【R18】オスのちメス!?

ぬるあまい

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仲良し姉妹?

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「……ったく、歩もアレスの言うことには耳を傾けるなよ」
「は、はい。分かりました」
「……お姉さま!」
「アレスうるさいぞ」
「……むぅー」
「俺はもう出掛ける。大人しく家に居ろよ」
「はい、お気をつけていってらっしゃい」
「ああ」

そしてレオさんはアレスが再び何かを言い出す前に、食べ終わって汚れた食器をシンクに置くと、すぐさま家から出て行ってしまった。俺は軽く手を振ってお見送りをしたのだが、……隣に居るアレスは先程同様にハムスターのように頬を膨らませて怒りを露わにしている。

「まーったく、もう!お兄様はいつもわたくしを子供扱いなさって失礼ですわ!」
「……まぁまぁ。レオさんからすると俺もアレスも子供だよ」
「それにお姉さまも!」
「……え?」
「わたくしよりもお兄様の肩をお持ちになるようですし……とても悲しいです」
「え!?あ、いや。そんなつもりじゃなかったんだけど……」

怒りを露わにしている――かと思っていたのだが、今度はあからさまに悲しそうな表情を見せるものだから思わず戸惑ってしまう。怒られるのならまだしも、悲しまれるのは嫌だ。とても胸にくるものがある。だから急いで俺は弁解する。

「ただ俺には、アレスが思うような可愛さなんてないよ。たしかにアレスに褒めてもらえるのは嬉しいけどさ、レオさんが変な気を起こすような魅力は俺にはないから大丈夫だよ。ね?」

自分で言うのはちょっとあれかもしれないけれど、確かに今の俺の容姿は現代の女の子と比べても可愛い部類に入るのかもしれない。だけど元が男だからか、口調も立ち振る舞いも物凄くガサツなせいで、可憐で可愛らしい女の子のような魅力は持ち合わせていない。つまりは、総合的に見てみると俺は可愛くはないのだ。

「何を言ってらっしゃいますの、お姉さま!そういう無自覚さがダメなのですよ!もっとご自分の魅力を理解なさってください」
「……えー」

…………しかし、そうすれば、再びアレスにプンプンと怒られてしまった。

「確かにお姉さまは少々男勝りなところもありますが、それが余計に危うい魅力を放っていらっしゃるのをご自覚してください!」
「そ、そうなのかな?」
「そうですわよ。もっとご注意なさってくださいね」
「……そうか。わかったよ、ありがとうアレス」

あまり納得できるような内容ではなかったけれど、ここは一先ず納得をして話を合わせておいた方がいいと判断した俺はアレスに礼を述べた。

「いえいえ。お姉さまが少しでもご理解なさったのでしたら良かったですわ。それでは私たちも朝食をいただきましょう」

するとアレスは満足してくれたのか、ニコニコといつもの可愛らしい笑顔を見せて腕を組んで擦り寄ってきた。

「そうだな」

アレスこそが最高級の可愛さを持ち合わせた女の子だと思いながら、俺は素直に頷いたのだった。

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