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第10章
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俺たちの背後、街道側ではなく、森側の方から現れたのは。
「……日本人?」
長い黒髪を一つにまとめ、少し釣り目な黒い瞳、平たい典型的なアジアンな顔。
20代半ばくらいだろうか。ニヤニヤ笑っている顔は、意地悪そうというよりも、愛嬌のある感じだ。
「へリウス、頼まれたから来たんだけど~」
「び、びっくりさせんなよ、ミーシャ」
「転移するたびに、ぼよよーんとか、ぱーんとか音付いてたら、変じゃん」
「いや、そういう意味じゃないんだが」
へリウスが呆れたように答える。
しかし、俺の方は、ミーシャと呼ばれた女の人から目が離せない。
この世界に来て、まだ数カ月ではあるものの、いくつかの人種を見てきた。獣人はもとより、普通の人もだし、エルフといえば俺自身がそうだろう。しかし、顔立ちは皆、西洋風だった。彼女のようなアジアンな顔は初めてだ。
その懐かしい感じに、ちょっとだけ、涙が出てしまった。
「やだ、坊や、大丈夫?」
そんな俺に気付いた女の人が慌てたように駆け寄ってきて、ギュッと抱きしめてきた。
「よしよし、怖かったねぇ。大丈夫、おばちゃんが来たからには、ちゃんと護ってあげるからねぇ」
「おい、それじゃ、俺たちが護ってなかったみたいじゃねぇか」
「こんな小さい子を泣かせて、何言ってるのよ」
いや、別にへリウスたちが悪いわけではなく、俺の涙腺が弱々だっただけの話なんだけど。ていうか、まだ、おばちゃんなんていう年じゃないだろ?
『美佐江、嫌なヤツが来るぞ』
「嫌なヤツ? ……うわぁ~、ストーカーエルフかっ!」
「は?」
そのストーカーエルフとかいうよりも、俺が気になったのは、いつの間にか、女の人の背後に立っていた男の人。
へリウスとたいして身長差がないくらい大きくて、濃い緑の長い髪が印象的だ。でも、明らかに俺たちと何かが違う……そうだ、なんかキラキラした光のエフェクトが舞っているように見えるんだ!
「あ、あの、その人は」
俺の言葉に、男の人と女の人が目を瞠った。
「え、なに、僕、精霊王様が見えてるの?」
『……おや、この者は』
なんか聞き捨てならない言葉があった気がしたんだけど!
『精霊王様!』
呆気に取られている俺の背後から、エアーが飛び出してきて、男の人の前で五体投地してる!?
『ほう、この大きさの精霊をともにしているか』
何が何やら、と混乱しているのは、俺だけではないらしい。
「ミーシャ、精霊王様って」
「うん? 今日の私のボディーガード」
「ぼでぃーがーど?」
「あ、護衛ってこと」
「……俺には見えないんだけど、へリウス様には見えてますか?」
アーロンがこそっとへリウスに聞いているけど、へリウスも、眉間に皺をよせて頭を振る。
「一々、姿を見せる必要ないでしょ? というか、面倒そうなヤツが街から向かってきてるって。さっさと、あっちに戻るよ」
もっと色々聞きたいところだけれど、そんな余裕はないらしい。
「ほんじゃ、とりあえず、うちに飛ぶから。もう、旦那さんが心配性だから、早くもどんないと、面倒なのよ」
うんざりそうな顔をしてそう言うと、俺を抱えあげたと同時に……周囲はなんか知らない部屋に変わってた。なんじゃこりゃ!?
「……日本人?」
長い黒髪を一つにまとめ、少し釣り目な黒い瞳、平たい典型的なアジアンな顔。
20代半ばくらいだろうか。ニヤニヤ笑っている顔は、意地悪そうというよりも、愛嬌のある感じだ。
「へリウス、頼まれたから来たんだけど~」
「び、びっくりさせんなよ、ミーシャ」
「転移するたびに、ぼよよーんとか、ぱーんとか音付いてたら、変じゃん」
「いや、そういう意味じゃないんだが」
へリウスが呆れたように答える。
しかし、俺の方は、ミーシャと呼ばれた女の人から目が離せない。
この世界に来て、まだ数カ月ではあるものの、いくつかの人種を見てきた。獣人はもとより、普通の人もだし、エルフといえば俺自身がそうだろう。しかし、顔立ちは皆、西洋風だった。彼女のようなアジアンな顔は初めてだ。
その懐かしい感じに、ちょっとだけ、涙が出てしまった。
「やだ、坊や、大丈夫?」
そんな俺に気付いた女の人が慌てたように駆け寄ってきて、ギュッと抱きしめてきた。
「よしよし、怖かったねぇ。大丈夫、おばちゃんが来たからには、ちゃんと護ってあげるからねぇ」
「おい、それじゃ、俺たちが護ってなかったみたいじゃねぇか」
「こんな小さい子を泣かせて、何言ってるのよ」
いや、別にへリウスたちが悪いわけではなく、俺の涙腺が弱々だっただけの話なんだけど。ていうか、まだ、おばちゃんなんていう年じゃないだろ?
『美佐江、嫌なヤツが来るぞ』
「嫌なヤツ? ……うわぁ~、ストーカーエルフかっ!」
「は?」
そのストーカーエルフとかいうよりも、俺が気になったのは、いつの間にか、女の人の背後に立っていた男の人。
へリウスとたいして身長差がないくらい大きくて、濃い緑の長い髪が印象的だ。でも、明らかに俺たちと何かが違う……そうだ、なんかキラキラした光のエフェクトが舞っているように見えるんだ!
「あ、あの、その人は」
俺の言葉に、男の人と女の人が目を瞠った。
「え、なに、僕、精霊王様が見えてるの?」
『……おや、この者は』
なんか聞き捨てならない言葉があった気がしたんだけど!
『精霊王様!』
呆気に取られている俺の背後から、エアーが飛び出してきて、男の人の前で五体投地してる!?
『ほう、この大きさの精霊をともにしているか』
何が何やら、と混乱しているのは、俺だけではないらしい。
「ミーシャ、精霊王様って」
「うん? 今日の私のボディーガード」
「ぼでぃーがーど?」
「あ、護衛ってこと」
「……俺には見えないんだけど、へリウス様には見えてますか?」
アーロンがこそっとへリウスに聞いているけど、へリウスも、眉間に皺をよせて頭を振る。
「一々、姿を見せる必要ないでしょ? というか、面倒そうなヤツが街から向かってきてるって。さっさと、あっちに戻るよ」
もっと色々聞きたいところだけれど、そんな余裕はないらしい。
「ほんじゃ、とりあえず、うちに飛ぶから。もう、旦那さんが心配性だから、早くもどんないと、面倒なのよ」
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