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腐れ外道は俺が始末する
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古い建物が並ぶ生活用道路を歩いていた。
天井スクリーンから落ちてくる太陽光が、街を照らしてくれている。
石畳の路面には、露店が並んでおり、子供達は走りまわっていた。
焼き物の匂いが漂い、楽しそうに親子連れで歩く姿も見かける。
地上世界の覇権を争う千年戦争が開始されているものの、緊張感のようなものはない。
前を歩いている背の高いイケメンに、街の者達が親しそうな感じでひっきりなしに声を掛けてくる。
後ろを歩いているウルトラ可愛い私に視線が集中してこないのは、地上世界へやって来て最高に衝撃的な出来事だ。
万能の種族であるアルマジロが『隠密』を発動させながら背中にへばりつき、機械少女の真里伊は距離を取りつつ付いてきていた。
黒燐の構成員であるフォルマルテからの要請により、キングと呼ばれている者へ会うためにその目的地へ向かっていた。
隣を歩くぽっちゃり体型のテスタロッサが、心配にイケメンの男の背中を見つめながらボソリと呟く声が聞こえてきた。
「凄く嫌な予感がするんだよな…」
テスタロッサが不安そうに顔をしかめている。
嫌な予感と聞くと、消極的なマインドになっていると受け取られがちであるが、実際はそうでもない。
その言葉を口にした者の防衛本能が働き、悪い事態に陥ると想定していた時に出てくる言葉であるため、事前に対処方法を考えておく事が出来るのだ。
成功する者の条件の一つはリスクを軽減する事であり、最悪な事態に対しての処置を事前に考えておけば、何事にも混乱することなく的確な判断ができる。
隣を歩くテスタに対して、嫌な予感への対処方法について話しをしてみた。
「嫌な予感がするという事は、何か懸念されている事があるわけですね。」
「フォルマルテって何事にも向き合い乗り越えようとする性格なんだ。困難な出来事に直面したら自身の命さへも賭けて戦おうとするんだ。」
「つまり今がその事態に陥っているという事なのでしょうか?」
「だってさ。実際に千年戦争に関わってしまっているだろ。」
「余計なお世話かもしれませんが、最も効果的な対処方法とはその対象からできるだけ距離を置いて、関わらないようにする事ですよ。」
「剣聖ちゃんは、私達のことを心配してくれているんだね。有難うよ。」
千年戦争は、天賦の才をもち、VERYかわいい剣聖が勝利するとこが約束されている。
私の足元には無限大におよばないものの、先ほど処分したバエルのようにそれなりに実力のある奴等もいるだろう。
そう。テスタロッサが言うとおり、私以外の全ての者は、千年戦争からは距離をできるだけ置く方がべきだ。
◇
私達は地下1階層の生活用道路を抜けると先になる地下道へ入り、体育館の大きさがある部屋へ辿りついた。
高くとられた天井のプロペラファンが回る音が室内をこだまし、ブラケット照明が知室内を明るく照らしている。
何か重たい雰囲気がし、息苦しさを感じる空間だ。
要塞都市の衛生管理をしている機械人形達が機械のメンテナンスをしている姿がある。
どうやらここが目的地らしい。
つまり、フォルマルテが黒燐のキングと待ち合わせをしている場所だ。
『隠密』を発動していたアルマジロが背中から離れ、無機質な床に着地をし、この施設について説明をしてきた。
『この施設は要塞都市の動力炉だ。ここが破壊されてしまうと、維持管理機能に支障がでてしまい、多くの者が死亡してしまうだろう。更に都市を守る防衛機能が機能しない事態となると、16種族に攻め込まれて都市に暮らす者達は全滅してしまうかもしれないぞ。』
要塞都市に暮らす者達が全滅しようが知った事では無いと言えば嘘になる。
19種族であるとはいえ同じ人間だしな。
やはり気分がいいものではない。
全身を真っ白なスーツに身をつつんでいる見覚えのある者が、向こうの物影から出て来る姿を視認した。
――――――――15種族の悪魔。サマエルだ。
本体は地下2階層にいると言っていた。
つまり、こいつも分身体なのだろう。
にこやかに浮かべている笑みは人の姿をしているが、気持ち悪さは際立っている。
同時にフォルマルテも反応をして身構えた。
「サマエル!何故、鬼宿日のボスがここにいる!」
フォルマルテの問いに対して、サマエルは反応を示す様子がない。
用があるのは19種族の剣聖で、完全に私をロックオンしているようだ。
あいも変わらず無駄な努力をして、まったくもってお疲れ様だ。
無駄な抵抗という言葉の意味を教えてやらなければ、限りなくストーキング行為をしてきそうだな。
サマエルが15種族の悪魔である事を知らないフォルマルテには、後ろへ下がってもらった方がいいだろう。
「フォルマルテ、落ち着いて話しを聞いて下さい。サマエルは人の姿をしていますが、15種族から千年戦争に参加している悪魔です。本人からの申告によると本体は地下2階層にいるそうで、正面に見える姿のあれは分身体だそうですよ。」
悪魔であると聞いて、背中を向けていたフォルマルテが驚いた表情で振り向いてきた。
私の背後にいたテスタロッサからも、恐怖している感情が伝わってくる。
あの分身体自体には戦闘力がないとも言っていた。
だが、契約した者の魂を媒介にして、悪魔を召喚することができる。
つまり、ここにサマエルと契約した者がいると言うことだ。
「あの分身体自体には戦闘力が無いと聞いていますが、契約者を媒体にして悪魔を召喚できるようなので注意して下さい。」
イケメンの男は下がることなく、サマエルを睨みつけていた。
天井のプロペラファンからの動作音と換気に流れる音が混じり、サマエルがこちらに歩いてくる音が聞こえてくる。
満足そうな顔をしながら広げていた片手を胸に当てながら足を止めると、深く頭を下げてきた。
「剣聖殿。招きに応じて頂き感謝する。」
悪魔の招きに応じた記憶はないし、フォルマルテが私を騙して、ここに連れてきたようには思えない。
経過は何であれ、結局のところ、罠に掛けられたならばそれを破壊すればいいだけ。
何ら問題はなしだ。
まずは、クソ鬱陶しいサマエルの分身体を破壊させてもらいましょう。
腰にぶら下げている神剣ソラスクラスに手を伸ばすと、サマエルが手のひらを見せて慌てた様子で声を張り上げてきた。
「待て、待て。剣聖殿と戦う者は私ではない。」
サマエルの後ろにある機械の物影にもう一人が隠れているのは認識している。
その者が悪魔の契約者なのだろう。
その契約者にしろ、召喚した悪魔にしても、私にとっては同じ雑魚に変わりない。
悪魔は動揺した感じで更に言葉を続けてきていた。
「剣聖殿に一つ、注文がある。」
神剣を掴んだ手を止めると、悪魔はほっとした表情を浮かべてきた。
私は、この部屋の空間を支配している。
水滴が落ちる動きまで把握出来ていた。
サマエルが、時間稼ぎをし何かを企んでいる気配は様子はない。
まぁ、いいだろう。
注文くらいなら聞いても問題ない。
小さく頷くと、悪魔はその内容を話し始めてきた。
「あのバエルを斬り裂いた遠距離斬撃だが、ここで使用するのはご遠慮願いたい。20種族の予言どおり、この世代の剣聖殿は圧倒的だという話しを理解してのことだ。もしもあの遠距離斬撃を撃ってきたなら、この部屋にある要塞都市の動力施設が破壊する。つまり、お前者達だけでなく、要塞都市に暮らしている人間が全滅してしまうことになるということだ。」
「この要塞都市に暮らしている者を人質にとったわけですか。」
サマエルは満足そうな笑みを浮かべた。
私にはSKILL『不死鳥』があるので、死しても復活することができる。
0種族達とは同盟関係にはないが、不要さ残虐行為は避けたい。
何より、21種族の要塞都市本体が、悪魔の行為を許すとは思えない。
『隠密』を発動してその辺を転がっているアルマジロは、我関せずの様子だ。
SKILL『危険予知』も警告を発していない。
「VERYで可愛くて、純粋無垢な女の子なら少し脅せば屈すると思っているのでしょうか。でもまぁOKして差し上げましょう。ご要望どおり遠隔斬撃は使用しないと約束しましょう。」
「GOOD!念の為に言っておくが純粋無垢についてGOODと言った訳ではないぞ。」
何気に私が純粋無垢である言葉を否定してくる事について問いただしたいところではあるが、それは本体を見つけた時に徹底的にやらせてもらおう。
それに『紫電一閃』を使用しなくても、サマエルごときの策や、強力な悪魔ごときに私が危機的状況に陥るはずはないしな。
というよりも、『紫電一閃』を使用禁止にしたくらいで、まともに私と戦えると思っているとは相当に甘く見られているようだ。
かろうじて人の顔をしていたサマエルが奥の方へ手を伸ばし、そこを見るように誘導してきた。
「それでは、剣聖殿と戦う相手を紹介させてもらおう。」
奥の物陰に潜んでいた仮面をつけた男が姿を現した。
11種族のASと同じ侍が使用する武器であるブレードを腰にさしている。
背が高く無駄のない必要の無い筋肉をそぎ落とした体型だ。
ウエイトトレーニングにより身に着けた筋肉ではなく、ひたすらブレードを振り続けて手にいれたものだろう。
フォルマルテが仮面の男の姿を見て叫んだ。
「――――――キング!」
あの仮面の侍が、フォルマルテが私を連れてくるように命令したキングなのか。
そのキングが悪魔と繋がっていたという事になるのかしら。
私にとってはどうでもいい事だ。
立ち塞がる敵は倒すだけだ。
納得のいかないフォルマルテは、仮面の侍に言葉をたたみかけていた。
「キング。なぜ敵であるサマエルと一緒にいるんだ!」
「…。」
「お前は悪魔と繋がっていたって事なのか。俺の質問に答えろ!」
「フォルマルテ。お前の役目は終わった。命令だ、今直ぐにここから立ち去れ。」
「俺の質問に対するお前の回答がその言葉なのか!」
仮面の侍の姿を見て取り乱していたフォルマルテの声が低く怒りの籠ったものに変わっていた。
背後にいるテスタロッサに目をやると口に手を抑え、どうしていいか分からない表情をして固まっている。
フォルマルテから凄まじい怒りと闘気を感じる。
イケメンの男が仮面の侍に向かって指さした。
「キング。カタギの者に手を出さないのが俺達のルールではないのか!」
「19種族の剣聖は、カタギという枠には入らないだろ。」
「悪魔に手を貸し、俺達を欺いていたお前は、俺達が最も大事にしている仲間同士の信頼を裏切ったんだよ!」
「フォルマルテ、お前の質問に答えるつもりは無い。結論だけを言うが、私の邪魔をするようなら叩き斬る。」
仮面の侍はサマエルと繋がっている事は、悪魔の力を分け与えられていると考えていい。
フォルマルテが相手をするにはリスクが高い。
やはりここは私が相手をするべきだろう。
一歩前へ足を進めようとした瞬間、イケメンの男が手を伸ばして私の行動を制してきた。
「安杏里。俺はここで命を掛けてお前を守る約束を果たす事にしよう。マフィアの掟を破ったあの腐れ外道は俺が始末する!」
天井スクリーンから落ちてくる太陽光が、街を照らしてくれている。
石畳の路面には、露店が並んでおり、子供達は走りまわっていた。
焼き物の匂いが漂い、楽しそうに親子連れで歩く姿も見かける。
地上世界の覇権を争う千年戦争が開始されているものの、緊張感のようなものはない。
前を歩いている背の高いイケメンに、街の者達が親しそうな感じでひっきりなしに声を掛けてくる。
後ろを歩いているウルトラ可愛い私に視線が集中してこないのは、地上世界へやって来て最高に衝撃的な出来事だ。
万能の種族であるアルマジロが『隠密』を発動させながら背中にへばりつき、機械少女の真里伊は距離を取りつつ付いてきていた。
黒燐の構成員であるフォルマルテからの要請により、キングと呼ばれている者へ会うためにその目的地へ向かっていた。
隣を歩くぽっちゃり体型のテスタロッサが、心配にイケメンの男の背中を見つめながらボソリと呟く声が聞こえてきた。
「凄く嫌な予感がするんだよな…」
テスタロッサが不安そうに顔をしかめている。
嫌な予感と聞くと、消極的なマインドになっていると受け取られがちであるが、実際はそうでもない。
その言葉を口にした者の防衛本能が働き、悪い事態に陥ると想定していた時に出てくる言葉であるため、事前に対処方法を考えておく事が出来るのだ。
成功する者の条件の一つはリスクを軽減する事であり、最悪な事態に対しての処置を事前に考えておけば、何事にも混乱することなく的確な判断ができる。
隣を歩くテスタに対して、嫌な予感への対処方法について話しをしてみた。
「嫌な予感がするという事は、何か懸念されている事があるわけですね。」
「フォルマルテって何事にも向き合い乗り越えようとする性格なんだ。困難な出来事に直面したら自身の命さへも賭けて戦おうとするんだ。」
「つまり今がその事態に陥っているという事なのでしょうか?」
「だってさ。実際に千年戦争に関わってしまっているだろ。」
「余計なお世話かもしれませんが、最も効果的な対処方法とはその対象からできるだけ距離を置いて、関わらないようにする事ですよ。」
「剣聖ちゃんは、私達のことを心配してくれているんだね。有難うよ。」
千年戦争は、天賦の才をもち、VERYかわいい剣聖が勝利するとこが約束されている。
私の足元には無限大におよばないものの、先ほど処分したバエルのようにそれなりに実力のある奴等もいるだろう。
そう。テスタロッサが言うとおり、私以外の全ての者は、千年戦争からは距離をできるだけ置く方がべきだ。
◇
私達は地下1階層の生活用道路を抜けると先になる地下道へ入り、体育館の大きさがある部屋へ辿りついた。
高くとられた天井のプロペラファンが回る音が室内をこだまし、ブラケット照明が知室内を明るく照らしている。
何か重たい雰囲気がし、息苦しさを感じる空間だ。
要塞都市の衛生管理をしている機械人形達が機械のメンテナンスをしている姿がある。
どうやらここが目的地らしい。
つまり、フォルマルテが黒燐のキングと待ち合わせをしている場所だ。
『隠密』を発動していたアルマジロが背中から離れ、無機質な床に着地をし、この施設について説明をしてきた。
『この施設は要塞都市の動力炉だ。ここが破壊されてしまうと、維持管理機能に支障がでてしまい、多くの者が死亡してしまうだろう。更に都市を守る防衛機能が機能しない事態となると、16種族に攻め込まれて都市に暮らす者達は全滅してしまうかもしれないぞ。』
要塞都市に暮らす者達が全滅しようが知った事では無いと言えば嘘になる。
19種族であるとはいえ同じ人間だしな。
やはり気分がいいものではない。
全身を真っ白なスーツに身をつつんでいる見覚えのある者が、向こうの物影から出て来る姿を視認した。
――――――――15種族の悪魔。サマエルだ。
本体は地下2階層にいると言っていた。
つまり、こいつも分身体なのだろう。
にこやかに浮かべている笑みは人の姿をしているが、気持ち悪さは際立っている。
同時にフォルマルテも反応をして身構えた。
「サマエル!何故、鬼宿日のボスがここにいる!」
フォルマルテの問いに対して、サマエルは反応を示す様子がない。
用があるのは19種族の剣聖で、完全に私をロックオンしているようだ。
あいも変わらず無駄な努力をして、まったくもってお疲れ様だ。
無駄な抵抗という言葉の意味を教えてやらなければ、限りなくストーキング行為をしてきそうだな。
サマエルが15種族の悪魔である事を知らないフォルマルテには、後ろへ下がってもらった方がいいだろう。
「フォルマルテ、落ち着いて話しを聞いて下さい。サマエルは人の姿をしていますが、15種族から千年戦争に参加している悪魔です。本人からの申告によると本体は地下2階層にいるそうで、正面に見える姿のあれは分身体だそうですよ。」
悪魔であると聞いて、背中を向けていたフォルマルテが驚いた表情で振り向いてきた。
私の背後にいたテスタロッサからも、恐怖している感情が伝わってくる。
あの分身体自体には戦闘力がないとも言っていた。
だが、契約した者の魂を媒介にして、悪魔を召喚することができる。
つまり、ここにサマエルと契約した者がいると言うことだ。
「あの分身体自体には戦闘力が無いと聞いていますが、契約者を媒体にして悪魔を召喚できるようなので注意して下さい。」
イケメンの男は下がることなく、サマエルを睨みつけていた。
天井のプロペラファンからの動作音と換気に流れる音が混じり、サマエルがこちらに歩いてくる音が聞こえてくる。
満足そうな顔をしながら広げていた片手を胸に当てながら足を止めると、深く頭を下げてきた。
「剣聖殿。招きに応じて頂き感謝する。」
悪魔の招きに応じた記憶はないし、フォルマルテが私を騙して、ここに連れてきたようには思えない。
経過は何であれ、結局のところ、罠に掛けられたならばそれを破壊すればいいだけ。
何ら問題はなしだ。
まずは、クソ鬱陶しいサマエルの分身体を破壊させてもらいましょう。
腰にぶら下げている神剣ソラスクラスに手を伸ばすと、サマエルが手のひらを見せて慌てた様子で声を張り上げてきた。
「待て、待て。剣聖殿と戦う者は私ではない。」
サマエルの後ろにある機械の物影にもう一人が隠れているのは認識している。
その者が悪魔の契約者なのだろう。
その契約者にしろ、召喚した悪魔にしても、私にとっては同じ雑魚に変わりない。
悪魔は動揺した感じで更に言葉を続けてきていた。
「剣聖殿に一つ、注文がある。」
神剣を掴んだ手を止めると、悪魔はほっとした表情を浮かべてきた。
私は、この部屋の空間を支配している。
水滴が落ちる動きまで把握出来ていた。
サマエルが、時間稼ぎをし何かを企んでいる気配は様子はない。
まぁ、いいだろう。
注文くらいなら聞いても問題ない。
小さく頷くと、悪魔はその内容を話し始めてきた。
「あのバエルを斬り裂いた遠距離斬撃だが、ここで使用するのはご遠慮願いたい。20種族の予言どおり、この世代の剣聖殿は圧倒的だという話しを理解してのことだ。もしもあの遠距離斬撃を撃ってきたなら、この部屋にある要塞都市の動力施設が破壊する。つまり、お前者達だけでなく、要塞都市に暮らしている人間が全滅してしまうことになるということだ。」
「この要塞都市に暮らしている者を人質にとったわけですか。」
サマエルは満足そうな笑みを浮かべた。
私にはSKILL『不死鳥』があるので、死しても復活することができる。
0種族達とは同盟関係にはないが、不要さ残虐行為は避けたい。
何より、21種族の要塞都市本体が、悪魔の行為を許すとは思えない。
『隠密』を発動してその辺を転がっているアルマジロは、我関せずの様子だ。
SKILL『危険予知』も警告を発していない。
「VERYで可愛くて、純粋無垢な女の子なら少し脅せば屈すると思っているのでしょうか。でもまぁOKして差し上げましょう。ご要望どおり遠隔斬撃は使用しないと約束しましょう。」
「GOOD!念の為に言っておくが純粋無垢についてGOODと言った訳ではないぞ。」
何気に私が純粋無垢である言葉を否定してくる事について問いただしたいところではあるが、それは本体を見つけた時に徹底的にやらせてもらおう。
それに『紫電一閃』を使用しなくても、サマエルごときの策や、強力な悪魔ごときに私が危機的状況に陥るはずはないしな。
というよりも、『紫電一閃』を使用禁止にしたくらいで、まともに私と戦えると思っているとは相当に甘く見られているようだ。
かろうじて人の顔をしていたサマエルが奥の方へ手を伸ばし、そこを見るように誘導してきた。
「それでは、剣聖殿と戦う相手を紹介させてもらおう。」
奥の物陰に潜んでいた仮面をつけた男が姿を現した。
11種族のASと同じ侍が使用する武器であるブレードを腰にさしている。
背が高く無駄のない必要の無い筋肉をそぎ落とした体型だ。
ウエイトトレーニングにより身に着けた筋肉ではなく、ひたすらブレードを振り続けて手にいれたものだろう。
フォルマルテが仮面の男の姿を見て叫んだ。
「――――――キング!」
あの仮面の侍が、フォルマルテが私を連れてくるように命令したキングなのか。
そのキングが悪魔と繋がっていたという事になるのかしら。
私にとってはどうでもいい事だ。
立ち塞がる敵は倒すだけだ。
納得のいかないフォルマルテは、仮面の侍に言葉をたたみかけていた。
「キング。なぜ敵であるサマエルと一緒にいるんだ!」
「…。」
「お前は悪魔と繋がっていたって事なのか。俺の質問に答えろ!」
「フォルマルテ。お前の役目は終わった。命令だ、今直ぐにここから立ち去れ。」
「俺の質問に対するお前の回答がその言葉なのか!」
仮面の侍の姿を見て取り乱していたフォルマルテの声が低く怒りの籠ったものに変わっていた。
背後にいるテスタロッサに目をやると口に手を抑え、どうしていいか分からない表情をして固まっている。
フォルマルテから凄まじい怒りと闘気を感じる。
イケメンの男が仮面の侍に向かって指さした。
「キング。カタギの者に手を出さないのが俺達のルールではないのか!」
「19種族の剣聖は、カタギという枠には入らないだろ。」
「悪魔に手を貸し、俺達を欺いていたお前は、俺達が最も大事にしている仲間同士の信頼を裏切ったんだよ!」
「フォルマルテ、お前の質問に答えるつもりは無い。結論だけを言うが、私の邪魔をするようなら叩き斬る。」
仮面の侍はサマエルと繋がっている事は、悪魔の力を分け与えられていると考えていい。
フォルマルテが相手をするにはリスクが高い。
やはりここは私が相手をするべきだろう。
一歩前へ足を進めようとした瞬間、イケメンの男が手を伸ばして私の行動を制してきた。
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