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不思議なお遣い
真梅雨のレポート
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コーヒーで一息入れた後、峰子と江藤が朝の作業の続きに勤しんでいる間、私はパソコンで、私の能力について分かっていることを記述するよう命じられた。幸か不幸か、連日の動物殺しの成果で、私自身、最初から、感覚的に理解していたことも含めると、自分の能力についてかなりのことが分かっていた。
峰子からは、どんなに些細なことでもいいから、書けることは何でも書いてくれ、とのことだ。
能力憑依時の状況
下校時、偶然一匹のカエルを殺害。カエルの死体から、半透明の青白い霞のようなもの(以下、“死の概念”とする)が発生。それを操ることが可能だと判断した私が扱いに困っていたところ、もう一匹、カエルが現れた。そのもう一匹のカエルに、咄嗟の判断で“死の概念”を転移させると、そのカエルも死亡した。
以下、能力憑依時から、視覚的、直感的に理解できた事柄
・私が生物を殺した際に、“死の概念”が発生(常に流動して存在している)。
・“死の概念”を発生させた場合、私はそれを自分に貯蓄することが可能である。(貯蓄することなく放置した場合、一致時間の経過で強制的に貯蓄される。
・発生させた、もしくは貯蓄しておいた“死の概念”は、他の生物に転移させることが出来る。この際、転移する対象の生き物には、身体の形をデフォルメしたような線が浮かび上がり、 “死の概念”も、その線とほぼ同形のかたちになる。その“死の概念”を、対象の生物の線に嵌め込むことで、“死の概念”が対象に転移し、対象となる生物は死ぬ。このとき、“死の概念”は発生しない。
転移の際に、“死の概念”が、対象に浮かび出た線に、だいたいが嵌まれば、対象は死ぬ。このとき、身体の一部分だけが嵌まるようなことがあれば、その部分だけが機能停止する。また、意図的に身体の一部分だけの“死の概念”を用いて、一部分だけの機能を停止させることも可能である。
対象が死ぬとき、死因は、身体の膨張による爆死であるのに対し、身体の一部分を機能停止させる場合は、壊死状態のようになるのみで、対象となった部位が爆散することは無い。
以下、生物を殺して、調査を行ったことで判明した事柄
・生物により、殺害した際に発生する“死の概念”の量に差がある。また、この量は、その生物の殺害の際に必要とされる“死の概念”の量と等しい。調査を進める中で、見た瞬間に、各生物を殺すためにどのくらいの量の“死の概念”が必要であるのか分かるようになった(過去に目にしたことがある生物であれば、記憶にある限り推論可能である)為、基準となるものを示しておく。
蠅 三匹 = カエル 一匹
カエル 十匹 = 猫 一匹
猫 五匹 = ヒト 一人
ヒト 三人 = 象 一匹
象 二匹 = ジンベエザメ 一匹
この基準より、発生または必要とする“死の概念”は、生物の体長や体重に対して単純な比例関係にあるわけでは無いことが導き出される。加えて、同種の生物でも、成体であるか幼体であるかなどといった条件により個体差が発生。また、憑依者であるという舞田峰子と江藤海斗を見た際には、非憑依者である人間に比べて膨大な量の“死の概念”が、(仮に殺害しようとした場合)必要とされることが分かった。憑依者と非憑依者を見分けるのにも有効であるかもしれない。
・“死の概念”を対象に転移させる際の最高速度は、プロ野球の投手の球速と同程度である。
この記述からは、対象を殺傷する能力において、私の能力が銃に劣るような印象を受けるが、次のような点で銃との差別化を図ることが可能だ。
銃弾の命中が、狙撃手の力量に左右されるのに対して、“死の概念”の転移では、使用者が視認する対象に向かい正確に転移する。(この能力の射程は、使用者が対象を視認できる範囲となるだろう)
相手が回避した場合、銃弾と違い、狙いを外しても追尾することが出来る。
銃と違い、戦闘時のリロードが必要ない。(事前に“死の概念”を貯蓄しておく必要はあるが)
・“死の概念”を使用者の周りに留めておく(流動している状態ではあるが)と、使用者の周りの“死の概念”に触れたものを静止させる。(雨粒が静止した為に、テニスボールを壁に当てて跳ね返らしてみたところ、同様に静止した)このとき、一度静止したものは、そのまま落下する。しかし、生き物の場合は例外で、使用者の身体の周りに“死の概念”を展開させておいても、触れたからといって静止することは無く、また、死んだり、身体の一部が壊死するようなこともない。(これは、夜に、使用者の周りに“死の概念”をとどめておいた状態で、懐中電灯の明かりを点けて持っていると、羽虫が、“死の概念”を通過して、光源の元へと集まってきたことから分かった)
以下、気になる点や、蛇足となるかもしれないが、一応留意しておきたい点。
・植物も生物として扱われる。
・普段の生活において、人は知らずのうちに、目に見えない微生物を殺しているはずであるが、その際に“死の概念”がどうなっているかは不明である。使用者が認識したときのみ“死の概念”が発生するのかもしれなければ、実際には、微生物を殺した時にも“死の概念”は発生しているが、微生物とどうように極小のものであるために目に見えておらず、また体感も無いだけであるかもしれない。
・六月二十一日に、突然に、私の意識と関わらず能力が暴発してしまい、同じ高校に通う見知らぬ女生徒を一人殺してしまった。この際に、ヒト一人を殺すのに相当するだけの“死の概念”を、貯蓄していた分から消費したはずなのに、あらかじめ貯蓄していた分から“死の概念”は減っていない。(使用者は、意識すれば、“死の概念”の貯蓄量を確認できる)
・能力を使うと、目が疲れる。
・能力が憑依してから、夜になると、自分でも制御できない能力を使用したい欲求に駆られていたが、ここ数日で消えた。
峰子からは、どんなに些細なことでもいいから、書けることは何でも書いてくれ、とのことだ。
能力憑依時の状況
下校時、偶然一匹のカエルを殺害。カエルの死体から、半透明の青白い霞のようなもの(以下、“死の概念”とする)が発生。それを操ることが可能だと判断した私が扱いに困っていたところ、もう一匹、カエルが現れた。そのもう一匹のカエルに、咄嗟の判断で“死の概念”を転移させると、そのカエルも死亡した。
以下、能力憑依時から、視覚的、直感的に理解できた事柄
・私が生物を殺した際に、“死の概念”が発生(常に流動して存在している)。
・“死の概念”を発生させた場合、私はそれを自分に貯蓄することが可能である。(貯蓄することなく放置した場合、一致時間の経過で強制的に貯蓄される。
・発生させた、もしくは貯蓄しておいた“死の概念”は、他の生物に転移させることが出来る。この際、転移する対象の生き物には、身体の形をデフォルメしたような線が浮かび上がり、 “死の概念”も、その線とほぼ同形のかたちになる。その“死の概念”を、対象の生物の線に嵌め込むことで、“死の概念”が対象に転移し、対象となる生物は死ぬ。このとき、“死の概念”は発生しない。
転移の際に、“死の概念”が、対象に浮かび出た線に、だいたいが嵌まれば、対象は死ぬ。このとき、身体の一部分だけが嵌まるようなことがあれば、その部分だけが機能停止する。また、意図的に身体の一部分だけの“死の概念”を用いて、一部分だけの機能を停止させることも可能である。
対象が死ぬとき、死因は、身体の膨張による爆死であるのに対し、身体の一部分を機能停止させる場合は、壊死状態のようになるのみで、対象となった部位が爆散することは無い。
以下、生物を殺して、調査を行ったことで判明した事柄
・生物により、殺害した際に発生する“死の概念”の量に差がある。また、この量は、その生物の殺害の際に必要とされる“死の概念”の量と等しい。調査を進める中で、見た瞬間に、各生物を殺すためにどのくらいの量の“死の概念”が必要であるのか分かるようになった(過去に目にしたことがある生物であれば、記憶にある限り推論可能である)為、基準となるものを示しておく。
蠅 三匹 = カエル 一匹
カエル 十匹 = 猫 一匹
猫 五匹 = ヒト 一人
ヒト 三人 = 象 一匹
象 二匹 = ジンベエザメ 一匹
この基準より、発生または必要とする“死の概念”は、生物の体長や体重に対して単純な比例関係にあるわけでは無いことが導き出される。加えて、同種の生物でも、成体であるか幼体であるかなどといった条件により個体差が発生。また、憑依者であるという舞田峰子と江藤海斗を見た際には、非憑依者である人間に比べて膨大な量の“死の概念”が、(仮に殺害しようとした場合)必要とされることが分かった。憑依者と非憑依者を見分けるのにも有効であるかもしれない。
・“死の概念”を対象に転移させる際の最高速度は、プロ野球の投手の球速と同程度である。
この記述からは、対象を殺傷する能力において、私の能力が銃に劣るような印象を受けるが、次のような点で銃との差別化を図ることが可能だ。
銃弾の命中が、狙撃手の力量に左右されるのに対して、“死の概念”の転移では、使用者が視認する対象に向かい正確に転移する。(この能力の射程は、使用者が対象を視認できる範囲となるだろう)
相手が回避した場合、銃弾と違い、狙いを外しても追尾することが出来る。
銃と違い、戦闘時のリロードが必要ない。(事前に“死の概念”を貯蓄しておく必要はあるが)
・“死の概念”を使用者の周りに留めておく(流動している状態ではあるが)と、使用者の周りの“死の概念”に触れたものを静止させる。(雨粒が静止した為に、テニスボールを壁に当てて跳ね返らしてみたところ、同様に静止した)このとき、一度静止したものは、そのまま落下する。しかし、生き物の場合は例外で、使用者の身体の周りに“死の概念”を展開させておいても、触れたからといって静止することは無く、また、死んだり、身体の一部が壊死するようなこともない。(これは、夜に、使用者の周りに“死の概念”をとどめておいた状態で、懐中電灯の明かりを点けて持っていると、羽虫が、“死の概念”を通過して、光源の元へと集まってきたことから分かった)
以下、気になる点や、蛇足となるかもしれないが、一応留意しておきたい点。
・植物も生物として扱われる。
・普段の生活において、人は知らずのうちに、目に見えない微生物を殺しているはずであるが、その際に“死の概念”がどうなっているかは不明である。使用者が認識したときのみ“死の概念”が発生するのかもしれなければ、実際には、微生物を殺した時にも“死の概念”は発生しているが、微生物とどうように極小のものであるために目に見えておらず、また体感も無いだけであるかもしれない。
・六月二十一日に、突然に、私の意識と関わらず能力が暴発してしまい、同じ高校に通う見知らぬ女生徒を一人殺してしまった。この際に、ヒト一人を殺すのに相当するだけの“死の概念”を、貯蓄していた分から消費したはずなのに、あらかじめ貯蓄していた分から“死の概念”は減っていない。(使用者は、意識すれば、“死の概念”の貯蓄量を確認できる)
・能力を使うと、目が疲れる。
・能力が憑依してから、夜になると、自分でも制御できない能力を使用したい欲求に駆られていたが、ここ数日で消えた。
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