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第113話 軍船へ侵入
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天空神ホルスの復活を目論むイムセティと、物語の主人公になりたいが他力本願気質で俺様キャラである緋色と行った取引により、漂流者達がいたガラクタで継ぎはぎして造られていた浮島が変形し、ラーの軍船が姿を現した。
地上世界を目指す軍船は外洋にいるクラーケン達の攻撃をすり抜けたものの、ラスボスとなる全長400km以上あるというヨムンガルドが行動を開始した影響にて、ラグナロク領域の海が地獄のように荒れ始めていた。
ラグナロス領域の生き物達は、何がなんでも軍船を地上世界へ行かせないつもりのようである。
月の加護を受けていない私では何とかなる相手ではないヨムンガルドを深海へ戻すために、絶対回避の効果があるアダマンタイトを破壊した物干し竿にて軍船のエンジン部分を撃ち抜き足を止めると、目論み通りにヨムンガルドが深海へ戻り始めてくれたのだが、海は静まることなく荒れ続けていた。
そしてダメージを負ってしまったポラリスは、漂流状態になっている軍船から漂流者達を救い出すため、渦潮を乗り越えて近くまで接近していたのだった。
ポラリスの甲板よりペンギンを抱きかかえながら全長100mほどの無駄な要素がない流線形をした真っ白な軍船を間近から見下ろすと、物干し竿により撃ち抜いた直径1m人程度の穴が装甲に空いている。
「ペンギンさん。緋色のスキル『フロート』の効果がないと、このポラリスはいずれ沈んでしまいますし、漂流者達も助けないといけない為、私はこれから軍船内へ侵入して、まずは状況を確認してこようと思います。」
「承知しました。それでは、ポラリスと軍船を接着させますので、三華月様が空いた穴へ向けてアンカーを打ち込み、航行不能な状態になっている軍船をこちらへ引き寄せさせて頂きます。」
荒れ狂う海に船体が揺れる中、甲板から発射したアンカーを正確に軍船の装甲に空いた穴へ引っかけると、300m級のポラリスが100m級の軍船をジリジリと引き寄せ始めた。
接触の際、出来るだけ衝撃力を抑えるため、ペンギンが指揮棒をいつにもなくナイーブに動かしながら、軍船を引き寄せ装甲を密着させていく。
そろそろ私の出番が近づいてきている。
抱きかかえていたペンギンを甲板へ降ろし軍船へ侵入する準備を始めると、ペンギンが真剣な顔で珍しく気遣う言葉をかけてきた。
「三華月様。絶対に無理はしないように願います。無理だと思ったら引き返して下さい。」
「お気遣い頂き有難うございます。未知の場所に侵入するので不安ではありますが、まぁ私なら大丈夫だと思います。」
「誤解を招くような言い回しをして申し訳ありません。言い直させてもらいますと、無理だと感じたとしても無茶苦茶な事を絶対にしないで下さい。つまり軍船を破壊するような真似は、絶対に避けるように深く願いします。もう一度繰り返しますが、絶対に破壊しないように穏便にお願いします。」
「私の方ではなく、軍船の方を心配していたのですか。そう何度も絶対にと、念押ししなくても大丈夫です。一度言われたら理解できますし、私はやれば出来る子なのですよ。」
「やれば出来る子とは、出来ない者に対して奮起を促す言葉です。」
「ペンギンさん。私が軍船を破壊してしまうフラグをたてるような言い回しはやめて下さい。」
ポラリスの甲板から装甲を密着させている軍船の装甲を見下ろすと、最後尾に物干し竿で貫いた穴は、人がすっぽりと入れるサイズまで広がっている。
船体が荒波に揺られる中、スキル『壁歩』の効果によりポラリスが撃ち込んだアンカーをつたい、空いた穴から軍船内へ侵入すると、全長100ⅿ程度ある軍船の20%を占めているエンジン室の中央に、次元列車に搭載されていた『時空騙しの砂時計』と形状が酷似している物体が、破壊された状態で浮かんでいた。
次元列車に搭載されていた『時空騙しの砂時計』は、砂時計を動かす事により時間に歪みを生じさせ、並行世界を行き来できるという代物であった。
私にとってはどうでもいいことだが、この軍船も別世界へ旅立てるスペックが備わっているのかしら。
エンジン内を見渡すと、船頭の方向へ延びる通路がある。
物干し竿にて空けた装甲の穴よりドバババと入ってきている海水は、排出口からたえず外に吐き出され続けており、時折パンにバターを薄く伸ばしている程度の海水が溜まっていた。
さて、ペンギンからは船内を調査してくるように言われているが、スムーズにいくとは思えない。
私は軍船からすると外来種のような存在であり、排除しようと何かしらの行動してくる可能性がある。
軍船内には対応できない多くのトラップが仕掛けられている可能性があるため、単独で船内を進むには注意が必要だろう。
生き物の気配が感じられない機関室に、召喚した全長が3mを超える弓を召喚し、聞いているかもしれない相手に話しかけてみた。
「動きを停止しているこの『時空騙しの砂時計』を、これから完全破壊させて頂きます。これが動き出し、海底で静かにしてくれているヨムンガルドが再び目を覚ましてしまうと面倒ですからね。」
……。
装甲の外から海は暴れる音と、物干し竿で開けた穴から通る風の音が聞こえてくるが、船内からは何ら反応がない。
私を駆除しようとする防衛機能のようなものはいないのかしら。
どちらにしても『砂時計』は破壊するに越した事はないだろう。
運命の矢をリロードして弓を引き絞り始めた時、軍船の先端方向へ伸びる通路から何かが近づいてくる音が聞こえてきた。
敵意を感じる。
やはり私の敵が船内に息を潜めていたようだ。
地上世界を目指す軍船は外洋にいるクラーケン達の攻撃をすり抜けたものの、ラスボスとなる全長400km以上あるというヨムンガルドが行動を開始した影響にて、ラグナロク領域の海が地獄のように荒れ始めていた。
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月の加護を受けていない私では何とかなる相手ではないヨムンガルドを深海へ戻すために、絶対回避の効果があるアダマンタイトを破壊した物干し竿にて軍船のエンジン部分を撃ち抜き足を止めると、目論み通りにヨムンガルドが深海へ戻り始めてくれたのだが、海は静まることなく荒れ続けていた。
そしてダメージを負ってしまったポラリスは、漂流状態になっている軍船から漂流者達を救い出すため、渦潮を乗り越えて近くまで接近していたのだった。
ポラリスの甲板よりペンギンを抱きかかえながら全長100mほどの無駄な要素がない流線形をした真っ白な軍船を間近から見下ろすと、物干し竿により撃ち抜いた直径1m人程度の穴が装甲に空いている。
「ペンギンさん。緋色のスキル『フロート』の効果がないと、このポラリスはいずれ沈んでしまいますし、漂流者達も助けないといけない為、私はこれから軍船内へ侵入して、まずは状況を確認してこようと思います。」
「承知しました。それでは、ポラリスと軍船を接着させますので、三華月様が空いた穴へ向けてアンカーを打ち込み、航行不能な状態になっている軍船をこちらへ引き寄せさせて頂きます。」
荒れ狂う海に船体が揺れる中、甲板から発射したアンカーを正確に軍船の装甲に空いた穴へ引っかけると、300m級のポラリスが100m級の軍船をジリジリと引き寄せ始めた。
接触の際、出来るだけ衝撃力を抑えるため、ペンギンが指揮棒をいつにもなくナイーブに動かしながら、軍船を引き寄せ装甲を密着させていく。
そろそろ私の出番が近づいてきている。
抱きかかえていたペンギンを甲板へ降ろし軍船へ侵入する準備を始めると、ペンギンが真剣な顔で珍しく気遣う言葉をかけてきた。
「三華月様。絶対に無理はしないように願います。無理だと思ったら引き返して下さい。」
「お気遣い頂き有難うございます。未知の場所に侵入するので不安ではありますが、まぁ私なら大丈夫だと思います。」
「誤解を招くような言い回しをして申し訳ありません。言い直させてもらいますと、無理だと感じたとしても無茶苦茶な事を絶対にしないで下さい。つまり軍船を破壊するような真似は、絶対に避けるように深く願いします。もう一度繰り返しますが、絶対に破壊しないように穏便にお願いします。」
「私の方ではなく、軍船の方を心配していたのですか。そう何度も絶対にと、念押ししなくても大丈夫です。一度言われたら理解できますし、私はやれば出来る子なのですよ。」
「やれば出来る子とは、出来ない者に対して奮起を促す言葉です。」
「ペンギンさん。私が軍船を破壊してしまうフラグをたてるような言い回しはやめて下さい。」
ポラリスの甲板から装甲を密着させている軍船の装甲を見下ろすと、最後尾に物干し竿で貫いた穴は、人がすっぽりと入れるサイズまで広がっている。
船体が荒波に揺られる中、スキル『壁歩』の効果によりポラリスが撃ち込んだアンカーをつたい、空いた穴から軍船内へ侵入すると、全長100ⅿ程度ある軍船の20%を占めているエンジン室の中央に、次元列車に搭載されていた『時空騙しの砂時計』と形状が酷似している物体が、破壊された状態で浮かんでいた。
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エンジン内を見渡すと、船頭の方向へ延びる通路がある。
物干し竿にて空けた装甲の穴よりドバババと入ってきている海水は、排出口からたえず外に吐き出され続けており、時折パンにバターを薄く伸ばしている程度の海水が溜まっていた。
さて、ペンギンからは船内を調査してくるように言われているが、スムーズにいくとは思えない。
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……。
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私を駆除しようとする防衛機能のようなものはいないのかしら。
どちらにしても『砂時計』は破壊するに越した事はないだろう。
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