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第40話(フォルマルテの目線)vsキング④
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――――フォルマルテの目線――――
地下1階層の地下道にある競技場のような広い空間にて、組織のキングと1対1の戦闘を開始していた。
高い天井には換気用の大きなプロペラファンがまわり、不気味な音が聞こえ、壁に設置された照明が室内を明るく照らしている。
真っ白なスーツに全身を包んでいる背の高い男、悪魔の分身体が仮面の男との戦闘を楽しそうに観ていた。
そして背後では、テスタが心配そうな表情を浮かべており、19種族の剣聖は暇そうな表情で動向を静観している。
現在進行形で戦闘をしている仮面の男は、少し距離を空けて身構え、残像剣から生み出されたセカンドブレードが、その男を中心にクルクルと周回していた。
まるで、生き物のようだ。
そして、男の頭上には、4本目の刀となるフォースブレードが姿を現し大きな剣先を天井へ向けるように立っていた。
10m程度の大きさがあり、圧倒的な攻撃力を醸し出している。
刀を握り、剣先を向けているキングからは、凄みのようなオーラが発せられてくる。
両手に六角柱を握りしめた人型の憑依体がキングからの攻撃に備え、俺を守るように全面に出てきていた。
仮面の男から発せらている半端ない圧力に、体内に潜航させている亀の憑依体からも緊張感が伝わってくる。
そして暗黒球体の憑依体は、形態を変化させ特定のポイントまで移動させていた。
仮面の男が悪魔の力を得て獲得した『絶対距離』を攻略することは、俺には出来ないかもしれないが、命に代えても安杏里を護ると約束した。
そして悪魔に魂を売り、千年戦争のために組織を利用した男は、掟により始末しなければならない。
何よりも、俺自身のためにここは引くわけにはいかない。
まずキングの方から先に動いてきた。
セカンドブレードが剣先を向け、ミサイルのように飛ばしてきたのだ。
事前に決めていた役割分担のとおり、それを人型の憑依体が迎え撃つために前へ出ていく。
先ほどと同じ展開のとおり、憑依体が持っている六角柱でセカンドブレードをさばくと、更に先の攻防と同じように仮面の男へ向かい、俺は走り始めた。
同様の展開に見えるが、違うことがある。
それは姿を現しているフォースブレードの存在だ。
10m程度ある刀身から繰り出させる攻撃を受けてしまうと、防御属性の亀の憑依体を持ってしても防ぎきれるとは思えない。
本来なら、キングの頭上から振り下ろされてくるフォースブレードを、人型の憑依体で受け流させたいところではあるが、それはキングの方も分かっており、セカンドブレードで俺の手持ちの憑依体を1つ引き剥がしにきたのだろう。
だが、俺の方も奴がそうしてくるであろうことは予測していた。
―――――――――――――俺は体勢を低くとり、仮面の男へ加速し特攻を開始した。
「ふっ。フォルマルテ。圧倒的に不利な状況下にいるお前の方から距離をつめてくるとは、その精神力はさすがだな。だが、もう同じ手は通用しないぞ。」
いま最も注意しなければならないのは、隠密属性を持つサードブレードの存在だ。
劣勢となった時にしてはならない行為は、受けにまわらないこと。
この局面でひたすら防御に徹っしてしまうと、サードブレードの餌食になるだろう。
逆境に陥っているからこそ、動いていかなければならないのだ。
『絶対距離』を獲得している奴へ俺の攻撃が届くことはないかもしれない。
だが、出来る限りのことをやらなければ後悔する。
キングが俺を迎撃するために、残像剣を上段に構えてきたところをみると、渾身の上段斬りを見舞うつもりのようだ。
そして、頭上のフォースブレードはいまだに動く気配はない。
キングへ突撃をしながら、出来るだけ自然な仕草で床に手を触れた。
――――――――――そこで暗黒球体の憑依体を拾ったのだ。
暗黒球体の特徴は、移動速度が遅いが全てを嚙み砕く獰猛なこと。
そしてもう一つ。その体型を小さくすることができたのである。
キングで接触する前に、手のひらに収まるサイズに収縮させた暗黒球体の憑依体を、回収したのだ。
だが、仮面の男にも気が付かれてしまった。
「フォルマルテ。お前、今、何かを拾ったな。何を拾ったんだ!」
その声からは、僅かではあるが心の乱れを感じる。
実をいうと、奴に気が付かれるであろうことは織り込み済みだ。
たが、暗黒球体のサイズが変わっていることまで認識できていないお前は、俺が得体の知れないものを拾った姿を見てしまい、本能的に不安を感じたはず。
そう。得体の知れないものというところがポイントだ。
お前は、積極的に動かざるえない精神状態に追い込まれてしまったわけだ。
――――――――――キングが残像剣を上段に構えながら踏み込み、そして同時に頭上のフォースブレードを振り下ろしてきた。
お前は自発的に動いたものと思っているのだろうが、実際には俺に動かされたのだ。
亀の憑依体が、振り降ろされてくるフォースブレードから俺を守るために、体から浮き出てきた。
頼む。一度だけ凌いでくれ。
亀の憑依体に10mある刀身が激突した。
凄まじ衝突音が鳴り響く。
亀から悲鳴が聞こえてくる。
よく持ち堪えてくれた。もう十分だ。
既に亀の甲羅は砕け散っていた。
威力を失ったフォースブレードは弾き返されている。
お前のおかげで、キングへ接近することが出来たぜ。
――――――――――仮面の男が、俺の名前を叫びながら、上段に構えていた残像剣を振り降ろしてきた。
「フォルマルテェェェ!」
その声には、想定したとおりに事が運ばなかった怒りのようなものが込められていた。
亀の憑依体を失った俺には、その渾身の一撃を受けきることはできない。
ここまで俺の想定どおりの展開に進んでいるのであるが、そのシュミレーション通りに進むと、次は俺がキングに殺されてしまうことになっている。
そう。俺の思い描いたシュミレーションとは、キングと刺し違えること。
――――――――――仮面の男の残像剣が俺を切り裂いた。
だが、お前だけは俺の手で始末する!
体を斬り裂かれながら、拳を突き出し、握っていた暗黒球体を突き出した。
――――――――――キングの喉元を食いちぎれ!
仮面の男の虚を完全についていた。
だが、キングの体が暗黒球体から離れていく。
またしても『絶対距離』の効果が作用しているのか。
やはり俺では、奴を倒すことが出来ないのか…。
俺の命を差し出しても、奴には届かないのか…。
切り裂かれた体が床へ崩れていった。
視界は消え、真っ暗な世界が広がっていく。
キングからの声が聞こえてくる。
「フォルマルテ。悪魔の力が無ければ、私は2度、お前に殺されていた。」
テスタが俺の名前を呼んでいる声が聞こえてくる。
立ちあがろうとするが体が動かない。
ああ。俺はまもなく死んでしまうのか。
テスタの横にいた安杏里の声が聞こえてきた。
「フォルマルテ。あなたの心意気、確かに見せて頂きました。しばらくそこで横になっていて下さい。私が終わらせてきましょう。」
地下1階層の地下道にある競技場のような広い空間にて、組織のキングと1対1の戦闘を開始していた。
高い天井には換気用の大きなプロペラファンがまわり、不気味な音が聞こえ、壁に設置された照明が室内を明るく照らしている。
真っ白なスーツに全身を包んでいる背の高い男、悪魔の分身体が仮面の男との戦闘を楽しそうに観ていた。
そして背後では、テスタが心配そうな表情を浮かべており、19種族の剣聖は暇そうな表情で動向を静観している。
現在進行形で戦闘をしている仮面の男は、少し距離を空けて身構え、残像剣から生み出されたセカンドブレードが、その男を中心にクルクルと周回していた。
まるで、生き物のようだ。
そして、男の頭上には、4本目の刀となるフォースブレードが姿を現し大きな剣先を天井へ向けるように立っていた。
10m程度の大きさがあり、圧倒的な攻撃力を醸し出している。
刀を握り、剣先を向けているキングからは、凄みのようなオーラが発せられてくる。
両手に六角柱を握りしめた人型の憑依体がキングからの攻撃に備え、俺を守るように全面に出てきていた。
仮面の男から発せらている半端ない圧力に、体内に潜航させている亀の憑依体からも緊張感が伝わってくる。
そして暗黒球体の憑依体は、形態を変化させ特定のポイントまで移動させていた。
仮面の男が悪魔の力を得て獲得した『絶対距離』を攻略することは、俺には出来ないかもしれないが、命に代えても安杏里を護ると約束した。
そして悪魔に魂を売り、千年戦争のために組織を利用した男は、掟により始末しなければならない。
何よりも、俺自身のためにここは引くわけにはいかない。
まずキングの方から先に動いてきた。
セカンドブレードが剣先を向け、ミサイルのように飛ばしてきたのだ。
事前に決めていた役割分担のとおり、それを人型の憑依体が迎え撃つために前へ出ていく。
先ほどと同じ展開のとおり、憑依体が持っている六角柱でセカンドブレードをさばくと、更に先の攻防と同じように仮面の男へ向かい、俺は走り始めた。
同様の展開に見えるが、違うことがある。
それは姿を現しているフォースブレードの存在だ。
10m程度ある刀身から繰り出させる攻撃を受けてしまうと、防御属性の亀の憑依体を持ってしても防ぎきれるとは思えない。
本来なら、キングの頭上から振り下ろされてくるフォースブレードを、人型の憑依体で受け流させたいところではあるが、それはキングの方も分かっており、セカンドブレードで俺の手持ちの憑依体を1つ引き剥がしにきたのだろう。
だが、俺の方も奴がそうしてくるであろうことは予測していた。
―――――――――――――俺は体勢を低くとり、仮面の男へ加速し特攻を開始した。
「ふっ。フォルマルテ。圧倒的に不利な状況下にいるお前の方から距離をつめてくるとは、その精神力はさすがだな。だが、もう同じ手は通用しないぞ。」
いま最も注意しなければならないのは、隠密属性を持つサードブレードの存在だ。
劣勢となった時にしてはならない行為は、受けにまわらないこと。
この局面でひたすら防御に徹っしてしまうと、サードブレードの餌食になるだろう。
逆境に陥っているからこそ、動いていかなければならないのだ。
『絶対距離』を獲得している奴へ俺の攻撃が届くことはないかもしれない。
だが、出来る限りのことをやらなければ後悔する。
キングが俺を迎撃するために、残像剣を上段に構えてきたところをみると、渾身の上段斬りを見舞うつもりのようだ。
そして、頭上のフォースブレードはいまだに動く気配はない。
キングへ突撃をしながら、出来るだけ自然な仕草で床に手を触れた。
――――――――――そこで暗黒球体の憑依体を拾ったのだ。
暗黒球体の特徴は、移動速度が遅いが全てを嚙み砕く獰猛なこと。
そしてもう一つ。その体型を小さくすることができたのである。
キングで接触する前に、手のひらに収まるサイズに収縮させた暗黒球体の憑依体を、回収したのだ。
だが、仮面の男にも気が付かれてしまった。
「フォルマルテ。お前、今、何かを拾ったな。何を拾ったんだ!」
その声からは、僅かではあるが心の乱れを感じる。
実をいうと、奴に気が付かれるであろうことは織り込み済みだ。
たが、暗黒球体のサイズが変わっていることまで認識できていないお前は、俺が得体の知れないものを拾った姿を見てしまい、本能的に不安を感じたはず。
そう。得体の知れないものというところがポイントだ。
お前は、積極的に動かざるえない精神状態に追い込まれてしまったわけだ。
――――――――――キングが残像剣を上段に構えながら踏み込み、そして同時に頭上のフォースブレードを振り下ろしてきた。
お前は自発的に動いたものと思っているのだろうが、実際には俺に動かされたのだ。
亀の憑依体が、振り降ろされてくるフォースブレードから俺を守るために、体から浮き出てきた。
頼む。一度だけ凌いでくれ。
亀の憑依体に10mある刀身が激突した。
凄まじ衝突音が鳴り響く。
亀から悲鳴が聞こえてくる。
よく持ち堪えてくれた。もう十分だ。
既に亀の甲羅は砕け散っていた。
威力を失ったフォースブレードは弾き返されている。
お前のおかげで、キングへ接近することが出来たぜ。
――――――――――仮面の男が、俺の名前を叫びながら、上段に構えていた残像剣を振り降ろしてきた。
「フォルマルテェェェ!」
その声には、想定したとおりに事が運ばなかった怒りのようなものが込められていた。
亀の憑依体を失った俺には、その渾身の一撃を受けきることはできない。
ここまで俺の想定どおりの展開に進んでいるのであるが、そのシュミレーション通りに進むと、次は俺がキングに殺されてしまうことになっている。
そう。俺の思い描いたシュミレーションとは、キングと刺し違えること。
――――――――――仮面の男の残像剣が俺を切り裂いた。
だが、お前だけは俺の手で始末する!
体を斬り裂かれながら、拳を突き出し、握っていた暗黒球体を突き出した。
――――――――――キングの喉元を食いちぎれ!
仮面の男の虚を完全についていた。
だが、キングの体が暗黒球体から離れていく。
またしても『絶対距離』の効果が作用しているのか。
やはり俺では、奴を倒すことが出来ないのか…。
俺の命を差し出しても、奴には届かないのか…。
切り裂かれた体が床へ崩れていった。
視界は消え、真っ暗な世界が広がっていく。
キングからの声が聞こえてくる。
「フォルマルテ。悪魔の力が無ければ、私は2度、お前に殺されていた。」
テスタが俺の名前を呼んでいる声が聞こえてくる。
立ちあがろうとするが体が動かない。
ああ。俺はまもなく死んでしまうのか。
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