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媚薬 R-15
しおりを挟む―――だけど、……だけど、やっぱりこれだけでは刺激が足りない。
「ん、……んっ、ん……はぁ、っ、ふぁ」
気持ちは良いけれど決定的な刺激にはならず、余計に身体が疼く原因にさえなっているような気がする。
……本当はもっと下が、女性の部分に触れたくて仕方がない。奥が熱くて、痒くて、疼いてどうしようもないのだ。だけど一度ソコに触れてしまったらもう取り返しは付かないだろうし、歯止めは効かないことが分かるので、俺は触れることはせずにただ脚を強く閉じて熱い息を吐いたのだった。
「……!」
……そんな時だった。
俺が永遠とも取れるような身体の疼きに苦しんでいると、突然扉が開いたのだ。
「(…………アレスかな?)」
電気を消しているためアレスの可愛らしい姿を見ることはできない。だけど暗くしているお蔭で、アレスにも俺のみっともない表情を見せることなく済んで良かったかもしれない。このまま寝たフリをしていれば、きっとすぐに部屋から出て行くだろうと考えていたのだが…………、
「……歩、起きてるんだろう?」
「…………っ、!?」
低く掠れた良い声で、声を掛けられて俺は思わずビクッと大袈裟に身体を震わせてしまった。
「れ、レオさん……」
紛れもなくその声の主はレオさんで、どうやら先程の男たちの後処理を終えて帰って来たようだ。
「……なんで俺が起きてるって分かったんですか?」
「呼吸の仕方で分かる。……それよりもお前、大丈夫か?」
「え?」
「随分と息が荒いようだが寝れないのか?」
「…………はい」
「……電気を点けるぞ」
「えっ!?だ、ダメですっ!」
それだけは絶対に駄目だ。きっと今の俺の姿を見れば、先程まで何をしていたのか一目瞭然だと思う。火照った頬に物足りなさそうに目を蕩けさせて、服を乱している今の俺の姿を誰にも見せるわけにはいかない。それがしかもレオさんとなると余計にだ。
こんなにも良い人に俺のみっともなく汚らわしい姿など見せてはいけない。
しかし、俺が強く拒否をするものだから、レオさんは不思議そうに訊ねてきた。
「……なぜだ?」
「そ、それは……っ、その、ずっと暗闇の中に居たから、電気を点けられたら眩しいかなぁって思って……」
我ながら苦しい言い分だ。きっとレオさんにも俺の様子がおかしいことに余計に確信を持たせてしまっただろう。その証拠にレオさんは電気を点けないまま、俺に向かって手を差し伸ばせてきた。……勿論室内は電気が消されていたため、俺はそのことに気付かず、すんなりレオさんに額を触れられてしまった。
「……あ、っんん!!」
「………っ、」
…………馬鹿みたいに変な声を上げて………。
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