この学園では個性的なキャラを演じてください、と言われたので「遅刻」ばっかしてみた。

七槻夏木

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厨二と作家とシャーロキアン

体育の球技と生理の周期 ⑤

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「なるほど、つまり千川君は江波君の以来の為に、バスケに参加した。そして、佐藤さんは九院さんの為に、バレーに参加することにした、という訳ね」

「そういうわけになるね」

 後井の確認を、小佐野が交代する。あの後、俺たちは、奇遇にも互いに似たような依頼を受けていることを確認した。

 確認し終えると、江波が顔を青ざめている。九院もそれに気がついたようで、具合が悪そうにしている江波に尋ねる。

「江波君、顔色悪そうだけど大丈夫?」

「いやぁ、大丈夫。ちょっとな。今の話だと、俺だけ千川の意図に気がついていなかったってことになるよな」

 確かに。事実、後井と九院は佐藤の意図に気がついていた。シャーロキアン志望としては、自分だけ状況から察することが出来なかったのが居心地悪いのだろう。江波の名探偵への道は長い。

「じゃあ、私はこれで帰らしてもらうわ。このあと、少し用事があるの」

 ホームルームは七時限目だから、放課となる。用事とは何だろうか?

「待てよ、後井。用事ってなんだ?生徒会か?」

「いいえ。それとは別件よ」

「じゃあ、お前が今日、バトミントンの組み決めをを後回しにして、さらに何の種目にも出なかったことと関係があるのか」

「それは、俺も気になっていたんだよ、登葉」

 小佐野がそう言うと、佐藤と九院もウンウンと首肯する。

「え?何のことだ?どういうことだよ!」

 江波だけ状況を理解できていない様子だ。江波の名探偵への道はまだまだのようだな……。頑張れ!江波!

 状況を把握できていない江波の為に少し説明をしてやることにした。

「これまで球技大会や運動会の種目には積極的に参加して、大きな役割を果たしてきた後井が、何の種目にも参加しないってのは少し変だろ?しかも、責任感の強いコイツが、九院の件もあるのに、最後の一人のバレーの選手を決めるときにも名乗り出なかった。これは、少し理解し難い」

「なるほど、言われてみれば!」

 江波も合点がいったようだ。

「で、どうなんだよ後井?」

 俺は、後井に理由を問いただす。すると、後井は意地悪そうに笑みを浮かべて答える。

「あら、千川君は女の子を詮索するのが大好きなのかしら?なら、そんな千川君に教えてあげましょうか?」

 そう言われると困ってしまい、言葉に詰まる。

「あ、いや。別に、その、そういう訳じゃないが」

「いいわよ。特別に教えてあげるわ。私、今年の球技大会の日は……女の子の日なのよ。デリカシーの無い男の人は困るわ」

 後井は目を潤ませると、わざとらしく妖艶な響きのある声で言う。

 佐藤と九院の頬がぽっと赤くなった。小佐野と江波は気まずそうに視線を逸らす。

 なんか、俺、もの凄く申し訳ないことをしてしまったのでは?

「話は聞かせてもらったぜ!」

 気恥ずかしくなり、狼狽えていると誰かが救世主さながら颯爽と現れた。壁岡肇だ。手に何やらノートの様なものを持っている。

 面倒くさいことになったと、後井は重たい溜息をつく。九院は驚いて咄嗟に佐藤の腕を掴むと佐藤の背後に隠れ少し顔を覗かせている。佐藤は、楽しそうに微笑んでいる。佐藤、お前動じないな。

「で、壁岡君話は済んだ?もう野球部の部活に行ってもらって結構よ」

「まてまて、何も話してないだろ。それに今日、野球部の部活は休みだ」

 大きくゲフンッと咳払いしてから、壁岡は続ける

「後井。お前の言ってることは間違っている」
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