8 / 142
第8話 私の鬼可愛最強がそんな話しだと?
しおりを挟む
ここはA級迷宮の最下層。
半円形状の空間が都市の大通りのように真っ直ぐ奥へ伸びていた。
幅が20mほどありそうな床には大判の石が貼られており、天井から落ちてくる光が迷宮内を昼間のように明るく照らしている。
迷宮主が消え、禍々しかった空気がきえていた。
流れてくる風が気持ちいい。
美人賢者が床に転がっている石化した聖戦士へ浄化をかけている姿がある。
勇者と強斥候の品のない笑い声が迷宮内にこだましていた。
倒したコカトリスから出てきた魔石の大きさに、大はしゃぎをしていたのだ。
「おいおいおい。こんなでかい魔石、見た事ないぜ。」
「マジでヤバいっす。」
「これって、S級よりも大きくないか?」
「確かにS級よりも大きいっすね。」
「S級の上のクラスってことかよ。」
「そうだとしたら、ドラゴン級になるっすよ。」
「いくらなんでもドラゴン級ってことはないだろ。」
「でもこれって、帝国史上で1番大きい魔石じゃないっすか。」
「だよな。」
この迷宮に来た目的は2つ。
その1つはA級冒険者を決めるオリオンへ参加するため、B級5位に位置する美人賢者の順位を押し上げること。
コカトリスを討伐し、その目的は達成することが出来たといえるだろう。
もう1つの目的は、聖戦士の救出である。
石化してしまった聖戦士へ美人賢者が『浄化』を開始してから、かれこれ10分ほどが経過していた。
そして、ようやく聖戦士の心臓が活動を再開した。
ホッとした様子の美人賢者からアイコンタクトを受け、聖戦士の名前を呼びかけてみた。
「聖戦士、私の声が聞こえていますか?」
地面へ仰向けになっている体を揺らし、名前を呼んでみたが反応がない。
石化が解け、心臓が動いても、意識を戻さないことはある。
浮かれていた勇者と強斥候の2人も、聖戦士の様子を心配そうに覗き込んでいた。
緊張した空気は流れ始めている。
なぜ目を覚さないのだ。
うむ。私の経験上、こういう時はショック療法に限る。
美人賢者達に見守られる中、膝を地面に付いた姿勢をキープしつつ、拳を振り下ろした。
『ボコ。』
その一撃に空気が揺れる。
静寂の空間に、除夜の鐘のような気持ちいい打撃音が鳴り響いていた。
なぜか美人賢者は目を丸くし、勇者と強斥候は慌てた様子で、私を静止するようなゼスチャーをしてきた。
「三華月。お前、いきなり何をやってんだ!」
「おい。今、変な音がしたっすよ。」
「頭蓋骨が砕けた音がしたぞ。」
「もしかして、ショック療法のつもりっすか!」
「ショック療法って、お前、原始人だったのかよ!」
「そうっす。聖女がショック療法をするなんて、ありえないんすけど。」
死なない程度くらいの加減くらいは出来ますよ。
やれやれ。私を常識が欠如した猛獣とでも思っているのかしら。
それよりも、聖戦士の頭を殴ってみてだが、違和感があった。
そう。硬いというか、石を殴った感じがしたのだ。
聖戦士がピクリと動き、うめき声を出し始めた。
「だから、何度も俺を殴るんじゃない…。」
ようやく意識を取り戻したか。
はい。こういう時はショック療法が一番であることが証明されました。
とはいうものの、力加減を間違えてしまったのではないかと、少なからずビビってしまっていたことも事実である。
それはさておき、今しがた聖戦士が喋った言葉が気になる。
5話で聖戦士を殴った時に同じような台詞を言っていた。
ボコボコと殴っていたあの時から、男の時間が止まっているようだ。
苦痛に顔を歪めている聖戦士へ、大声で呼びかけてみた。
「聖戦士、私は三華月です。分かりますか。」
「お前は、確か、傭兵聖女だったな。」
反応してきたその声はたどたどしい。
聖戦士は目を開き、いまだ焦点が定まっていないものの、会話ができ私の事も認識出来ている。
大丈夫そうだ。
じきに意識もはっきりしてくるだろう。
というか、傭兵聖女という言い方は、歴史上最も心清らかに見れるはずの聖女に失礼だろ。
再度鉄拳制裁を見舞いたいところではあるが、まぁ今は記憶の確認の方が優先される。
運のいい奴だ。
「聖戦士。あなたは最下層でコカトリスに出会ったはず。そして『石化』してしまった事を覚えていますか。」
「そうだ。俺は馬鹿でかいコカトリスに出会ってしまい、『石化光線』を受けたんだ。」
「安心して下さい。そのコカトリスについては討伐させてもらいました。」
「お前達が、あれを倒したのか。」
「はい。石化状態だった聖戦士を、美人賢者《アメリア》が浄化してくれました。」
「そうか。それはすまなかったな。」
記憶の方も正常なようだ。
忍者を討伐する駒として充分使えそうだ。
引き続き身体に異常がないか確認していくと、やはり違和感がある。
その違和感の正体は何でしょうか。
姿は変わりないが、聖戦士の体重がとても重くなっているように感じる。
仰向けになっている聖戦士を挟み、向かいにいる美人賢者も違和感がある事に気がついていた。
「聖戦士。体に何か異常を感じられますか。」
「感じる。俺の『石化』はまだ解けていない気がする。」
石化が解けていないとは、どう言う事だ。
美人賢者と目を合わすと『そんなはずはない』とのゼスチャーをしてきた。
『石化』は完全に解除されていると私にも分かる。
やはり何かがおかしい。
———————聖戦士はS級スキル『石化状態』を獲得していた。
スキル『石化状態』。
初めて聞くスキルだ。
石化した特性を発動しながら通常の行動が可能となる。
「聖戦士、剣を振ってみて下さい。」
「分かった。」
既に立ち上がっていた聖戦士は、鞘から剣を抜き振ってみせた。
動作に違和感は見られない。
本人も何ら問題ないようだ。
いろいろ試してみて分かったことは、聖戦士の体の強度が異常に上がっており、更に異常状態を一切受け付けない体質になっていた。
『石化状態』のまま動く事が出来るこのスキルは相当に優れている。
「聖戦士は最強です。」
「俺が最強だと?」
「スキル『石化状態』を獲得した聖戦士は、忍者に勝つ事が出来るかもしれません。」
「俺が忍者を倒せるのか?」
虚ろだった聖戦士の瞳に輝きが戻ってきた。
なんといっても『異常状態無効』の効果が素晴らしい。
更に物理ダメージもほぼ受けない。
聖戦士はS級冒険者と同等の力を持っていると言えるだろう。
さて、聖戦士にはやる気を出してもらわなければならない。
「私もサポートします。聖戦士が忍者に負ける事は無いと思いますよ。」
一つのシナリオをたててみた。
オリオンで、聖戦士が忍者を倒す。
そして聖戦士がファミリーのボスに復帰し、ハーレム王へ戻った聖騎士に、再び討伐の神託が降りてくる。
そして有難くハーレム王に返り咲いた聖戦士を討伐し、下がった信仰心の値を取り戻す。
なんて素晴らしいプランなんだ。
うむ。自画自賛だ。
私の信仰心を下げやがった忍者に復讐ができるし。
逆恨みではあるが、何ら問題ない。
これが私の平常運転なのだ。
忍者に逆襲をしますよ。
◇
帝都では行方不明となっていた聖戦士が冒険者登録から外され、合わせて『オリオン』の開催が宣言されていた。
開催は3日後。
上位4位までのB級冒険者がそれぞれパーティーを組み、ギルドが指定したA級迷宮を攻略したパーティーが『オリオン』の勝者となり、A級冒険者に昇格する。
装備品やアイテム品が集まる商店街モールの中心にある一角に、帝都で冒険者達が最も集まってくるギルド麒麟の建物はある。
大きなレンガ造りの建物内には100人以上の冒険者が入っていたが、まだ余裕があり混雑しているほどではない。
10m以上ある天井内に人の声が反響している。
私は、鉄仮面で顔を隠しフードを頭の上からすっぽり被っている聖戦士と一緒に、冒険者の登録を行うためにここへ来ていた。
新人冒険者を見かけて喧嘩を売るような非常識な者はいない。
聖戦士がかぶっている鉄仮面の姿が怪し過ぎて、思いっきりギルド館内で目立っている。
名前を呼ばれようやくカウンター席につき、冒険者登録を開始した。
早速といった感じで、ギルドのお姉さんが笑顔をつくりながら要件について尋ねてきた。
「冒険者登録の申請ですね。」
「私は三華月で、JOBは聖女です。」
「はい。F級冒険者に登録させて頂きます。」
おいおいおい。私をもってしても初級冒険者から始めないとならないのかよ。
私は武神の家系の純血種であり、人類史上最強なはず。
規則ならば仕方がないのかもしれないが、受付のお姉さんは聖女である私の事を知らない可能性もある。
念のために、私について確かめてみるべきところだろう。
「受付のお嬢さん。私は聖女の三華月です。ご存知ありませんか。」
「もちろん知っています。鬼可愛い三華月様の事を知らない女子はこの帝都にはいませんよ。」
「鬼可愛は最強と聞きましたけど。」
「はい。三華月様は鬼かわ超最強です。」
ギルドのお姉さんの瞳が輝いている。
うむ。これはつくり笑顔ではない。
やはり鬼可愛いは超最強だったのか。
ふみふみ。受付嬢は物事が超分かっているではないか。
これはお茶でも奢らなければならない気持ちになってしまったな。
そのギルドのお姉さんと、機嫌良く話しをしていると聖戦士が口を挟んできた。
「おい受付。そんな話しよりも俺の冒険者登録を早くお願いしたいのだが。」
―――――――私の鬼可愛最強がそんな話しだと!
「失礼しました。お名前はJ《ジェイ》さん、JOBは戦士ですね。登録させて頂きます。」
「急いでくれると有難い。」
反射的に聖戦士へ鉄拳制裁をいれようとした行為を思いとどまった自身に対し称賛しながらギルドホールの壁へ視線を移すと、帝都冒険者のランキングが書かられている用紙が掲載されていることに気がついた。
美人賢者はB級2位に入っている。
B級1位は、忍者の光太だ。
これで私はオリオンに参加し、忍者へ復讐できる資格ができた。
とはいうものの、S級の実力を備えた聖戦士をもってしても忍者が獲得している『影使い』の攻略は難しい。
つまり私が『影使い』に『SKILL_VIRUS』を撃ち込まなければならないのだ。
忍者に対してスキル『隠密』を使用して接近するのは危険だ。
やはりここは、月の加護を受ける深夜に長距離からVIRUSを撃ち込まなければならないのだろう。
ここは、とあるレストラン。
個室を貸し切り、聖戦士を加えた美人賢者達で3日後に開催される『オリオン』について話しをしていた。
壁天井は古い壁紙が貼られ、床には石が貼られている。
中央には8人掛けの丸テーブルがあり、壁際には予備の椅子が並べられ、窓からは太陽の光が入ってきている。
そのテーブルには、美人賢者達と聖戦士が座っており、4人の会話が聞こえてきていた。
「『オリオン』の勝利条件は、A級ダンジョンを攻略したものが勝者と発表がありました。」
「結局のところ、三華月がいれば楽勝だろ。」
「僕達の勝利は確実っすね。」
緩く緊張感の無い空気が流れている。
私単独で攻略するなら何ら問題ないが、勇者をはじめ実力が足りていない者が足手まといというのが実際だ。
その2人は、足でまといである認識をもっているものの、それを楽しんでいるふしがある。
そんな勇者と強斥候の様子を見て、聖戦士がと美人賢者が戒めるような発言を開始してきた。
「気を引き締めろ。俺達にとってA級迷宮攻略は楽勝ではないぞ。」
「そうです。聖戦士様の言う通りです。もっと緊張感を持ちましょう。」
「迷宮主がS級であるかもしれない事も忘れるなよ。」
「いや。いや。鬼聖女がいれば、S級の魔物でも問題ないだろ。」
「実際に、超大型のコカトリスを瞬殺した鬼聖女様っすからね。」
「「ガハハハッ」」
うんこ2人には注意を促しても無駄だな。
実際のところは、私でも『月の加護』が受けられないダンジョン内においてS級相当の魔物を相手にするには、不安である。
ステータスダウンの効果がある『アビスカーズ』や、究極SKILLを繰り出されてしまったら、対応できない可能性があるからだ。
そうはいうものの、S級相当の魔物が出てきたら勇者達には下がらせなければならない。
「迷宮主がS級相当だったその時は、私と聖戦士にて戦うことにします。三人は安全圏まで後退していて下さい。」
「よし。頼んだぜ。」
「安心して下さい。最初から、そのつもりっす。」
「ちょっと待ってくれ。俺をあてにしているのか!」
うむ。うんこ2人ついては安定の反応だ。
聖戦士も驚いているぶんについては、少し予測外だ。
あなたの『石化効果』は、私にとって無敵の盾役だと教えたはず。
しかしながら戦闘は未経験だし、自覚できていないのもいたし方ないところか。
美人賢者については、常識ある反応をしてきた。
「三華月様。聖戦士様。頼ってばかりで申し訳ありません。」
「S級の魔物が出てきた際は、美人賢者には聖戦士のサポートを、強斥候は警戒していて下さい。」
「お、おい。勇者の事を忘れているぞ!」
勇者か。
B級ダンジョン攻略の際、前衛が務まらなかった者に出来る事とは、結構難題かもしれない。
荷物持ちも出来ないし。
すぐに逃げようとするし。
こいつに出来ること言えば、邪魔にならないことくらいのものかしら。
「勇者は、その辺りで適当にしてもらえていればいいです。」
「なるほど。俺は臨機応変に動くジョーカーみたいな役割を背負っているということだな。」
なんて、前向きな奴なんだ。
その時、レストランの個室の扉を誰かがノックしてきた。
聖戦士は、外部にその存在が知られてはまずいため、ドアから背を向けさせた。
そして扉を開くと、先日酒場で勇者がダンジョンから帰ってきていないことを聞いて、ボロ泣きしていたロリ巨乳神官メルンの姿がある。
ロリ巨乳神官が、忍者が美人賢者と話し合いをしたいとの話しを伝えにきたのだ。
「忍者が、美人賢者様と一度話し合いたいとの申し出があり、お伝えにまいりました。」
「承知しました。そちらの屋敷まで伺いに上がることにしましょう。」
美人賢者は即答したが、その判断に勇者は反対し、強斥候は賛成した。
もちろん私は賛成である。
面白い事になりそうだからだ。
更に忍者のスキル『影使い』へ『SKILL_VIRUS』を撃ち込めるチャンスでもある。
その時である。
笑顔をつくっていたロリ巨乳神官の表情が一変した。
―――――――背中を向けさせていた聖戦士の正体について、勘付かれてしまったのだ!
ロリ巨乳神官が大きな声を張り上げた。
「もしかして、あなたはジェット様なのではありませんか!」
半円形状の空間が都市の大通りのように真っ直ぐ奥へ伸びていた。
幅が20mほどありそうな床には大判の石が貼られており、天井から落ちてくる光が迷宮内を昼間のように明るく照らしている。
迷宮主が消え、禍々しかった空気がきえていた。
流れてくる風が気持ちいい。
美人賢者が床に転がっている石化した聖戦士へ浄化をかけている姿がある。
勇者と強斥候の品のない笑い声が迷宮内にこだましていた。
倒したコカトリスから出てきた魔石の大きさに、大はしゃぎをしていたのだ。
「おいおいおい。こんなでかい魔石、見た事ないぜ。」
「マジでヤバいっす。」
「これって、S級よりも大きくないか?」
「確かにS級よりも大きいっすね。」
「S級の上のクラスってことかよ。」
「そうだとしたら、ドラゴン級になるっすよ。」
「いくらなんでもドラゴン級ってことはないだろ。」
「でもこれって、帝国史上で1番大きい魔石じゃないっすか。」
「だよな。」
この迷宮に来た目的は2つ。
その1つはA級冒険者を決めるオリオンへ参加するため、B級5位に位置する美人賢者の順位を押し上げること。
コカトリスを討伐し、その目的は達成することが出来たといえるだろう。
もう1つの目的は、聖戦士の救出である。
石化してしまった聖戦士へ美人賢者が『浄化』を開始してから、かれこれ10分ほどが経過していた。
そして、ようやく聖戦士の心臓が活動を再開した。
ホッとした様子の美人賢者からアイコンタクトを受け、聖戦士の名前を呼びかけてみた。
「聖戦士、私の声が聞こえていますか?」
地面へ仰向けになっている体を揺らし、名前を呼んでみたが反応がない。
石化が解け、心臓が動いても、意識を戻さないことはある。
浮かれていた勇者と強斥候の2人も、聖戦士の様子を心配そうに覗き込んでいた。
緊張した空気は流れ始めている。
なぜ目を覚さないのだ。
うむ。私の経験上、こういう時はショック療法に限る。
美人賢者達に見守られる中、膝を地面に付いた姿勢をキープしつつ、拳を振り下ろした。
『ボコ。』
その一撃に空気が揺れる。
静寂の空間に、除夜の鐘のような気持ちいい打撃音が鳴り響いていた。
なぜか美人賢者は目を丸くし、勇者と強斥候は慌てた様子で、私を静止するようなゼスチャーをしてきた。
「三華月。お前、いきなり何をやってんだ!」
「おい。今、変な音がしたっすよ。」
「頭蓋骨が砕けた音がしたぞ。」
「もしかして、ショック療法のつもりっすか!」
「ショック療法って、お前、原始人だったのかよ!」
「そうっす。聖女がショック療法をするなんて、ありえないんすけど。」
死なない程度くらいの加減くらいは出来ますよ。
やれやれ。私を常識が欠如した猛獣とでも思っているのかしら。
それよりも、聖戦士の頭を殴ってみてだが、違和感があった。
そう。硬いというか、石を殴った感じがしたのだ。
聖戦士がピクリと動き、うめき声を出し始めた。
「だから、何度も俺を殴るんじゃない…。」
ようやく意識を取り戻したか。
はい。こういう時はショック療法が一番であることが証明されました。
とはいうものの、力加減を間違えてしまったのではないかと、少なからずビビってしまっていたことも事実である。
それはさておき、今しがた聖戦士が喋った言葉が気になる。
5話で聖戦士を殴った時に同じような台詞を言っていた。
ボコボコと殴っていたあの時から、男の時間が止まっているようだ。
苦痛に顔を歪めている聖戦士へ、大声で呼びかけてみた。
「聖戦士、私は三華月です。分かりますか。」
「お前は、確か、傭兵聖女だったな。」
反応してきたその声はたどたどしい。
聖戦士は目を開き、いまだ焦点が定まっていないものの、会話ができ私の事も認識出来ている。
大丈夫そうだ。
じきに意識もはっきりしてくるだろう。
というか、傭兵聖女という言い方は、歴史上最も心清らかに見れるはずの聖女に失礼だろ。
再度鉄拳制裁を見舞いたいところではあるが、まぁ今は記憶の確認の方が優先される。
運のいい奴だ。
「聖戦士。あなたは最下層でコカトリスに出会ったはず。そして『石化』してしまった事を覚えていますか。」
「そうだ。俺は馬鹿でかいコカトリスに出会ってしまい、『石化光線』を受けたんだ。」
「安心して下さい。そのコカトリスについては討伐させてもらいました。」
「お前達が、あれを倒したのか。」
「はい。石化状態だった聖戦士を、美人賢者《アメリア》が浄化してくれました。」
「そうか。それはすまなかったな。」
記憶の方も正常なようだ。
忍者を討伐する駒として充分使えそうだ。
引き続き身体に異常がないか確認していくと、やはり違和感がある。
その違和感の正体は何でしょうか。
姿は変わりないが、聖戦士の体重がとても重くなっているように感じる。
仰向けになっている聖戦士を挟み、向かいにいる美人賢者も違和感がある事に気がついていた。
「聖戦士。体に何か異常を感じられますか。」
「感じる。俺の『石化』はまだ解けていない気がする。」
石化が解けていないとは、どう言う事だ。
美人賢者と目を合わすと『そんなはずはない』とのゼスチャーをしてきた。
『石化』は完全に解除されていると私にも分かる。
やはり何かがおかしい。
———————聖戦士はS級スキル『石化状態』を獲得していた。
スキル『石化状態』。
初めて聞くスキルだ。
石化した特性を発動しながら通常の行動が可能となる。
「聖戦士、剣を振ってみて下さい。」
「分かった。」
既に立ち上がっていた聖戦士は、鞘から剣を抜き振ってみせた。
動作に違和感は見られない。
本人も何ら問題ないようだ。
いろいろ試してみて分かったことは、聖戦士の体の強度が異常に上がっており、更に異常状態を一切受け付けない体質になっていた。
『石化状態』のまま動く事が出来るこのスキルは相当に優れている。
「聖戦士は最強です。」
「俺が最強だと?」
「スキル『石化状態』を獲得した聖戦士は、忍者に勝つ事が出来るかもしれません。」
「俺が忍者を倒せるのか?」
虚ろだった聖戦士の瞳に輝きが戻ってきた。
なんといっても『異常状態無効』の効果が素晴らしい。
更に物理ダメージもほぼ受けない。
聖戦士はS級冒険者と同等の力を持っていると言えるだろう。
さて、聖戦士にはやる気を出してもらわなければならない。
「私もサポートします。聖戦士が忍者に負ける事は無いと思いますよ。」
一つのシナリオをたててみた。
オリオンで、聖戦士が忍者を倒す。
そして聖戦士がファミリーのボスに復帰し、ハーレム王へ戻った聖騎士に、再び討伐の神託が降りてくる。
そして有難くハーレム王に返り咲いた聖戦士を討伐し、下がった信仰心の値を取り戻す。
なんて素晴らしいプランなんだ。
うむ。自画自賛だ。
私の信仰心を下げやがった忍者に復讐ができるし。
逆恨みではあるが、何ら問題ない。
これが私の平常運転なのだ。
忍者に逆襲をしますよ。
◇
帝都では行方不明となっていた聖戦士が冒険者登録から外され、合わせて『オリオン』の開催が宣言されていた。
開催は3日後。
上位4位までのB級冒険者がそれぞれパーティーを組み、ギルドが指定したA級迷宮を攻略したパーティーが『オリオン』の勝者となり、A級冒険者に昇格する。
装備品やアイテム品が集まる商店街モールの中心にある一角に、帝都で冒険者達が最も集まってくるギルド麒麟の建物はある。
大きなレンガ造りの建物内には100人以上の冒険者が入っていたが、まだ余裕があり混雑しているほどではない。
10m以上ある天井内に人の声が反響している。
私は、鉄仮面で顔を隠しフードを頭の上からすっぽり被っている聖戦士と一緒に、冒険者の登録を行うためにここへ来ていた。
新人冒険者を見かけて喧嘩を売るような非常識な者はいない。
聖戦士がかぶっている鉄仮面の姿が怪し過ぎて、思いっきりギルド館内で目立っている。
名前を呼ばれようやくカウンター席につき、冒険者登録を開始した。
早速といった感じで、ギルドのお姉さんが笑顔をつくりながら要件について尋ねてきた。
「冒険者登録の申請ですね。」
「私は三華月で、JOBは聖女です。」
「はい。F級冒険者に登録させて頂きます。」
おいおいおい。私をもってしても初級冒険者から始めないとならないのかよ。
私は武神の家系の純血種であり、人類史上最強なはず。
規則ならば仕方がないのかもしれないが、受付のお姉さんは聖女である私の事を知らない可能性もある。
念のために、私について確かめてみるべきところだろう。
「受付のお嬢さん。私は聖女の三華月です。ご存知ありませんか。」
「もちろん知っています。鬼可愛い三華月様の事を知らない女子はこの帝都にはいませんよ。」
「鬼可愛は最強と聞きましたけど。」
「はい。三華月様は鬼かわ超最強です。」
ギルドのお姉さんの瞳が輝いている。
うむ。これはつくり笑顔ではない。
やはり鬼可愛いは超最強だったのか。
ふみふみ。受付嬢は物事が超分かっているではないか。
これはお茶でも奢らなければならない気持ちになってしまったな。
そのギルドのお姉さんと、機嫌良く話しをしていると聖戦士が口を挟んできた。
「おい受付。そんな話しよりも俺の冒険者登録を早くお願いしたいのだが。」
―――――――私の鬼可愛最強がそんな話しだと!
「失礼しました。お名前はJ《ジェイ》さん、JOBは戦士ですね。登録させて頂きます。」
「急いでくれると有難い。」
反射的に聖戦士へ鉄拳制裁をいれようとした行為を思いとどまった自身に対し称賛しながらギルドホールの壁へ視線を移すと、帝都冒険者のランキングが書かられている用紙が掲載されていることに気がついた。
美人賢者はB級2位に入っている。
B級1位は、忍者の光太だ。
これで私はオリオンに参加し、忍者へ復讐できる資格ができた。
とはいうものの、S級の実力を備えた聖戦士をもってしても忍者が獲得している『影使い』の攻略は難しい。
つまり私が『影使い』に『SKILL_VIRUS』を撃ち込まなければならないのだ。
忍者に対してスキル『隠密』を使用して接近するのは危険だ。
やはりここは、月の加護を受ける深夜に長距離からVIRUSを撃ち込まなければならないのだろう。
ここは、とあるレストラン。
個室を貸し切り、聖戦士を加えた美人賢者達で3日後に開催される『オリオン』について話しをしていた。
壁天井は古い壁紙が貼られ、床には石が貼られている。
中央には8人掛けの丸テーブルがあり、壁際には予備の椅子が並べられ、窓からは太陽の光が入ってきている。
そのテーブルには、美人賢者達と聖戦士が座っており、4人の会話が聞こえてきていた。
「『オリオン』の勝利条件は、A級ダンジョンを攻略したものが勝者と発表がありました。」
「結局のところ、三華月がいれば楽勝だろ。」
「僕達の勝利は確実っすね。」
緩く緊張感の無い空気が流れている。
私単独で攻略するなら何ら問題ないが、勇者をはじめ実力が足りていない者が足手まといというのが実際だ。
その2人は、足でまといである認識をもっているものの、それを楽しんでいるふしがある。
そんな勇者と強斥候の様子を見て、聖戦士がと美人賢者が戒めるような発言を開始してきた。
「気を引き締めろ。俺達にとってA級迷宮攻略は楽勝ではないぞ。」
「そうです。聖戦士様の言う通りです。もっと緊張感を持ちましょう。」
「迷宮主がS級であるかもしれない事も忘れるなよ。」
「いや。いや。鬼聖女がいれば、S級の魔物でも問題ないだろ。」
「実際に、超大型のコカトリスを瞬殺した鬼聖女様っすからね。」
「「ガハハハッ」」
うんこ2人には注意を促しても無駄だな。
実際のところは、私でも『月の加護』が受けられないダンジョン内においてS級相当の魔物を相手にするには、不安である。
ステータスダウンの効果がある『アビスカーズ』や、究極SKILLを繰り出されてしまったら、対応できない可能性があるからだ。
そうはいうものの、S級相当の魔物が出てきたら勇者達には下がらせなければならない。
「迷宮主がS級相当だったその時は、私と聖戦士にて戦うことにします。三人は安全圏まで後退していて下さい。」
「よし。頼んだぜ。」
「安心して下さい。最初から、そのつもりっす。」
「ちょっと待ってくれ。俺をあてにしているのか!」
うむ。うんこ2人ついては安定の反応だ。
聖戦士も驚いているぶんについては、少し予測外だ。
あなたの『石化効果』は、私にとって無敵の盾役だと教えたはず。
しかしながら戦闘は未経験だし、自覚できていないのもいたし方ないところか。
美人賢者については、常識ある反応をしてきた。
「三華月様。聖戦士様。頼ってばかりで申し訳ありません。」
「S級の魔物が出てきた際は、美人賢者には聖戦士のサポートを、強斥候は警戒していて下さい。」
「お、おい。勇者の事を忘れているぞ!」
勇者か。
B級ダンジョン攻略の際、前衛が務まらなかった者に出来る事とは、結構難題かもしれない。
荷物持ちも出来ないし。
すぐに逃げようとするし。
こいつに出来ること言えば、邪魔にならないことくらいのものかしら。
「勇者は、その辺りで適当にしてもらえていればいいです。」
「なるほど。俺は臨機応変に動くジョーカーみたいな役割を背負っているということだな。」
なんて、前向きな奴なんだ。
その時、レストランの個室の扉を誰かがノックしてきた。
聖戦士は、外部にその存在が知られてはまずいため、ドアから背を向けさせた。
そして扉を開くと、先日酒場で勇者がダンジョンから帰ってきていないことを聞いて、ボロ泣きしていたロリ巨乳神官メルンの姿がある。
ロリ巨乳神官が、忍者が美人賢者と話し合いをしたいとの話しを伝えにきたのだ。
「忍者が、美人賢者様と一度話し合いたいとの申し出があり、お伝えにまいりました。」
「承知しました。そちらの屋敷まで伺いに上がることにしましょう。」
美人賢者は即答したが、その判断に勇者は反対し、強斥候は賛成した。
もちろん私は賛成である。
面白い事になりそうだからだ。
更に忍者のスキル『影使い』へ『SKILL_VIRUS』を撃ち込めるチャンスでもある。
その時である。
笑顔をつくっていたロリ巨乳神官の表情が一変した。
―――――――背中を向けさせていた聖戦士の正体について、勘付かれてしまったのだ!
ロリ巨乳神官が大きな声を張り上げた。
「もしかして、あなたはジェット様なのではありませんか!」
0
あなたにおすすめの小説
『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
領民の幸福度がガチャポイント!? 借金まみれの辺境を立て直す【領地ガチャ】が最強すぎた!内政でUR「温泉郷」と「聖獣」を引き当てて…
namisan
ファンタジー
「役立たず」と中央から追放された没落貴族の俺、アルト・フォン・クライナー。継いだのは、借金まみれで作物も育たない見捨てられた辺境領地だけだった。
絶望する俺に発現したスキルは【領地ガチャ】。それは、領民の「幸福度」をポイントとして消費し、領地発展に必要なものを引き当てる唯一無二の能力だった。
「領民を幸せにすれば、領地も豊かになる!」
俺は領民と共に汗を流し、壊れた水路を直し、地道に幸福度を稼ぐ。
『N:ジャガイモの種』『R:土木技術書』
地味だが確実な「当たり」で、ほのぼのと領地を再建していく。
だが、ある日。溜め込んだ幸福度で引いたガチャが、俺の運命を激変させる。
『UR(ウルトラレア):万病に効く【奇跡の温泉郷】』
この「当たり」が、中央の腐敗した貴族たちの欲望を刺激した。
借金のカタに領地を狙う大商会の令嬢。
温泉利権を奪うため、父の命で派遣されてきた元婚約者の侯爵令嬢。
「領民の幸福(ガチャポイント)を脅かす者は、誰であっても許さない」
これは、ただ平穏に暮らしたかっただけの俺が、ガチャで得た力(と証拠とゴーレムと聖獣)を駆使し、ほのぼの領地を守り抜き、いつの間にか最強の領主として成り上がっていく物語。
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
異世界に転生した俺は英雄の身体強化魔法を使って無双する。~無詠唱の身体強化魔法と無詠唱のマジックドレインは異世界最強~
北条氏成
ファンタジー
宮本 英二(みやもと えいじ)高校生3年生。
実家は江戸時代から続く剣道の道場をしている。そこの次男に生まれ、優秀な兄に道場の跡取りを任せて英二は剣術、槍術、柔道、空手など様々な武道をやってきた。
そんなある日、トラックに轢かれて死んだ英二は異世界へと転生させられる。
グランベルン王国のエイデル公爵の長男として生まれた英二はリオン・エイデルとして生きる事に・・・
しかし、リオンは貴族でありながらまさかの魔力が200しかなかった。貴族であれば魔力が1000はあるのが普通の世界でリオンは初期魔法すら使えないレベル。だが、リオンには神話で邪悪なドラゴンを倒した魔剣士リュウジと同じ身体強化魔法を持っていたのだ。
これは魔法が殆ど使えない代わりに、最強の英雄の魔法である身体強化魔法を使いながら無双する物語りである。
ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜
KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞
ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。
諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。
そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。
捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。
腕には、守るべきメイドの少女。
眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。
―――それは、ただの不運な落下のはずだった。
崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。
その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。
死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。
だが、その力の代償は、あまりにも大きい。
彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”――
つまり平和で自堕落な生活そのものだった。
これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、
守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、
いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。
―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。
出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜
シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。
起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。
その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。
絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。
役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
アルフレッドは平穏に過ごしたい 〜追放されたけど謎のスキル【合成】で生き抜く〜
芍薬甘草湯
ファンタジー
アルフレッドは貴族の令息であったが天から与えられたスキルと家風の違いで追放される。平民となり冒険者となったが、生活するために竜騎士隊でアルバイトをすることに。
ふとした事でスキルが発動。
使えないスキルではない事に気付いたアルフレッドは様々なものを合成しながら密かに活躍していく。
⭐︎注意⭐︎
女性が多く出てくるため、ハーレム要素がほんの少しあります。特に苦手な方はご遠慮ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる