52 / 95
第7章
50
しおりを挟む
封を開けると、白い煙が立ち上がったかと思ったら、丸い光の玉に変わったかと思ったら、すごい勢いでテントの中から飛び出ていった。
「な、なんだ?!」
その勢いに、びっくりしたけれど、すぐに、我に返る。
「あ、あれで誰かのところに知らせにいったってこと、なのか」
今の時点で誰が来るかなんか、俺には予想もつかないが、少なくとも、へリウスの身内であるはずだ。できるだけ、早く来てほしいところだが、いつ来てくれるかなんて、予想はつかない。こればかりは待つしかないんだろう。
俺は気持ちを切り替えると、再びへリウスの鞄を再び漁ることにした。
さっそく、魔物除けのお香がいくつか目に入った。
一応、テント周辺に結界が張ってあるとはいえ、このテントの周辺だけだ。目の前で魔物が待ち構えている状況は極力避けたい。
俺は自分のマジックバックになっているウェストポーチから、火打石を取り出す。火打石と言いながら、これもしっかり魔道具だ。ホビット族お手製らしく、今の俺にはピッタリサイズ。これのおかげで、すぐに火が付けられるのは便利だ。
テントの入口から顔を出してみる。うっすらと張っている結界は、テントから1メートルくらい先にある。おかげで、へリウスの足が出ていても助かったわけだけど。
このテントの機能である結界の厄介なところは、テントの所有者でもあり結界を張ったへリウス自身は出入りができるけど、俺は外に出たら戻れないこと。
結界から出ないように気を付けながら、テントの外側四隅に火のついたお香を置く。へリウスがそうやっていたのを覚えていたのだ。これでしばらくは周囲に魔物は寄ってこないはずだ。
安全が確保出来たと思って気が抜けたとたん、くぅ~っと腹の虫が鳴いた。
「……そういや、飯食ってなかったっけ」
今更ながら、自分が空腹になっていたことを気付く。
テントの中に戻り、もう一度鞄の中を覗き込む。紐で括られた干し肉の束を見つけ出す。それに黒パン。正直、この世界の干し肉や黒パンは硬すぎて、俺の顎じゃ太刀打ちできなかった。
今まではへリウスが、干し肉を火で焙ったり、スープみたいのでふやかしてくれたりしてくれたけど、今は、自力でなんとかするしかない。ずっとしゃぶっていてもいいかもしれないけど、余計に腹が減りそうだ。
他に何かないかと諦めずに漁っていると、小鍋を見つた。
「これに湯でもわかして、干し肉でダシとるか」
もしかしたら、その匂いでへリウスも目を覚ますかもしれない。いや、干し肉程度じゃ、匂いも何もないか。あんまり期待はできないものの、そう願っていけないことはないだろう。
「よしっ」
俺は気合を入れると、再びテントの外へと出ることにした。
「な、なんだ?!」
その勢いに、びっくりしたけれど、すぐに、我に返る。
「あ、あれで誰かのところに知らせにいったってこと、なのか」
今の時点で誰が来るかなんか、俺には予想もつかないが、少なくとも、へリウスの身内であるはずだ。できるだけ、早く来てほしいところだが、いつ来てくれるかなんて、予想はつかない。こればかりは待つしかないんだろう。
俺は気持ちを切り替えると、再びへリウスの鞄を再び漁ることにした。
さっそく、魔物除けのお香がいくつか目に入った。
一応、テント周辺に結界が張ってあるとはいえ、このテントの周辺だけだ。目の前で魔物が待ち構えている状況は極力避けたい。
俺は自分のマジックバックになっているウェストポーチから、火打石を取り出す。火打石と言いながら、これもしっかり魔道具だ。ホビット族お手製らしく、今の俺にはピッタリサイズ。これのおかげで、すぐに火が付けられるのは便利だ。
テントの入口から顔を出してみる。うっすらと張っている結界は、テントから1メートルくらい先にある。おかげで、へリウスの足が出ていても助かったわけだけど。
このテントの機能である結界の厄介なところは、テントの所有者でもあり結界を張ったへリウス自身は出入りができるけど、俺は外に出たら戻れないこと。
結界から出ないように気を付けながら、テントの外側四隅に火のついたお香を置く。へリウスがそうやっていたのを覚えていたのだ。これでしばらくは周囲に魔物は寄ってこないはずだ。
安全が確保出来たと思って気が抜けたとたん、くぅ~っと腹の虫が鳴いた。
「……そういや、飯食ってなかったっけ」
今更ながら、自分が空腹になっていたことを気付く。
テントの中に戻り、もう一度鞄の中を覗き込む。紐で括られた干し肉の束を見つけ出す。それに黒パン。正直、この世界の干し肉や黒パンは硬すぎて、俺の顎じゃ太刀打ちできなかった。
今まではへリウスが、干し肉を火で焙ったり、スープみたいのでふやかしてくれたりしてくれたけど、今は、自力でなんとかするしかない。ずっとしゃぶっていてもいいかもしれないけど、余計に腹が減りそうだ。
他に何かないかと諦めずに漁っていると、小鍋を見つた。
「これに湯でもわかして、干し肉でダシとるか」
もしかしたら、その匂いでへリウスも目を覚ますかもしれない。いや、干し肉程度じゃ、匂いも何もないか。あんまり期待はできないものの、そう願っていけないことはないだろう。
「よしっ」
俺は気合を入れると、再びテントの外へと出ることにした。
0
あなたにおすすめの小説
異世界に召喚されたが「間違っちゃった」と身勝手な女神に追放されてしまったので、おまけで貰ったスキルで凡人の俺は頑張って生き残ります!
椿紅颯
ファンタジー
神乃勇人(こうのゆうと)はある日、女神ルミナによって異世界へと転移させられる。
しかしまさかのまさか、それは誤転移ということだった。
身勝手な女神により、たった一人だけ仲間外れにされた挙句の果てに粗雑に扱われ、ほぼ投げ捨てられるようなかたちで異世界の地へと下ろされてしまう。
そんな踏んだり蹴ったりな、凡人主人公がおりなす異世界ファンタジー!
異世界最強の賢者~二度目の転移で辺境の開拓始めました~
夢・風魔
ファンタジー
江藤賢志は高校生の時に、四人の友人らと共に異世界へと召喚された。
「魔王を倒して欲しい」というお決まりの展開で、彼のポジションは賢者。8年後には友人らと共に無事に魔王を討伐。
だが魔王が作り出した時空の扉を閉じるため、単身時空の裂け目へと入っていく。
時空の裂け目から脱出した彼は、異世界によく似た別の異世界に転移することに。
そうして二度目の異世界転移の先で、彼は第三の人生を開拓民として過ごす道を選ぶ。
全ての魔法を網羅した彼は、規格外の早さで村を発展させ──やがて……。
*小説家になろう、カクヨムでも投稿しております。
学校ごと異世界に召喚された俺、拾ったスキルが強すぎたので無双します
名無し
ファンタジー
毎日のようにいじめを受けていた主人公の如月優斗は、ある日自分の学校が異世界へ転移したことを知る。召喚主によれば、生徒たちの中から救世主を探しているそうで、スマホを通してスキルをタダで配るのだという。それがきっかけで神スキルを得た如月は、あっという間に最強の男へと進化していく。
モブっと異世界転生
月夜の庭
ファンタジー
会社の経理課に所属する地味系OL鳳来寺 桜姫(ほうらいじ さくらこ)は、ゲーム片手に宅飲みしながら、家猫のカメリア(黒猫)と戯れることが生き甲斐だった。
ところが台風の夜に強風に飛ばされたプレハブが窓に直撃してカメリアを庇いながら息を引き取った………筈だった。
目が覚めると小さな籠の中で、おそらく兄弟らしき子猫達と一緒に丸くなって寝ていました。
サクラと名付けられた私は、黒猫の獣人だと知って驚愕する。
死ぬ寸前に遊んでた乙女ゲームじゃね?!
しかもヒロイン(茶虎猫)の義理の妹…………ってモブかよ!
*誤字脱字は発見次第、修正しますので長い目でお願い致します。
レベルを上げて通販で殴る~囮にされて落とし穴に落とされたが大幅レベルアップしてざまぁする。危険な封印ダンジョンも俺にかかればちょろいもんさ~
喰寝丸太
ファンタジー
異世界に転移した山田(やまだ) 無二(むに)はポーターの仕事をして早6年。
おっさんになってからも、冒険者になれずくすぶっていた。
ある日、モンスター無限増殖装置を誤って作動させたパーティは無二を囮にして逃げ出す。
落とし穴にも落とされ絶体絶命の無二。
機転を利かせ助かるも、そこはダンジョンボスの扉の前。
覚悟を決めてボスに挑む無二。
通販能力でからくも勝利する。
そして、ダンジョンコアの魔力を吸出し大幅レベルアップ。
アンデッドには聖水代わりに殺菌剤、光魔法代わりに紫外線ライト。
霧のモンスターには掃除機が大活躍。
異世界モンスターを現代製品の通販で殴る快進撃が始まった。
カクヨム、小説家になろう、アルファポリスに掲載しております。
「キヅイセ。」 ~気づいたら異世界にいた。おまけに目の前にはATMがあった。異世界転移、通算一万人目の冒険者~
あめの みかな
ファンタジー
秋月レンジ。高校2年生。
彼は気づいたら異世界にいた。
その世界は、彼が元いた世界とのゲート開通から100周年を迎え、彼は通算一万人目の冒険者だった。
科学ではなく魔法が発達した、もうひとつの地球を舞台に、秋月レンジとふたりの巫女ステラ・リヴァイアサンとピノア・カーバンクルの冒険が今始まる。
異世界に転移した僕、外れスキルだと思っていた【互換】と【HP100】の組み合わせで最強になる
名無し
ファンタジー
突如、異世界へと召喚された来栖海翔。自分以外にも転移してきた者たちが数百人おり、神父と召喚士から並ぶように指示されてスキルを付与されるが、それはいずれもパッとしなさそうな【互換】と【HP100】という二つのスキルだった。召喚士から外れ認定され、当たりスキル持ちの右列ではなく、外れスキル持ちの左列のほうに並ばされる来栖。だが、それらは組み合わせることによって最強のスキルとなるものであり、来栖は何もない状態から見る見る成り上がっていくことになる。
スマホアプリで衣食住確保の異世界スローライフ 〜面倒なことは避けたいのに怖いものなしのスライムと弱気なドラゴンと一緒だとそうもいかず〜
もーりんもも
ファンタジー
命より大事なスマホを拾おうとして命を落とした俺、武田義経。
ああ死んだと思った瞬間、俺はスマホの神様に祈った。スマホのために命を落としたんだから、お慈悲を!
目を開けると、俺は異世界に救世主として召喚されていた。それなのに俺のステータスは平均よりやや上といった程度。
スキル欄には見覚えのある虫眼鏡アイコンが。だが異世界人にはただの丸印に見えたらしい。
何やら漂う失望感。結局、救世主ではなく、ただの用無しと認定され、宮殿の使用人という身分に。
やれやれ。スキル欄の虫眼鏡をタップすると検索バーが出た。
「ご飯」と検索すると、見慣れたアプリがずらずらと! アプリがダウンロードできるんだ!
ヤバくない? 不便な異世界だけど、楽してダラダラ生きていこう――そう思っていた矢先、命を狙われ国を出ることに。
ひょんなことから知り合った老婆のお陰でなんとか逃げ出したけど、気がつけば、いつの間にかスライムやらドラゴンやらに囲まれて、どんどん不本意な方向へ……。
2025/04/04-06 HOTランキング1位をいただきました! 応援ありがとうございます!
※AI学習禁止・無断転載禁止・無断翻訳禁止・無断朗読禁止
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる