをし、宙に舞った状態で背中に張り付いているミランダへ話しかけた。
「バエルの無限増殖。凄いですね。聞いて想像していた以上のものでした。」
「だから言ったろ。灼熱系のSKILLが使用出来なければ逃げるしかないと思うが、どうするつもりだ。」
「スーパーヒロインに逃げる選択肢などありません。ここは本気の一閃を撃ち放させてもらいます。」
「本気の一閃だと。太陽の力を解放させるつもりだな。」
「はい。その一撃の余波で要塞都市が壊滅するかもしれません。ミランダには、お友達の要塞都市へ、破壊されないように対応するようにお伝え下さい。」
「承知した。」
間合いを広げる為に後方へジャンプしながらバエルを見ていると、子供バエルの厚い壁が更に厚くなってきており、この勢いだと要塞都市に暮らす1000万人以上の人間は逃げる間もなく食い尽くされてしまうだろう。
やはりここで私が仕留めるしなない。
後方へジャンプをし、着地するタイミングが迫っている。
押し寄せてくる子供バエル達が壁になり本体が見えないが、だいたいの位置は分かっていた。
次の圧倒的な一撃で確実にトドメを刺して上げましょう。
着地と同時に深く腰を沈め、無限に溢れてくる太陽の加護を解き放した。
身体中が爆発的に熱くなっていく。
歴代の剣聖達は、リミッターを解除出来なかったことは知っている。
太陽のエネルギーに耐えられないからだ。
だが、主神の実娘として生まれてきた私は、これまでの先輩と比べて突き抜けて可愛いだげなく、その実力も遥かに凌駕している。
体内に超新星が生まれてくる様なエネルギーを感じた。
今の私は人ではなく太陽そのものになり、思考が溶けていく。
体内で衝撃的な爆発が起き、プロミネンスによる炎が舞上がった。
そのプロミネンスを解き放させて貰います。
――――――――――抜刀
必殺の斬撃が、押し寄せてくる津波を突き破った。
バエル本体を斬り裂いた感触がある。
そしてその斬撃は要塞都市をも真っ二つにしたはずだ。
状況を確認すると、要塞都市の方は無事のようだ。
ミランダが現状況についてフォローを入れてきた。
「要塞都市が次元の狭間を開いて、安杏里からの一閃そのものを、異世界へ送ったようだ。」
「空間を切り裂いて対応したのですね。それは凄いと言いたいところですが、その異世界からすると迷惑としか思えない対応ではありませんか。」
「うむ。他人に処理をしてもらいながら、そういう捉え方をするか。それよりもだな、まだ子供バエルが残っていることは分かっているのか。」
「確かにそれよりもですね。本体が絶滅しても子供達は残ってしまうとは、まぁそうなりますよね。」
「子供バエルを殲滅しないと、この要塞都市に暮らす住民が絶滅してしまうぞ。」
「了解です。これより子供バエルの掃討を開始します。といいますか、結構な数が残っていませんか。これを全て斬り刻むのは難しいかもしれません。今直ぐに灼熱系のスキルを覚えますので、教えて下さい。」
つい先ほどまで活気ある声が飛び交っていた商店街から、人の気配が消えていた。
高い天井の一面に張られている古代技術で造られたパネルには青空が映しだされ、太陽光が落ちてきている。
換気のために流れている風が新鮮な空気を運んでくれていた。
地下都市ではあるが息苦しさというものを感じさせない。
私を奴隷にし卑猥な言葉を並べていた豪画は、顎、拳、膝を砕かれると、簡単に心をへし折られ、『悪魔の加護』を持つ15種族のサマエルの分身体が、芋虫のように地面を這いずりながら必死に逃げようとしている豪画を、踏み付けている。
その顔は卑猥な歪み、既に人のものではない。
悪魔の契約により、豪画の魂を媒介にしてバエルという悪魔の召喚することに喜びを爆発させているようだ。
次第に豪画の目から光が失われていき、焦点が定まらなくなってきている。
その豪画が私に一方的にボコボコにされる姿を信じられない様子で静観していたFMは、気絶をして地面にうつ伏せとなり気持ち良さそうに寝ていたはずの屑礼を肩に担ぎ遠くへ離れていた。
サマエル達から少し距離をとり、バエルの召喚される様子を見ていると、『隠密』で気配を消しているミランダが背中をよじ登ってきた。
『安杏里。このままだと、悪魔の大幹部であるバエルが召喚されてしまうぞ。今なら媒介素材となるあの少年を切り刻めば、その召喚を阻止できるはずだ。』
『悪魔の種族は私を倒す可能性を秘めた者達だというではないですか。その15種族の大幹部であるバエル悪魔が、どれほどの実力を持っているのか興味がありまして、召喚されてくるのを待っているところです。』
『そうか。私が教えたバエルという悪魔の情報について、忘れてしまったわけではないということか。』
『安心して下さい。つまらない話しではありましたが、もちろん記憶しています。』
太陽の世界に生まれてきて絶え間なく修行を積んできていた。
同時にミランダからは世界の事や各種族についての情報を教えてもらっており、15種族の強力な個体についても一通り記憶している。
バエルの武器は『無限増殖』だ。
その圧倒的な『無限増殖』から生み出されてくる個体は津波のように無限に押し寄せてくるという。
ミランダからの説明では、灼熱系の剣技でしか打ち破る事が不可能と言っていた。
『分かっているとは思うが、『紫電一閃』による斬撃でバエルの本体を斬り裂いた剣聖は過去にいないぞ。』
『はい。大丈夫です。19種族の先輩達では無属性の斬撃技ではバエルを倒せなかったことは、ちゃんと記憶しています。』
バエルの弱点は灼熱であり、灼熱系のSKILLを使用出来ない者に対しては無敵だという話しだ。
つまり、灼熱系のスキルを扱えないこれまでの剣聖では、バエルに勝てなかったのだ。
目の前では、地面に広がっている闇が豪画の体を飲み込み始めており、代わりに巨大な物体が現れようとしている。
かなり大きい。
体長5m以上はありそうだ。
バエルの輪郭が明確になり始めてきた。
蜘蛛の姿をしており、8本の足を大きく広げると全長が20m以上はあるだろう。
更に姿が明確に見えてくると、胴体の部分に3人の人間の顔が付いていた。
その圧倒的な圧力に空気が揺れている。
要塞都市に暮らしている0種族達ではその発せられるプレッシャーに気を失ってしまうだろうが、私からするとどうってことは無い。
SKILL『危険予知』も警告を発していないし、当然ではあるがそこら辺にいる雑魚と変わらないな。
悪魔の種族であるサマエルの分身体が私を見ていた。
異様に長い舌を出しながら楽しそうに笑っている。
勝利を確信しているのかしら。
その悪魔が、これから始まる戦いに向けて、バエルについての解説を始めてきた。
「私が召喚したこのバエルは、無限に子供を産み続け、その子供達が津波のように押し寄せて何もかも飲み込んでいく。剣聖、安杏里にそれを止めることが出来るのかな。」
「バエルの弱点なら知っています。その大幹部とうい悪魔は、灼熱の炎で焼き尽くせるという話しではないですか。」
「ほぉう。これは失礼した。バエルの攻略方法を知っていたのか。剣聖、安杏里は太陽の加護による灼熱の剣技を使用できるということか。フッ。だが、灼熱系の剣技が使えるからといって、それでバエルが倒せるとは限らない。バエルを甘く見ていると、痛い目をみるぞ。」
「15種族の悪魔さん。何か誤解をされているようですが、私は灼熱の剣技は覚えていませんよ。」
「WHAT?」
「つまり、私は一つの斬撃技しか使えないということです。あれもこれも覚えるよりその一つを極めたというわけですよ。つまり純粋な剣技で真正面からバエルを圧倒的に征圧しようと思います。」
私の言葉にサマエルが真白なスーツをよじらせながらゲラゲラと笑い始めた。
その顔は人の表情では無く、本物の悪魔であると分かる。
「バエルから生み出される津波を剣技で征圧だと。この世代の剣聖は『圧倒的である』と20種族から聞いていたが、判断能力の低いただの小娘だったのか。」
「なるほど。私が圧倒的ですか。私の私的見解となりますが、おそらくその20種族の者は、『圧倒的に可愛い剣聖』だと言っていたものと思われます。」
そうこう言っている間に、バエルの召喚が完了したようだ。
豪画の魂は喰らい尽くされ、髪の毛一本さえも残っていない。
そういう契約をしてしまったのだから仕方ないと言えばそうなのだけどな。
バエルの胴体に付いている3人の顔と視線が重なると、卑猥な笑顔を浮かべている。
不意に背中にいるミランダが思考に割り込んできた。
『安杏里。バエルが今、19種族の剣聖を見て、何を考えているか分かるか?』
『信じられないくらい可愛い女の子だ。食べたら絶品の味がしそうだな、とでも思っていそうですね。』
『なるほど。そうきたか。ちなみに安杏里は、体脂肪率が極めて低いので、食べたとしても脂の乗りが悪くたいして美味しい味はしないだろう。』
『なに。私を食べても美味しくないだと。ミランダは本当の食について、全く知らないようですね。究極に可愛い女子から、究極のジビエ料理について教えてあげましょう。最も贅沢な料理である天然の動物でつくる料理は、脂分が少なく本来の肉の旨みを味わう事が出来るのです。脂分が多い肉は、肉を楽しんでいるのでは無く、脂を食べているって事なのですよ。』
『うむ。安杏里の丸焼きが究極のジビエ料理であるかは知らんが、戦う準備は出来ているのか。あれを見ろ。バエルの腹が開くぞ!』
ミランダからの声が聞こえてきたタイミングで、バエルの胴体が大きく開き始めた。
地響きで空気が揺れている。
何百万もの個体から殺意を感じる。
一瞬で信じられないくらいの小さな蜘蛛が一気に溢れ出してきた。
迫ってくる大きな壁が、まさに津波のようだ。
一瞬でその高さは10m近くに達している。
想像していたものより遥かにその勢いが強い。
この要塞都市は1分もしないうちにバエルで埋め尽くされるのではなかろうか。
とにかく、今は余計なことを考えている余裕はない。
一撃で本体を仕留めさせてもらいます。
腰を沈め神剣ソラスクラスを握りしめた。
奥義『紫電一閃』で全てを斬り刻んであげましょう。
息を吐き身体に眠るエネルギーを爆発させた。
――――――――――抜刀
神剣ソラスクラスを振り上げ、返す刀で更に『紫電一閃』を繰り出した。
今の2撃で、数万体以上の子供バエルを斬り刻んだ感触があるが、本体まで斬撃が届いていない。
マジですか。
私が繰り出した一撃より、生み出されてくる圧力の方が強いのかよ。
押し寄せてくる津波に飲み込まれる寸前で後方へジャンプをし、宙に舞った状態で背中に張り付いているミランダへ話しかけた。
「バエルの無限増殖。凄いですね。聞いて想像していた以上のものでした。」
「だから言ったろ。灼熱系のSKILLが使用出来なければ逃げるしかないと思うが、どうするつもりだ。」
「スーパーヒロインに逃げる選択肢などありません。ここは本気の一閃を撃ち放させてもらいます。」
「本気の一閃だと。太陽の力を解放させるつもりだな。」
「はい。その一撃の余波で要塞都市が壊滅するかもしれません。ミランダには、お友達の要塞都市へ、破壊されないように対応するようにお伝え下さい。」
「承知した。」
間合いを広げる為に後方へジャンプしながらバエルを見ていると、子供バエルの厚い壁が更に厚くなってきており、この勢いだと要塞都市に暮らす1000万人以上の人間は逃げる間もなく食い尽くされてしまうだろう。
やはりここで私が仕留めるしなない。
後方へジャンプをし、着地するタイミングが迫っている。
押し寄せてくる子供バエル達が壁になり本体が見えないが、だいたいの位置は分かっていた。
次の圧倒的な一撃で確実にトドメを刺して上げましょう。
着地と同時に深く腰を沈め、無限に溢れてくる太陽の加護を解き放した。
身体中が爆発的に熱くなっていく。
歴代の剣聖達は、リミッターを解除出来なかったことは知っている。
太陽のエネルギーに耐えられないからだ。
だが、主神の実娘として生まれてきた私は、これまでの先輩と比べて突き抜けて可愛いだげなく、その実力も遥かに凌駕している。
体内に超新星が生まれてくる様なエネルギーを感じた。
今の私は人ではなく太陽そのものになり、思考が溶けていく。
体内で衝撃的な爆発が起き、プロミネンスによる炎が舞上がった。
そのプロミネンスを解き放させて貰います。
――――――――――抜刀
必殺の斬撃が、押し寄せてくる津波を突き破った。
バエル本体を斬り裂いた感触がある。
そしてその斬撃は要塞都市をも真っ二つにしたはずだ。
状況を確認すると、要塞都市の方は無事のようだ。
ミランダが現状況についてフォローを入れてきた。
「要塞都市が次元の狭間を開いて、安杏里からの一閃そのものを、異世界へ送ったようだ。」
「空間を切り裂いて対応したのですね。それは凄いと言いたいところですが、その異世界からすると迷惑としか思えない対応ではありませんか。」
「うむ。他人に処理をしてもらいながら、そういう捉え方をするか。それよりもだな、まだ子供バエルが残っていることは分かっているのか。」
「確かにそれよりもですね。本体が絶滅しても子供達は残ってしまうとは、まぁそうなりますよね。」
「子供バエルを殲滅しないと、この要塞都市に暮らす住民が絶滅してしまうぞ。」
「了解です。これより子供バエルの掃討を開始します。といいますか、結構な数が残っていませんか。これを全て斬り刻むのは難しいかもしれません。今直ぐに灼熱系のスキルを覚えますので、教えて下さい。」
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