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第120話 亜弐羅について
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ここは、七武列島首都が繁栄し、空間の狭間に生まれてきた商業ギルド。
岩場が綺麗な半円型で切り取られた空間はトンネル状に真っ直ぐ伸びていた。
道路を挟むように100以上の店舗が軒を連ねているが、人の気配がない。
建物に朽ちている様子はなく、ある日突然に住民が消えてしまったような雰囲気だ。
まるでフィギュアで作られた世界であるかのように時間が静止していた。
天井に埋め込まれているスポットライトが、街全体を明るく照らしている。
迷宮内にもかかわらず、湿気や異臭は感じない。
目の前には、屈託のない笑顔を浮かべ、甲高い声をあげながら必要以上にはしゃいでいる少女が私を指さしていた。
伐折羅海賊団と1人。亜弐羅と名乗る少女だ。
少年神官の廉廉については、私と土竜を置き去りにしハイテンションになりながら、少女に対し、自身が古参ファンであるとアピールをしていた。
亜弐羅はマジマジと私を見つめながら宣戦布告をしてきていた。
「悪徳商人のボスは、元気印の亜弐羅がぶっ飛ばしてやるニャン。覚悟しろ!」
緊張感が無いその様子からして、相当の自信が伺える。
迷宮主の許可なく次元の狭間にある商業ギルドへ侵入してきたことよりも、かなりの実力をもっているであろうと推測できるが、究極系スキルでなければ私に勝てないのが現実だ。
究極系スキルとは無限煉獄などのことを指し、人が扱える代物ではない。
私を見て、ただの鬼可愛い聖女だと思ったのだろうか。
どこからともなく出してきたペンライトを調子よくリズムカルに振っていた少年神官が、亜弐羅からの宣戦布告を聞き、動きを止めていた。
その表情からは、高揚したものは消え、青ざめたものに変わっている。
「亜弐羅ちゃん。この世の中には絶対にしてはならない事があるんだ。」
「君は何が言いたいのかニャ?」
「宣戦布告をしたその聖女様は、亜弐羅ちゃんとは違って、ただ可愛いだけのおかたではないんだ。」
「言っていることが分からないぞ。」
「そのおかたは、誰より修行を積んできた最も高貴な聖女様なんだよ。」
少年神官の口調はとても激しい。
少女の表情からも、聞き捨てならない言葉を聞き、笑顔が消えていた。
目は吊り上がり、口をひん曲がらせ、怒りのオーラを発している。
さらに簾簾は、亜弐羅をいらつかせる言葉を被せてきた。
「亜弐羅ちゃんの空気を読み間違える発言は、僕をほっこりさせてくれる有難いものであるこたは違いない。それでも、天然の度が過ぎてしまうと人をいらつかせてしまうものに変わるんだ。行動を間違えると、ただのお馬鹿キャラになるというか、今、凄く痛い女になっているんじゃないかな。」
少年神官は少女のことを思って言っているのはよく分かる。
だが、ずけずけと気にしていることを言う行為と、諭す言葉は似ているようで受け取り側としては遠く離れているもの。
理解してもらうためには、相手の気持ちや心情に寄り添えるかが重要なのだ。
少年神官からの言葉が亜弐羅へ届くことはないだろう。
案の定、屈託のないキラキラとした笑顔が消えている。
感情の無い表情へ変化し、どす黒い感情が表ににじみ出始めていた。
その様子を見た少年神官が慌てた感じで更に失言に失言を重ねていく。
「亜弐羅ちゃん。落ち着くんだ。」
「私は落ち着いている。お前の方こそ落ち着けよ!」
「感情はコントロールするように努力するものなんだ。大人になるんだ。頑張れ亜弐羅ちゃん。僕は応援しているよ!」
「お前なんかに応援なんてしていらない。」
「その表情が駄目なんだ。笑顔でいてくれよ。」
「お前なんぞのために笑顔なんて作れるわけがないだろ。うざいんだよ!」
「亜弐羅ちゃんは三華月様と違って、笑っていないと可愛らしさが半減。いやそれ以下になってしまうことを自覚するんだ。」
「お前。いい加減にしろよ。」
「だからさ。笑っていないとその辺にいる女の子レベルになっちゃうんだよ。」
「お前。亜弐羅の事を応援してくれてないよな。」
亜弐羅の声が、これ以上ない低く尖ったものになり、失礼な言葉を浴びせ続けていた少年神官が唖然となっている。
亜弐羅はというと、少年神官ではなく私を睨んでいた。
その瞳から憎悪の感情が伝わってくる。
そして、腰を沈めてファイティングポーズをとり、敵視を超え、殺意のようなものを剥き出しにしてきた。
猛獣のような唸り声を上げている。
感情を目一杯に乗せながら怒鳴り散らしてきた。
「おい、聖女。少し見た目が可愛いからといって、私のことを下に見てんじゃねぇぞ!」
「あなたへ侮辱した言葉を吐いたのは、そちらの神官のはず。私を恨むのはお門違いではありませんか。」
「はぁ。すかしてんじゃねぇぞ!お前のような女を見ていると、マジでムカツクわ!」
「私の方は、あなたに対し、ムカツクような感情はありません。」
「だから、その上から目線の態度が許せないんだよ。お前も、九毘羅と迷企羅と同様にマジでムカツク!」
九毘羅と迷企羅という2人へ対する憎しみが伝わってくる。
その2人の名前から察するに、伐折羅海賊団の仲間なのだろうか。
足元で控えていた土竜と、前のめりになっていた少年神官が、答え合わせをするような感じでその2人について説明をしてきてくれた。
「三華月様。伐折羅海賊団は、伐折羅提督と、3人の女子達で構成されている海賊なんです。」
「久毘羅と迷企羅とは、伐折羅海賊団の一員なわけですね。」
「さようです。」
「三華月様。僕から詳しくその2人について、説明させてもらいます。」
「ろくでもない説明であるという予感がしますが、とりあえず話しを伺いましょう。」
「九毘羅姫は、知的系お姉さんタイプなんです。かくゆう僕も、頭を撫で撫でしながら褒められたいと思っています。」
「予感が的中したと言いますか、安定の発言である意味ほっとしました。」
「有難うございます。」
「褒めていませんよ。」
「それでは、迷企羅姫についても説明させてもらいます。彼女はクールビューティーなツンデレさんなんです。かくゆう僕も思いっきり罵倒してほしいなと思っています。」
伐折羅海賊団員は、伐折羅提督と3人の女の4名で構成されているのか。
海賊なので、荒くれ者達ばかりと思っていた。
何にしても、亜弐羅を含めた4人は、上位スキルのホルダーで間違いないだろう。
九毘羅と迷企羅についての説明をしていた少年神官の姿を見ていた亜弐羅は、ぶち切れた様子で再び怒鳴り散らしてきた。
「おいお前。何が知的なお姉さんだ。九毘羅はだだの年増だろうが。根暗の迷企羅に罵倒されたいって、どういうことだ。お前、私のファンだって言っていなかったか。マジで許さんぞ。そこの聖女と一緒にボコボコにしてやる!」
岩場が綺麗な半円型で切り取られた空間はトンネル状に真っ直ぐ伸びていた。
道路を挟むように100以上の店舗が軒を連ねているが、人の気配がない。
建物に朽ちている様子はなく、ある日突然に住民が消えてしまったような雰囲気だ。
まるでフィギュアで作られた世界であるかのように時間が静止していた。
天井に埋め込まれているスポットライトが、街全体を明るく照らしている。
迷宮内にもかかわらず、湿気や異臭は感じない。
目の前には、屈託のない笑顔を浮かべ、甲高い声をあげながら必要以上にはしゃいでいる少女が私を指さしていた。
伐折羅海賊団と1人。亜弐羅と名乗る少女だ。
少年神官の廉廉については、私と土竜を置き去りにしハイテンションになりながら、少女に対し、自身が古参ファンであるとアピールをしていた。
亜弐羅はマジマジと私を見つめながら宣戦布告をしてきていた。
「悪徳商人のボスは、元気印の亜弐羅がぶっ飛ばしてやるニャン。覚悟しろ!」
緊張感が無いその様子からして、相当の自信が伺える。
迷宮主の許可なく次元の狭間にある商業ギルドへ侵入してきたことよりも、かなりの実力をもっているであろうと推測できるが、究極系スキルでなければ私に勝てないのが現実だ。
究極系スキルとは無限煉獄などのことを指し、人が扱える代物ではない。
私を見て、ただの鬼可愛い聖女だと思ったのだろうか。
どこからともなく出してきたペンライトを調子よくリズムカルに振っていた少年神官が、亜弐羅からの宣戦布告を聞き、動きを止めていた。
その表情からは、高揚したものは消え、青ざめたものに変わっている。
「亜弐羅ちゃん。この世の中には絶対にしてはならない事があるんだ。」
「君は何が言いたいのかニャ?」
「宣戦布告をしたその聖女様は、亜弐羅ちゃんとは違って、ただ可愛いだけのおかたではないんだ。」
「言っていることが分からないぞ。」
「そのおかたは、誰より修行を積んできた最も高貴な聖女様なんだよ。」
少年神官の口調はとても激しい。
少女の表情からも、聞き捨てならない言葉を聞き、笑顔が消えていた。
目は吊り上がり、口をひん曲がらせ、怒りのオーラを発している。
さらに簾簾は、亜弐羅をいらつかせる言葉を被せてきた。
「亜弐羅ちゃんの空気を読み間違える発言は、僕をほっこりさせてくれる有難いものであるこたは違いない。それでも、天然の度が過ぎてしまうと人をいらつかせてしまうものに変わるんだ。行動を間違えると、ただのお馬鹿キャラになるというか、今、凄く痛い女になっているんじゃないかな。」
少年神官は少女のことを思って言っているのはよく分かる。
だが、ずけずけと気にしていることを言う行為と、諭す言葉は似ているようで受け取り側としては遠く離れているもの。
理解してもらうためには、相手の気持ちや心情に寄り添えるかが重要なのだ。
少年神官からの言葉が亜弐羅へ届くことはないだろう。
案の定、屈託のないキラキラとした笑顔が消えている。
感情の無い表情へ変化し、どす黒い感情が表ににじみ出始めていた。
その様子を見た少年神官が慌てた感じで更に失言に失言を重ねていく。
「亜弐羅ちゃん。落ち着くんだ。」
「私は落ち着いている。お前の方こそ落ち着けよ!」
「感情はコントロールするように努力するものなんだ。大人になるんだ。頑張れ亜弐羅ちゃん。僕は応援しているよ!」
「お前なんかに応援なんてしていらない。」
「その表情が駄目なんだ。笑顔でいてくれよ。」
「お前なんぞのために笑顔なんて作れるわけがないだろ。うざいんだよ!」
「亜弐羅ちゃんは三華月様と違って、笑っていないと可愛らしさが半減。いやそれ以下になってしまうことを自覚するんだ。」
「お前。いい加減にしろよ。」
「だからさ。笑っていないとその辺にいる女の子レベルになっちゃうんだよ。」
「お前。亜弐羅の事を応援してくれてないよな。」
亜弐羅の声が、これ以上ない低く尖ったものになり、失礼な言葉を浴びせ続けていた少年神官が唖然となっている。
亜弐羅はというと、少年神官ではなく私を睨んでいた。
その瞳から憎悪の感情が伝わってくる。
そして、腰を沈めてファイティングポーズをとり、敵視を超え、殺意のようなものを剥き出しにしてきた。
猛獣のような唸り声を上げている。
感情を目一杯に乗せながら怒鳴り散らしてきた。
「おい、聖女。少し見た目が可愛いからといって、私のことを下に見てんじゃねぇぞ!」
「あなたへ侮辱した言葉を吐いたのは、そちらの神官のはず。私を恨むのはお門違いではありませんか。」
「はぁ。すかしてんじゃねぇぞ!お前のような女を見ていると、マジでムカツクわ!」
「私の方は、あなたに対し、ムカツクような感情はありません。」
「だから、その上から目線の態度が許せないんだよ。お前も、九毘羅と迷企羅と同様にマジでムカツク!」
九毘羅と迷企羅という2人へ対する憎しみが伝わってくる。
その2人の名前から察するに、伐折羅海賊団の仲間なのだろうか。
足元で控えていた土竜と、前のめりになっていた少年神官が、答え合わせをするような感じでその2人について説明をしてきてくれた。
「三華月様。伐折羅海賊団は、伐折羅提督と、3人の女子達で構成されている海賊なんです。」
「久毘羅と迷企羅とは、伐折羅海賊団の一員なわけですね。」
「さようです。」
「三華月様。僕から詳しくその2人について、説明させてもらいます。」
「ろくでもない説明であるという予感がしますが、とりあえず話しを伺いましょう。」
「九毘羅姫は、知的系お姉さんタイプなんです。かくゆう僕も、頭を撫で撫でしながら褒められたいと思っています。」
「予感が的中したと言いますか、安定の発言である意味ほっとしました。」
「有難うございます。」
「褒めていませんよ。」
「それでは、迷企羅姫についても説明させてもらいます。彼女はクールビューティーなツンデレさんなんです。かくゆう僕も思いっきり罵倒してほしいなと思っています。」
伐折羅海賊団員は、伐折羅提督と3人の女の4名で構成されているのか。
海賊なので、荒くれ者達ばかりと思っていた。
何にしても、亜弐羅を含めた4人は、上位スキルのホルダーで間違いないだろう。
九毘羅と迷企羅についての説明をしていた少年神官の姿を見ていた亜弐羅は、ぶち切れた様子で再び怒鳴り散らしてきた。
「おいお前。何が知的なお姉さんだ。九毘羅はだだの年増だろうが。根暗の迷企羅に罵倒されたいって、どういうことだ。お前、私のファンだって言っていなかったか。マジで許さんぞ。そこの聖女と一緒にボコボコにしてやる!」
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