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第2章 初めてのケモミミ!?
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玄関のドアを勢いよく開けると、すでに馬を用意しおえた厩舎の者が、私の格好を見て驚いて固まっている。目の前には、全身は黒毛、鼻筋には白い毛のはえたスラリとした馬が立っている。なかなかの美男子に、思わず笑みが零れる。
「ありがとう。この子の名前は?」
「え、あ、シャイニングスターです」
「そう、んー、ちょっと長いわね。シャイ、それでいいかしら」
私の問いかけに、シャイニングスターはブルルッと返事を返した。
タイミングよく、キャサリンも馬に乗って現れる。彼女のは栗毛のガッチリしたタイプだ。
私は勢いよくシャイの背に跨る。
「おおおお」
なぜか玄関前に集まった使用人たちから、歓声があがる。こんな時間になっても、皆、起きて仕事してるのね。改めてそれに気付かされる。隣の屋敷とは少し離れているとはいえ、夜も遅いから、あんまり騒いで欲しくないんだけど。
「お、お嬢様っ」
使用人たちの後ろから、ぽっちゃりした体型の料理長のコトスが、大きめな籠を差し出してきた。
「ど、どうか、これをお持ちになってください」
「コトス、これは」
「は、は、伯爵様のお夜食にございます」
「な、コ、コトス、儂の夜食じゃと!」
「い、いいではございませんかっ! 伯爵様のは後でまた作りますから!」
「そ、そうではない! 馬上のメイリンに、その荷物は無理じゃ、と言いたかったんじゃ!」
「あっ」
二人のやりとりに、思わず笑ってしまいそうになる。私は、お祖父様の言葉を気にせず、コトスの差し出された籠を受け取り、マジックボックスの中に放り込んだ。
「おおお!」
再びのどよめきに、苦笑い。前のメイリンだった時は、まともに魔法など使ったことはなかった。何せ、未来の王妃。魔法を学ぶことよりもお妃教育のほうが優先されたのだ。
すっかり忘れていたけれど、これは、まだ辺境にいた頃に、母から教育を受けたもの。
王都に来てからはまったく使ったことがなかったから、このマジックボックスの中は空っぽ状態のはずだ。こうして記憶が戻ったからこそ、この能力の便利さがわかるもの。
「メイリンッ!?」
あ、お祖父様が驚いている。そういえば母からは内緒にしておけ、と、かなり昔に言われてた記憶が。
「まぁ、そういうことで」
「ど、どういうことだ!」
「お祖父様、時間がありません。コトス、後でお祖父様の夜食、頼みましたよ。もう、参ります。では、お先に!」
ハァッ! と気合を入れてシャイに鞭をいれ、私たちは屋敷を飛び出した。
「なんとまぁ……あれは本当にメイリンか?……まるで別人のようだな」
お祖父様の呆れたように呟いた言葉は、私の耳には届かなかった。
「ありがとう。この子の名前は?」
「え、あ、シャイニングスターです」
「そう、んー、ちょっと長いわね。シャイ、それでいいかしら」
私の問いかけに、シャイニングスターはブルルッと返事を返した。
タイミングよく、キャサリンも馬に乗って現れる。彼女のは栗毛のガッチリしたタイプだ。
私は勢いよくシャイの背に跨る。
「おおおお」
なぜか玄関前に集まった使用人たちから、歓声があがる。こんな時間になっても、皆、起きて仕事してるのね。改めてそれに気付かされる。隣の屋敷とは少し離れているとはいえ、夜も遅いから、あんまり騒いで欲しくないんだけど。
「お、お嬢様っ」
使用人たちの後ろから、ぽっちゃりした体型の料理長のコトスが、大きめな籠を差し出してきた。
「ど、どうか、これをお持ちになってください」
「コトス、これは」
「は、は、伯爵様のお夜食にございます」
「な、コ、コトス、儂の夜食じゃと!」
「い、いいではございませんかっ! 伯爵様のは後でまた作りますから!」
「そ、そうではない! 馬上のメイリンに、その荷物は無理じゃ、と言いたかったんじゃ!」
「あっ」
二人のやりとりに、思わず笑ってしまいそうになる。私は、お祖父様の言葉を気にせず、コトスの差し出された籠を受け取り、マジックボックスの中に放り込んだ。
「おおお!」
再びのどよめきに、苦笑い。前のメイリンだった時は、まともに魔法など使ったことはなかった。何せ、未来の王妃。魔法を学ぶことよりもお妃教育のほうが優先されたのだ。
すっかり忘れていたけれど、これは、まだ辺境にいた頃に、母から教育を受けたもの。
王都に来てからはまったく使ったことがなかったから、このマジックボックスの中は空っぽ状態のはずだ。こうして記憶が戻ったからこそ、この能力の便利さがわかるもの。
「メイリンッ!?」
あ、お祖父様が驚いている。そういえば母からは内緒にしておけ、と、かなり昔に言われてた記憶が。
「まぁ、そういうことで」
「ど、どういうことだ!」
「お祖父様、時間がありません。コトス、後でお祖父様の夜食、頼みましたよ。もう、参ります。では、お先に!」
ハァッ! と気合を入れてシャイに鞭をいれ、私たちは屋敷を飛び出した。
「なんとまぁ……あれは本当にメイリンか?……まるで別人のようだな」
お祖父様の呆れたように呟いた言葉は、私の耳には届かなかった。
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