104 / 142
第104話 ペンギンvsイムセティ
しおりを挟む
熱く湿った風が少し吹いていた。
穏やかだった海に波が出始めている。
空を覆う暗灰色の雲から糸のような雨が降ってくる中、旗艦ポラリスを操るペンギンと、力を失ったイムセティの戦闘が始まっていた。
鳥の姿をしたイムセティが真っ白な翼を広げて、旗艦ポラリスから1km程度の距離をとりながら、海上スレスレを旋回し始めている。
目測であるが、その速度は約200km。
雨しぶきが尾を引いていた。
想定していたより遥かに遅い。
その程度の速さなら、月の加護を受けない私でも、運命の弓にて余裕で撃墜できるだろう。
ペンギンが言う通り所詮は下級神の雑魚ということだ。
旗艦ポラリスの甲板に立っているペンギンは、ドヤ顔を浮かべながら気持ち良さそうに指揮棒を振るっていた。
機関砲の砲台が生き物のように動き、4本のマストに張られている帆を器用に操っている。
「これよりこの特級下僕であり、四天王の一翼を担うこのペンギンが、くそ生意気な三流神のクソ雑魚を、三華月様の世界から排除させて頂きます。」
「よろしくお願いします。」
その顔を見ると、自己陶酔していることごよく分かる。
私の世界というところを否定したいところではあるが、いちいち相手にするのが面倒だ。
ここは適当にお付き合いさせてもらいましょう。
ペンギンの振るう指揮棒に呼応するように、ポラリスの主砲の砲台、連射用の機関砲が器用に動いていく。
ポラリスが波を斬り裂く音が聞こえてくる中、ペンギンが指揮棒を勢いよく突き出しながら叫んだ。
「FEUER!」
同時に主砲が火を吹くと、大気に轟音が響き、発射した反動で甲板が揺れる。
弾道は僅かな放物線を描いていき、約1秒後イムセティへ着弾した。
空気抵抗、風量を計算仕切らないと、標的に命中させる事は不可能だ。
さすが最古のAIで参賢者の一角だと言えるだろう。
被弾したイムセティは黒煙が昇り墜落していく姿が見える。
遅れて、着弾した音が伝わってきた。
足元で指揮棒を振るいドヤ顔をしているペンギンが、こちらへ視線を送ってきている。
「これは私の力量の片鱗です。浮遊都市グラングランでは三華月様にボロカスにやられてしまいましたが、実際はこれくらいのことなら余裕で可能なのです。」
「さすがペンギンさん。ですが、奴はまだまだ元気のようですよ。」
遠くから怒りの入り混じった雄叫びが聞こえてきた。
イムセティの咆哮だ。
とはいえ、ペンギンにコケにされて激怒していると想像がつく。
ダメージは負っているものの、トドメを刺すまでには至っていない。
ペンギンが私の方へ向き直り、ドヤ顔を継続しながら優雅に頭を下げてきた。
「あの三流神がこれくらいで死なないのは想定内です。三華月様の期待にお応えさせて頂くことをお約束致します。」
ここまでは想定内ということか。
そういえば、移動都市グラングランでの戦闘では、私が想定外な行動をしたと言って激怒していたかしら。
裏を返せば、予測外の事態に弱いということなのではなかろうか。
この航海にかんしてもそうだ。
目的地である七武列島近海に出没するという伐折羅海賊への対策に、主砲を改造するまではいい。
「ペンギンさん。ここまでの展開が想定内であるのは理解しました。」
「何ですか。その引っ掛かるような言い方は。」
「はい。この海域の深海にいるクラーケンへの対策も想定して頂いていたなら、この旅はもっと楽になっていたかと思います。」
私からの言葉に、ペンギンのドヤ顔が一変した。
目が『クワッ』と見開いている。
これは定型の切れる前兆だ。
案の定といった感じで、言葉を強めてきた。
「三華月様が信仰心を稼いでいるうちに自ら望んでトラブルを引き寄せる不幸体質になられたと聞きました。つまりですね、その不幸体質に巻き込まれてこのラグナロク領域に迷いこんでしまった私の身にもなって下さいよ!」
ペンギンが深いため息をつきながら首を振っている。
おいおいおい。
ここに来てしまったのは、あなたが次元の狭間を見つけてしまい、考え無しにそこに飛び込んでしまったせいだろ。
私の体質は関係ない。
そう。トラブルを引き起こす体質である可能性が強いあなたに、そんな事は言われたくない。
向こうでは、ダメージは負いながらも、イムセティは旗艦ポラリスから更に距離を保ち、海上スレスレを旋回し始めている。
安全なエリアからポラリスへ突進するタイミングを測っているようだ。
ペンギンも同じ考えを持っているようで、最終局面が近づいていることを促してきた。
「フィナーレを迎えようとしております。どうぞ、私の活躍を刮目していて下さい。」
ポラリスを中心に海上を時速200kmで旋回していたイムセティが、進路方向を変えてきた。
―――――――――海上を走る旗艦ポラリスへ突進してくる。
突撃してくる者を狙撃する事は結構難易度が高い。
接近してくる標的を撃ち落とすことは、遠近感が掴みにくく、技術的に難しいからだ。
更に、攻撃されるという精神的なプレッシャーも重なるため、失敗する確率が高くなる。
だが、冷静な様子のペンギンを見ると、これも想定の範囲内だった感じだ。
ペンギンが指揮棒を細かく振ると、連射を最優先に設計されていると思われる8門の機関砲が突撃してくる標的へ照準を向けた。
凄まじい速度で既にイムセティがそこまで迫ってきている。
突撃してくるイムセティから、衝撃波が至近距離にて飛ばされてきた。
直撃を受けるとポラリスは崩壊するほどの威力がありそうだ。
ペンギンは、想定の範囲内の攻撃なのだろうか、ドヤ顔を崩すことなく気持ち良さそうに両手を広げると、ポラリスの周囲を護るように結界が展開されていく。
船体が揺らされるものの、障壁がイムセティから繰り出される衝撃波を防いでいる。
そして今度はペンギンが叫んだ。
「FEUER!」
イムセティの動きに合わせて、8門の機関砲から連射され始めた砲弾は、展開されている障壁をすり抜けていくと、頭上を通過していく標的を確実に捕らえていく。
鳥の姿をしていたイムセティは無数に被弾し、全身を蜂の巣にされその原型が分からい状態へなっていった。
マジか。力を失ったとはいえ、圧倒的に弱過ぎる神ではないか。
既に元の形が分からなくなった物体は、力なく浮島へ不時着していた。
ペンギンが更に指揮棒を大きく振ると、風を捕らえているポラリスがゆっくり浮島の方へ回頭を始め、ドヤ顔をこちらへ向けてきた。
「三華月様。それでは三流神が我々に命乞いをする姿を拝見しに行きましょう。」
穏やかだった海に波が出始めている。
空を覆う暗灰色の雲から糸のような雨が降ってくる中、旗艦ポラリスを操るペンギンと、力を失ったイムセティの戦闘が始まっていた。
鳥の姿をしたイムセティが真っ白な翼を広げて、旗艦ポラリスから1km程度の距離をとりながら、海上スレスレを旋回し始めている。
目測であるが、その速度は約200km。
雨しぶきが尾を引いていた。
想定していたより遥かに遅い。
その程度の速さなら、月の加護を受けない私でも、運命の弓にて余裕で撃墜できるだろう。
ペンギンが言う通り所詮は下級神の雑魚ということだ。
旗艦ポラリスの甲板に立っているペンギンは、ドヤ顔を浮かべながら気持ち良さそうに指揮棒を振るっていた。
機関砲の砲台が生き物のように動き、4本のマストに張られている帆を器用に操っている。
「これよりこの特級下僕であり、四天王の一翼を担うこのペンギンが、くそ生意気な三流神のクソ雑魚を、三華月様の世界から排除させて頂きます。」
「よろしくお願いします。」
その顔を見ると、自己陶酔していることごよく分かる。
私の世界というところを否定したいところではあるが、いちいち相手にするのが面倒だ。
ここは適当にお付き合いさせてもらいましょう。
ペンギンの振るう指揮棒に呼応するように、ポラリスの主砲の砲台、連射用の機関砲が器用に動いていく。
ポラリスが波を斬り裂く音が聞こえてくる中、ペンギンが指揮棒を勢いよく突き出しながら叫んだ。
「FEUER!」
同時に主砲が火を吹くと、大気に轟音が響き、発射した反動で甲板が揺れる。
弾道は僅かな放物線を描いていき、約1秒後イムセティへ着弾した。
空気抵抗、風量を計算仕切らないと、標的に命中させる事は不可能だ。
さすが最古のAIで参賢者の一角だと言えるだろう。
被弾したイムセティは黒煙が昇り墜落していく姿が見える。
遅れて、着弾した音が伝わってきた。
足元で指揮棒を振るいドヤ顔をしているペンギンが、こちらへ視線を送ってきている。
「これは私の力量の片鱗です。浮遊都市グラングランでは三華月様にボロカスにやられてしまいましたが、実際はこれくらいのことなら余裕で可能なのです。」
「さすがペンギンさん。ですが、奴はまだまだ元気のようですよ。」
遠くから怒りの入り混じった雄叫びが聞こえてきた。
イムセティの咆哮だ。
とはいえ、ペンギンにコケにされて激怒していると想像がつく。
ダメージは負っているものの、トドメを刺すまでには至っていない。
ペンギンが私の方へ向き直り、ドヤ顔を継続しながら優雅に頭を下げてきた。
「あの三流神がこれくらいで死なないのは想定内です。三華月様の期待にお応えさせて頂くことをお約束致します。」
ここまでは想定内ということか。
そういえば、移動都市グラングランでの戦闘では、私が想定外な行動をしたと言って激怒していたかしら。
裏を返せば、予測外の事態に弱いということなのではなかろうか。
この航海にかんしてもそうだ。
目的地である七武列島近海に出没するという伐折羅海賊への対策に、主砲を改造するまではいい。
「ペンギンさん。ここまでの展開が想定内であるのは理解しました。」
「何ですか。その引っ掛かるような言い方は。」
「はい。この海域の深海にいるクラーケンへの対策も想定して頂いていたなら、この旅はもっと楽になっていたかと思います。」
私からの言葉に、ペンギンのドヤ顔が一変した。
目が『クワッ』と見開いている。
これは定型の切れる前兆だ。
案の定といった感じで、言葉を強めてきた。
「三華月様が信仰心を稼いでいるうちに自ら望んでトラブルを引き寄せる不幸体質になられたと聞きました。つまりですね、その不幸体質に巻き込まれてこのラグナロク領域に迷いこんでしまった私の身にもなって下さいよ!」
ペンギンが深いため息をつきながら首を振っている。
おいおいおい。
ここに来てしまったのは、あなたが次元の狭間を見つけてしまい、考え無しにそこに飛び込んでしまったせいだろ。
私の体質は関係ない。
そう。トラブルを引き起こす体質である可能性が強いあなたに、そんな事は言われたくない。
向こうでは、ダメージは負いながらも、イムセティは旗艦ポラリスから更に距離を保ち、海上スレスレを旋回し始めている。
安全なエリアからポラリスへ突進するタイミングを測っているようだ。
ペンギンも同じ考えを持っているようで、最終局面が近づいていることを促してきた。
「フィナーレを迎えようとしております。どうぞ、私の活躍を刮目していて下さい。」
ポラリスを中心に海上を時速200kmで旋回していたイムセティが、進路方向を変えてきた。
―――――――――海上を走る旗艦ポラリスへ突進してくる。
突撃してくる者を狙撃する事は結構難易度が高い。
接近してくる標的を撃ち落とすことは、遠近感が掴みにくく、技術的に難しいからだ。
更に、攻撃されるという精神的なプレッシャーも重なるため、失敗する確率が高くなる。
だが、冷静な様子のペンギンを見ると、これも想定の範囲内だった感じだ。
ペンギンが指揮棒を細かく振ると、連射を最優先に設計されていると思われる8門の機関砲が突撃してくる標的へ照準を向けた。
凄まじい速度で既にイムセティがそこまで迫ってきている。
突撃してくるイムセティから、衝撃波が至近距離にて飛ばされてきた。
直撃を受けるとポラリスは崩壊するほどの威力がありそうだ。
ペンギンは、想定の範囲内の攻撃なのだろうか、ドヤ顔を崩すことなく気持ち良さそうに両手を広げると、ポラリスの周囲を護るように結界が展開されていく。
船体が揺らされるものの、障壁がイムセティから繰り出される衝撃波を防いでいる。
そして今度はペンギンが叫んだ。
「FEUER!」
イムセティの動きに合わせて、8門の機関砲から連射され始めた砲弾は、展開されている障壁をすり抜けていくと、頭上を通過していく標的を確実に捕らえていく。
鳥の姿をしていたイムセティは無数に被弾し、全身を蜂の巣にされその原型が分からい状態へなっていった。
マジか。力を失ったとはいえ、圧倒的に弱過ぎる神ではないか。
既に元の形が分からなくなった物体は、力なく浮島へ不時着していた。
ペンギンが更に指揮棒を大きく振ると、風を捕らえているポラリスがゆっくり浮島の方へ回頭を始め、ドヤ顔をこちらへ向けてきた。
「三華月様。それでは三流神が我々に命乞いをする姿を拝見しに行きましょう。」
0
あなたにおすすめの小説
『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
領民の幸福度がガチャポイント!? 借金まみれの辺境を立て直す【領地ガチャ】が最強すぎた!内政でUR「温泉郷」と「聖獣」を引き当てて…
namisan
ファンタジー
「役立たず」と中央から追放された没落貴族の俺、アルト・フォン・クライナー。継いだのは、借金まみれで作物も育たない見捨てられた辺境領地だけだった。
絶望する俺に発現したスキルは【領地ガチャ】。それは、領民の「幸福度」をポイントとして消費し、領地発展に必要なものを引き当てる唯一無二の能力だった。
「領民を幸せにすれば、領地も豊かになる!」
俺は領民と共に汗を流し、壊れた水路を直し、地道に幸福度を稼ぐ。
『N:ジャガイモの種』『R:土木技術書』
地味だが確実な「当たり」で、ほのぼのと領地を再建していく。
だが、ある日。溜め込んだ幸福度で引いたガチャが、俺の運命を激変させる。
『UR(ウルトラレア):万病に効く【奇跡の温泉郷】』
この「当たり」が、中央の腐敗した貴族たちの欲望を刺激した。
借金のカタに領地を狙う大商会の令嬢。
温泉利権を奪うため、父の命で派遣されてきた元婚約者の侯爵令嬢。
「領民の幸福(ガチャポイント)を脅かす者は、誰であっても許さない」
これは、ただ平穏に暮らしたかっただけの俺が、ガチャで得た力(と証拠とゴーレムと聖獣)を駆使し、ほのぼの領地を守り抜き、いつの間にか最強の領主として成り上がっていく物語。
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
異世界に転生した俺は英雄の身体強化魔法を使って無双する。~無詠唱の身体強化魔法と無詠唱のマジックドレインは異世界最強~
北条氏成
ファンタジー
宮本 英二(みやもと えいじ)高校生3年生。
実家は江戸時代から続く剣道の道場をしている。そこの次男に生まれ、優秀な兄に道場の跡取りを任せて英二は剣術、槍術、柔道、空手など様々な武道をやってきた。
そんなある日、トラックに轢かれて死んだ英二は異世界へと転生させられる。
グランベルン王国のエイデル公爵の長男として生まれた英二はリオン・エイデルとして生きる事に・・・
しかし、リオンは貴族でありながらまさかの魔力が200しかなかった。貴族であれば魔力が1000はあるのが普通の世界でリオンは初期魔法すら使えないレベル。だが、リオンには神話で邪悪なドラゴンを倒した魔剣士リュウジと同じ身体強化魔法を持っていたのだ。
これは魔法が殆ど使えない代わりに、最強の英雄の魔法である身体強化魔法を使いながら無双する物語りである。
ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜
KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞
ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。
諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。
そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。
捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。
腕には、守るべきメイドの少女。
眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。
―――それは、ただの不運な落下のはずだった。
崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。
その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。
死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。
だが、その力の代償は、あまりにも大きい。
彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”――
つまり平和で自堕落な生活そのものだった。
これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、
守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、
いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。
―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。
出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜
シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。
起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。
その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。
絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。
役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
アルフレッドは平穏に過ごしたい 〜追放されたけど謎のスキル【合成】で生き抜く〜
芍薬甘草湯
ファンタジー
アルフレッドは貴族の令息であったが天から与えられたスキルと家風の違いで追放される。平民となり冒険者となったが、生活するために竜騎士隊でアルバイトをすることに。
ふとした事でスキルが発動。
使えないスキルではない事に気付いたアルフレッドは様々なものを合成しながら密かに活躍していく。
⭐︎注意⭐︎
女性が多く出てくるため、ハーレム要素がほんの少しあります。特に苦手な方はご遠慮ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる