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第8章
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俺は慌ててフードを戻そうとするのだが、女は興奮して、フードを掴んで離さない。
「やめろよっ!」
「ちょ、可愛いのにっ」
「嫌だって言ってんだろっ」
「なんでよ、かわいい、かわいい! やだー、エルフの子供って、こんなに可愛いのっ!?」
「うるせぇって言ってんだろっ」
俺は完全にキレて、女の脛を思い切り蹴とばした。クリティカルヒット!
「痛ぁ~いっ!」
女がしゃがんで脛に目を向けた隙に、俺はフードをかぶり、猛ダッシュでテントに戻ろうとしたんだが。
「……なんだ、エルフだったのかよ……それも子供たぁ……金の匂いがプンプンするな」
物騒な顔の……ギルマスが目の前に現れたかと思ったら、俺の襟首を掴んで、持ち上げた。
「だから、アイツはしつこくこいつの安全を求めたわけか」
「離せっ! クソ爺っ!」
俺は思い切り暴れてやったのだが、所詮、見かけ5才児。ギルマスになるような奴に敵うわけもなく。
「おい、そのテント、俺の部屋に持ってこい」
「は、はいっ」
受付のおじさんがテントを持ち上げようとしたけれど……動かない。そりゃそうだ。俺専用だからな。俺にしか移動させることも出来ない。
「チッ、仕方ねぇ。ガキは俺の部屋で預かる。アイツが来たら、すぐに知らせろ」
「は、はいっ」
「離せっ、離せよっ!」
「うるせぇ、黙ってろ」
ギルマスが威圧をこめて言ってきたもんだから、俺の身体は固まってしまう。
――クソッ。こんな所でっ。
俺に出来るのは、ギロリと睨み返すだけ。元の世界での身体だったら、魔法が使えたなら、少しは反撃できたのに。
怒りと悔しさで、胸の中がぐるぐると熱くなってくる。その熱が、身体から溢れそうになる。
「あ? ……や、やばいっ!」
ギルマスが突然慌てだしたが、何か行動に移すまでもなく、俺の身体から光が弾けた。
同時に、俺は意識を失った。
* * * * *
「あら、やだ。どうしたのよぉ」
野太い声なのに、女言葉……オネエか?
俺はゆっくりと目を開けると、真っ白な世界にいた。
「せっかく無事に辿り着いたと思ったのに、中々ハードな環境にいるみたいね」
声をかけてきたのは、ギリシャ神話の世界にでも出てきそうな、そう、白いローブを着たアポロンとかみたいな外人が俺の顔を覗き込んでいる。
「……あんたは」
「あ、気が付いたぁ? 私はアルム。この世界の創造神、とでも言えば通じるかしらぁ? あなた、魔力が暴発しちゃって、その勢いでこの空間に意識が飛んできちゃったみたい」
そう言われて、改めて周りを見回す。確かに、さっきまでいたギルマスの部屋ではない。
「死んだわけじゃない?」
「大丈夫よぉ。それよりも、あなた、魔力の使い方がわかってないみたいね」
「……ああ」
「うーん、残念ながら、あなたは転生したわけでもないし、転移といっても出戻りだから、私の加護をつけてあげられないのよねぇ」
「出戻り?」
「そう。あ、時間がないわ。とりあえず、あなたの目で精霊が見られるようにしましょうか。そして言葉もね。できるだけ早く、美佐江に会うのよ。そしたら……」
アルムという名の神は中途半端な情報だけ渡して、ニッコリしながら手を振って遠ざかっていった。
「やめろよっ!」
「ちょ、可愛いのにっ」
「嫌だって言ってんだろっ」
「なんでよ、かわいい、かわいい! やだー、エルフの子供って、こんなに可愛いのっ!?」
「うるせぇって言ってんだろっ」
俺は完全にキレて、女の脛を思い切り蹴とばした。クリティカルヒット!
「痛ぁ~いっ!」
女がしゃがんで脛に目を向けた隙に、俺はフードをかぶり、猛ダッシュでテントに戻ろうとしたんだが。
「……なんだ、エルフだったのかよ……それも子供たぁ……金の匂いがプンプンするな」
物騒な顔の……ギルマスが目の前に現れたかと思ったら、俺の襟首を掴んで、持ち上げた。
「だから、アイツはしつこくこいつの安全を求めたわけか」
「離せっ! クソ爺っ!」
俺は思い切り暴れてやったのだが、所詮、見かけ5才児。ギルマスになるような奴に敵うわけもなく。
「おい、そのテント、俺の部屋に持ってこい」
「は、はいっ」
受付のおじさんがテントを持ち上げようとしたけれど……動かない。そりゃそうだ。俺専用だからな。俺にしか移動させることも出来ない。
「チッ、仕方ねぇ。ガキは俺の部屋で預かる。アイツが来たら、すぐに知らせろ」
「は、はいっ」
「離せっ、離せよっ!」
「うるせぇ、黙ってろ」
ギルマスが威圧をこめて言ってきたもんだから、俺の身体は固まってしまう。
――クソッ。こんな所でっ。
俺に出来るのは、ギロリと睨み返すだけ。元の世界での身体だったら、魔法が使えたなら、少しは反撃できたのに。
怒りと悔しさで、胸の中がぐるぐると熱くなってくる。その熱が、身体から溢れそうになる。
「あ? ……や、やばいっ!」
ギルマスが突然慌てだしたが、何か行動に移すまでもなく、俺の身体から光が弾けた。
同時に、俺は意識を失った。
* * * * *
「あら、やだ。どうしたのよぉ」
野太い声なのに、女言葉……オネエか?
俺はゆっくりと目を開けると、真っ白な世界にいた。
「せっかく無事に辿り着いたと思ったのに、中々ハードな環境にいるみたいね」
声をかけてきたのは、ギリシャ神話の世界にでも出てきそうな、そう、白いローブを着たアポロンとかみたいな外人が俺の顔を覗き込んでいる。
「……あんたは」
「あ、気が付いたぁ? 私はアルム。この世界の創造神、とでも言えば通じるかしらぁ? あなた、魔力が暴発しちゃって、その勢いでこの空間に意識が飛んできちゃったみたい」
そう言われて、改めて周りを見回す。確かに、さっきまでいたギルマスの部屋ではない。
「死んだわけじゃない?」
「大丈夫よぉ。それよりも、あなた、魔力の使い方がわかってないみたいね」
「……ああ」
「うーん、残念ながら、あなたは転生したわけでもないし、転移といっても出戻りだから、私の加護をつけてあげられないのよねぇ」
「出戻り?」
「そう。あ、時間がないわ。とりあえず、あなたの目で精霊が見られるようにしましょうか。そして言葉もね。できるだけ早く、美佐江に会うのよ。そしたら……」
アルムという名の神は中途半端な情報だけ渡して、ニッコリしながら手を振って遠ざかっていった。
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